イタロ日記

2011年05月04日(水) 【南仏8】パリ再び

パリに帰る日。
来た道を戻るって変な気分。
最初は未知のルートっていうだけで大移動に思えるのに、帰りはあっと言う間。
地図上の記号に過ぎなかった所が、地名を見るだけで居た人の顔まで思い出す街になる。
アルルに至っては、もはや「ゴッホとドロボーの街(笑)」だ。

旅立ちの日はどんよりしていたリヨン駅。
再び降り立つと、すっかり初夏の陽射し。
ホテルに荷物を置いて、昼ご飯に出かける。
パリは東京より車の運転が荒くてゴミゴミしてる感じだ。
丸の内なんて車も静々走ってるもんね。
しかしパリのカフェっていくらなんでも車道に近すぎない?排ガスまみれではないか。

ランチは「ポーズ・カフェ」にした。昔、映画に使われたとかで、いろんなガイドブックに載ってるところ。
これがまー大繁盛!テーブルが空いたそばから次の客が入ってくる。
こっちは1人ってことで割とすぐに座れた。
タルタルステーキ頼む。なんかすごく食べたかったんだよね。この店のは自分でマスタード等で調味できるタイプと、元々味がついてるのを選べる。私は味付きにした。結構美味しゅうございました。


タルタルステーキ(日本に帰ったらユッケ騒動が)


その後はとりあえず市内散歩。
久々のセーヌ川。相変わらず観光客てんこもり。

ノートルダム寺院見て、セーヌ左岸に移動。私はコテコテの右岸派なので、左岸ってあんまり知らない。
パリ自体3回目でそれほど長く居た事ないけれども。
右岸が新宿とか中央線沿線みたいなイメージ(マレ地区なんて新宿2丁目みたいなもん)、左岸が青山とかちょっとインテリな感じ・・・だと思う。

道が平坦なもので、ついつい歩きすぎてしまう。
ここらで休憩、サンジェルマンプレ教会に入る。
教会はいいな〜特に暑かったり寒かったりする日の休憩用としては。タダでこんな美しい空間に居られるのである。おまけに何時間居ても怒られない。


いつまででもいられそうな空間


この教会、ノートルダムよりも気に入った。
すごく身の丈にあうというか、威圧的なところが無い。あまりにも気に入って一人でブツブツ「良い教会だ〜良い教会だ〜」とつぶやきながら徘徊してたので、変な東洋人だと思われたことであろう。

それにしてもフランスに3回も来るなんて思っても見なかった。
昔は全然興味なかったのに。
こういうのも「縁」って言うんだろうか。
既に「次回」を考えてはいるけれど・・・はてさて、また「ここ」なのか。それともまた別の「どこか」なんだろか。



2011年05月03日(火) 【南仏7】泉の街エクス


ド・ゴール広場の大噴水


旅も残すところわずか。
今日訪れるのはエクス・アン・プロヴァンス。多数の泉とプラタナス並木のある大学都市。セザンヌの故郷でもある。

しかしこれまた今日も寝坊。。。

アヴィニョンからエクスまでのバス、朝8時台の便に乗れなかった。
次は11時台だと。おまけにバス代は片道15ユーロ!あららオランジュと大違い。結構遠いんだな、アヴィニョンから。って地図見れば一目瞭然。
旅も長くなるといろいろアバウトになってくる。

バスの時間まで公園でヒマつぶそうとしたら、モナコ人でっせ〜とかいうオッサンにナンパされてしまう。
オッサン、バカンスなのに「1人で来た」。おまけにスーツ姿。
先日のアルルの黒人といい、訳分からん人物だらけ。

「バス乗らなきゃいけないから」とその場を離れたはいいが、時間には早すぎ。
あー、やっぱり女性の一人旅は危険だし不便だ。

やっとバスに乗り込み、エクス着。
実は「どうしても来たい!」って街ではなかったのだが、これがなかなか良い。
表参道をギュッと圧縮したような感じというか。あそこらへんとか青山あたりがテリトリーな人には居心地良いのではないか。
新宿吉祥寺がメインのワタシ的にはちょっと違うんだけど。
でも馴染みやすいというか、そこそこ安全そうな印象。

とりあえずもう昼。適当なレストランに入り「アイオリ」食べる。
ニンニク入りマヨネーズソースをアイオリと呼び、それをつけて食べる料理自体も同名。
タラやツブ貝・野菜をゆでただけのシンプルなもの。
しかし南仏の料理はいいな。パリより重たくなくてヘルシー。でも日本と比較するととんでもない量を食べているのだが。

満足してカード使おうとすると、機械が受け付けてくれない!
現金で払ったはいいけど、例の黒人のこと思い出して不安に・・・(って不安になるのが遅過ぎだ、自分)

考えても仕方ないとセザンヌのアトリエへ。


セザンヌのアトリエ(ほんとは撮影禁止らしい)


アトリエは広くないが天井が高い。なんだか学校の美術室みたい。
ちょうどどこかの学生の見学時間と一緒になっちゃって落ち着かなかった。
それにやっぱりカードのことが心配で、街を少しだけ散歩した後、アヴィニョンに早々に帰ることに。

ホテルに着いて、宿のおじさんに「エクスでカードが使えんかった〜」と泣きつく。
試しに宿代をカードで支払えるかやってみることに。おそるおそる暗証番号を入れると・・・アッサリ支払完了!
既にパリ行きの切符は買ってあるし、パリまで戻れれば後はどうとでもなるであろう。
あ〜良かった。

エクス滞在があまりにも短時間だったので、次回はカフェでまったり読書する時間でも作りたいな。



2011年05月02日(月) 【南仏6】オランジュの古代劇場


圧巻!古代劇場


今日訪れるのはオランジュという町にある古代劇場。
世界で最も保存状態の良い劇場だそうで、壁面が素晴らしい形で残っている。
ローマ遺跡もそろそろ飽きてはいたんだが、ここは写真を見てかなり期待していた場所。

アヴィニョンからのバス代、片道3ユーロ。安いな〜。
安いのはいいんだが、アヴィニョンのバスターミナルはホントに暗くてボロい。。。ホームを示す看板も、あちこち壊されたまま。
行楽シーズン前に修理しようという発想は無いのか。無いんだろな。

オランジュのバスターミナルに着くと、既に古代劇場が見えている。
その大きさに期待も膨らむ。
内部に入ってさらに感動!!
いや〜、これはすごいわ。日本人、絶対見に来た方がいいと思う。
完璧な保存状態。

朽ち果てた物に侘び寂びを感じる私達ではあるけれど、これ程の建造物がここまで美しく保たれているという奇跡にも呆然とする。
まさにタイムスリップ感覚。
それこそ「仁」か「テルマエ・ロマエ」。
最上段の席に座り、強い日差しの中、壁面を眺める。
あ〜、こういうぼーっとした時間が一番いいな。
ちなみにこの劇場、今も現役。野外音楽祭が行われる日もある。


人が入るとこんな感じらしい


劇場と付属の小さな博物館を見て、昼食をとった後はすぐアヴィニョンに戻った。
ゴクミが住んでるらしい川向こうの隣町、ヴィルヌーヴ・レザヴィニョンに行くため。
ガイドブックには「アヴィニョン市内から橋をのんびり渡って行くとよい」と書いてあったんだが、その橋がビュンビュン車が通って埃っぽいわ、川から強風が吹き付けるわで、全然「のんびり」感が無い。
素直に市内からバスで行った方がいいかもしれん。

橋の上から中州を見下ろすと、ペタンクをやっていた。
なんと行ったら良いか、鉄球を使う「ビー玉遊び」というか。ビー玉よりはかなり大きい玉を使うけど。
南仏と言ったらコレというくらい、いろんなとこで紹介されてたが、ホントにやってるんだなあ。


ほんとにやってた「ペタンク」


ヴィルヌーヴ・レザヴィニョンは、すんごくフツーの住宅街だった。
雰囲気的にリスボンのサンジョルジェ城の裏の住宅街みたい・・・って全然わかんないよね。
よっぽどヒマでない限り、別に来る必要も無いような。
これだったらオランジュで、もうちょっとゆっくりすれば良かったかな?



2011年05月01日(日) 【南仏5】アルル牧童祭


おめかしした子供達。ゴッホというよりルノワール


さて、旅のメインイベント(?)「アルル牧童祭」。
と言っても出発前にネットで目にするまで全く知らなかったお祭り。
毎年5月1日に行われるようだが、今年はたまたま3年に1度のアルルの女王を選出する年だそう。

ちょっと寝坊したが、パレードの開始時間には間に合った。
だいたい9時位だったかな?カフェ・ヴァン・ゴッグ前の広場に色とりどりの衣装に身を包んだ市民が集合(※ヴァン・ゴッグ=ゴッホのこと)。
カマルグの白い馬に乗ったカウボーイ達とともに、彼らがただ町を練り歩くだけ…といたってシンプルな催し。


馬はカワイイけど「落とし物」に注意


教会に聖人の像がかつぎ込まれる場面もあるのだが、キリスト教に詳しくないので何の像だかわからない。
とは言え、着飾って晴れやかなアルルの人々を見ているだけで気分は盛り上がる。
みんな写真撮影には気さくに応じてくれる。むしろ「なんで私を撮らないの?」くらいな勢い(笑)。


カフェでまったりしてる優雅なマダム


お人形みたいな赤ちゃん。ベビーカーもレトロ


競技場前は大混雑。渋滞でなかなか進まない時も


昼頃になって、市庁舎前に全員が集結。
アルルの女王の選出を待つ。この頃になると日差しがかなり強い。肌が出てる部分はチリチリして痛いくらい。
5月と言えども、帽子や扇子の類いは持ってた方がよい。
選出にかなり時間がかかり、市庁舎のバルコニーに誰かが顔を出す度に市民がブーイング。
ようやく新女王と最終選考に残った女性達が現れると大歓声につつまれ、その後何かの歌を全員が歌いだした。
市民達の合唱を聞いていたら、何故かウルウルきてしまった。


肝心の女王は遠過ぎて見えない〜


その後、円形競技場で闘牛もあるのだが、私はあんまり見たくなかったので省略。

驚いたのは祭りの後。
午後になると、町に人っ子一人いなくなってしまうのだ!!!
いや確かにシエスタなんだろうけど、行事が終わってからもみんなで路地をウロウロしたって良さそうなもの。
せっかくおめかししたんだし。
暑いから早く脱ぎたいのかもしれないけど、日本じゃ考えられん。浴衣着たらそのへんブラブラするよねえ???

午後からやってきた日本人観光客も居たけど(もちろんツアーじゃなくて個人とおぼしき方々)、とりあえず祭りのことは知ってたと思うのよ。だから町見て「あれ…日を間違えたのかな?」って思ったんじゃないだろうか。

なんというか土地柄?を思い知った瞬間だったわ〜

※注意!
このお祭り当日は、アルルの観光施設全てクローズです。
残念ながら、お祭りと名所巡りはまとめて楽しめないので、来年行きたいって人は気をつけてね〜


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