セルフライナーノーツ。 |
|||
2004年01月26日(月) 姫の定義。 |
|||
先週から甜茶を飲み始めました。花粉症対策。 去年はこの甜茶とタブレットだけで、ほとんど症状が出なかったのです。ありがたや〜!ヽ( ´ー`)ノ 今年は例年よりも花粉少な目らしいしね。 砂糖入りの紅茶のような味わい。普段は珈琲も紅茶もストレートで飲む私ですが、冬にはこんな甘さもいいなぁと思います。 読書感想文をひとつ。 五條瑛『プラチナ・ビーズ』。これまたKリさんからの貸し出しです。 同人界では(も?)人気のある作家さんで、一度読んでみたいなぁと思っていたので…。 件の村上龍上下巻の後に読んだためか、もう読みやすくて読みやすくて!(笑) あっという間に読了したのですが……速さに比例して、何も残りませんでした(苦笑) ぇえーと……結局、何が言いたかったんですかこの話?(;・∀・) 半分まで読み進んだ時点で、イヤーな予感はしたのですよ。これだけページ進んでるのに、筋が何一つ展開してない?!Σ(゚д゚|||;) まさか、このままラストまで『僕たちのお仕事日記♪』みたいなノリでいくんじゃあ…と危惧していたら。 まさに、その通りだった…!(笑) いや、そりゃあ最初の方からたんまり伏線は貼ってあった(しかも非常にわかりやすく)訳ですが、だからと言ってコトが動くのが第四部だけ…ってのは正直、バランス悪すぎじゃないのか? しかも、何がつまんないって主人公のこの無能っぷりでしょう! 某漫画の雨の日だけ無能になる大佐とは訳が違います(笑)雨だろうが晴れだろうが、海の上だろうが土の上だろうが無能です。 身体能力が劣っていても、それだけ頭脳が明晰であるとか第六感が閃くとか人身掌握の術を心得ているとか、何か取り柄があれば話は別ですが。 アナリストとしては”なかなか腕がいい”(どこが?)とか言われちゃったりしてるシーンもありますが、何のことはない、周囲の人間はすべて彼のその上を行ってる訳で……もう、全部お見通し! この人、いる意味ないんじゃん(笑) 黄色人種とはかけはなれた白い肌と薄茶の髪と瞳と、非力さと鈍くささと注意力散漫さ………ああ、そうか!つまりは”姫”なんだ!(笑) 何かあるたびに周囲のスペシャリストに守られているのはそのせいなのね!周囲に美形(?)の体育会系が揃ってるのはそのせいなのね!ロクに女が出てこないのもそのせいなのね!(あからさまにアヤしげな)ワインに一服盛られて眠っちゃったりするお約束もそのせいなのね! 異国のラスボス(?)が国籍不明の超美形で黒髪ロンゲでダイヤのピアスなんて、深夜アニメにでも出てきそうな風貌なのも、きっとそのせいなのね!(笑) ……なんだ、ただのオリジュネじゃん!(敢えてBLとは言わない(笑)) こんな男(達)、ホントにいたらマジ嫌です……(´Д`;) しかも、それが国を股に掛けた諜報活動の一端を担ってるだなんて…!(((((;゚Д゚))))) しかも一番たまらんのが、この主人公のヒジョーにジメジメした性格だ! 幼少時に父親がピストル自殺し、その遺体の第一発見者になったことからのトラウマ…ってのは、まあ、ありだとしよう。(ありがちすぎるけど(苦笑)) もう一つの要因、外国籍。在日外国人であるが故にどこへ行っても異端の目で見られ、同胞だと認められることもなく、まっとうな仕事も望めなかった、疎外感と孤独と苦悩。 ………何だかなぁ。今の時代、随分古くさい意識だなぁって思うんだけど。 勿論そういう現実も未だに根付いてはいるんだろうけど、私が仕事をしているチームにも、在日外国人の同僚がいる。 生まれも育ちも東京・上野、もちろん日本語しか話せず書けず、母国にも2度ほどしか行ったことはないらしい。 それでも、彼のパスポートの色は私達と違うものだし、免許証の裏には常に外国人登録証が挟まれ、彼に選挙権はない。 高校までは日本名で通っていたらしい。兄弟のうち2人は帰化したけれど、彼だけが大学以降外国籍を選んで名を変えた。 それでも(もちろん一流企業なんかではないが)健全でまっとうな就職をして、大学で得た専門知識を使い、社内の人間もクライアントも、彼が何人であるかなんてことは気にしちゃいない。 ドラマティックな背景ってのは小説には必須なんだろうけど、今のご時世にあんまり夢見がちな設定はどうかと思うよ…ホントにホントのBLならともかく!(笑) 唯一共感できなくもなかったのは…… ちょっとばかり関わりを持った女(対象者)を最初は屁とも思っていなかったクセに(笑)、彼女が死んだ途端に思い出をずんずん美化し始め、”お前の仇はこの俺が取ってやる…!”とでも言わんばかり思いこみ激しくなってゆく様は、この手の男の心情としては非常にリアルであるかも知れない、という一点だけ(笑) 思い出はいつも美しいのね(笑) こんな(♀向け)ヲタっぽいキャラ造形、男性作家もやるもんなんだ……そう言えば確か、昔読んだ『Twelve Y.O.』とかでもラスボスは背中に影背負った頭脳明晰な超美形(笑)で( ´,_ゝ`)プッ ってなカンジだったもんなぁ…(はっきり覚えてないけど) 男でもやっぱ、そういうキャラに憧れとかあったりするもんなのかしら……?としみじみ思っていたのですが。 五條さんって、女性だったんですね……! なら、このや○い臭も納得だ(笑) 五條といい高村薫といい京極夏彦といい、どうも私は同人界で(特に)人気のある作家さんの作品は肌に合わないようです…… 周囲がハマりまくってる某『バッ○リー』も激しくダメそうな悪寒……(((((;゚Д゚)))))(文字通り、”姫”いるらしいし(笑)) でも、読んでみたい。恐いモノ見たさで(笑) |
|||
2004年01月22日(木) 爆弾寒波で『ああ無情』。 |
|||
部屋の中で履こうと思って、5本指の靴下を買いました。……が。 は…履きにくい〜!!!(;>ω<) 外反母趾気味だからなんだろうけど、どうしても指が2本くらいすぐ同じ穴に入ってしまう…寒いのにイライラ!(笑) や、でも履いてしまえば快適ですが(笑) 昨晩から記録的な爆弾寒波。昨日から雪は降り続けていたので、朝起きて一面真っ白な銀世界を見てもそう驚きはしなかったのですが… 蛇口を捻ってビックリ!お湯が…お湯が出ないよぅ〜!(;>ω<)/(水はちゃんと出るんだけど) 独り暮らしを始めて以来、こんな目にあったのは初めてです… 夜じゃなくてよかった! 台風には強い九州ですが、雪となるともう大変。交通機関の乱れは勿論、チェーン持ってない車も多いし運転慣れてないし、靴だって雪使用じゃないし(笑) 水分の多い雪なので積もってもすぐ溶けて、半端なところで凍るのです。危ない! こんな日は通勤がとことんイヤになる筈なのですが、ちょうどこの日私は有休を取っていたのでした。ラッキー!ヽ(>▽<)ノ …でも、ないんだなコレが(-_-;) 本日は待ちに待った博多座でのレ・ミゼラブル観劇デーだったのです… よりによって大雪かよ!Σ(゚д゚|||;) (しかし数ヶ月前のチケ発売日にそんなことがわかろう筈もない…) 夕方6時の開演に合わせ、かなり早めに家を出ることにしました。 最寄りのJR駅まで普段ならバスを使うのですが、今日はモノレールで。(バス停まで徒歩2分、モノレール駅まで徒歩4分) 車道の混乱降りをよそにモノレールは全くの通常運行。意外に雪に強いんだね(笑) 駅についたのが1時。そして、ホームを確認しようと見上げた電光掲示板に並ぶ列車案内はなんとまだ10時台! もはや特急が特急でないとかそれ以前に、どの電車がどのホームにいつ入るのか誰にもわからないのだ!(笑) 尋ねられた係員が一生懸命に到着予定の列車を説明しているのだが、言ってる側から別の列車が別のホームに入ったり、掲示板とアナウンスが全然一致してなかったり、1台到着するたんびに別のホームから一斉に民族大移動が起こったりして… もう、みんなすっかり諦めの境地に入ってたけど(笑) 滅多にない光景なので、けっこう面白く眺めて時間を潰してました。や、これが出張先だったりしたらとても面白がってはいられないんだけどね(-_-;) 一体何時出発予定の便だったのかもはやわからない列車に乗り込み、途中で友達と落ち合えそうになったので隣の席を確保して数駅過ぎる。 N嬢の乗ってくる駅に到着。どの車両にいるかわかるかなぁ…とキョロキョロしていたところ、”すみません、ここいいですか?”の声が。20歳になるかならないかくらいの男のコ。 ごめんなさい、連れが来るんです…と言ってるところへN嬢が登場。彼はそうですか、と頷いて斜め向こうの席に。 大雪の中よく同じ列車に乗れたよね〜とN嬢としみじみ語っていたところ、件の彼が何か読み始めたのが目に入る。漫画か、試験前のテキストとかかなぁ…と思いきや。 B6くらいの小冊子で、何やら黒い●や白い○がいっぱい並んでて……や、これは、もしや!! つ、詰碁集?!Σ(゚д゚;) 私、外で詰碁集読んでる人、初めて見たよ〜!!(喜)しかも、(美形ではないが)ほどよくかわゆい男のコですよ?ちょっと服装も和谷タンぽかったのですよ?(迷彩ではなかったが(笑)) 思わず、隣のN嬢をつついて2人で悶えてしまいました…(笑) この駅、大学が側にあるから大学生かなぁ…囲碁部?それとも、日本棋院の支部にいるんだろうか。 どっちにしろ、この年代で外でまで詰め碁集読んでるってことは、碁打ちさんなんだよね! ぁあ、先にわかってればN嬢を遠くに座らせて(酷!)お姉さんは隣で寝掘り歯掘り話を聞きたかったよ…(笑) 目的地・博多座には余裕を持って到着。 バーゲンの名残をひやかしたり新しく出来たチョコレートショップを覗いたり。 早めの夕食には鰻の白焼丼を食べました。美味〜v鰻は蒲焼きより白焼きが好きなんだけど(甘い料理はそんなに好きじゃないので)、白焼丼は初めて見た!さすがは専門店。 お腹が一杯になったところで劇場へ。雪は止んでましたが寒風吹きすさぶ中、健気な入り待ちさんの姿もちらほら…。山口氏は開演ギリギリに入るって言うもんなぁ…。 や、天気よければ私も岡田氏待ちしたかったんだけどさ(笑) 本日のお題目は余りにも有名な『レ・ミゼラブル』。でも、ミュージカルでは初見なのです。しかも私、子供の頃に児童文学で読んだっきりのような…ストーリィはもう朧気。 しかしミュージカルファンではなく独自にレミゼファンを作る、と言われているほどの作品なので、下準備も何もせずに臨みました。 本日のキャストは ジャン・バルジャン:山口裕一郎,ジャベール:岡幸二郎,ファンテーヌ:高橋由美子,マリウス:岡田浩暉,テナ妻:森公美子,他(笑) 以前『エリザベート』で逃した山口氏のナマ歌をどうしても聴きたかったのと歌ジャベと言われる岡さんのテノール(しかもルックスも◎!)と、最年長なのに一番愛くるしいと評判の岡田マリウス目当てvしかもN嬢の希望の森嬢出演を組み合わせるともうこの日のソワレがベストメンバーだったのです… 山口氏出演日は流石の知名度で倍率高いのですが、この日はN嬢が裏技を駆使してくれてなかなか良い席で観ることができましたv N嬢は高島兄ジャベを観たがっていたのだが…ごめんよ(笑)”めざまし”であの声を聴いてから、どうしても岡ジャベが観たかったんだよ…! しかしこれが実に、大正解だったのでした( *´∀`) 冒頭の牢獄シーンから3時間の長丁場、めまぐるしいスピードで話が展開。かの有名な銀の燭台シーンもあっという間に過ぎ去って、え、これだけ?ってなカンジ(笑) 考えてみれば、脱獄したジャン・バルジャンがやがて富と名声を得て、孤児となったコゼットを引き取り、やがて成長したコゼットが恋をして嫁ぐまでの逃亡と革命の数十年の物語な訳なので無理もないけど。 記憶に残っている”ああ無情”のヒーローめいたジャン・バルジャン像は前半部分に集約されていて、後半は次第に若い世代に座を譲り、後ろから穏やかに見守っている姿が印象的でした。 そのせいかな?初見の山口バルの歌はもう、もちろん言うこと無しの素晴らしいものだったのですが…インパクトでは岡ジャベが強かったような。 (私は特に山口氏のファンでもないんだけど、以前、何かのCMで流れてた彼の歌に思わず振り返って以来、声の面ではやはり特別なモノを感じているのです。 普通に上手い歌でも、多分聞き流しそうなタイミングだったんだけど…その時は”何だこの声は?!”って振り返らずにはいられなかった(笑)ファンの人には今更でしょうが。) (前回Wキャストの『エリザベート』では、元々ファンだった内野トート@宗方仁(笑)を観劇したのだけど、正直…ミュージカルは演技より歌を重視して欲しいと改めて思わされたので(笑)) しかし今回は、ジャベとの対決シーン以外では、どちらかと言えば一歩引いた暖かみのある歌い方で、耳に優しい印象でした。確かに、悲壮感や苦悩は余り感じられなかったなぁ…。 一方のジャベールは、法の正義を信じ執拗にバルジャンを追い続け、彼と関わり合ううちに真実が何かを見失い、混乱のうちに河に身を投げる悲劇のヒロイ…じゃなくて、堅物の警視さん。 端正なマスクと、背中に尺でも入ってるかのような美しい立ち姿の岡ジャベ、甘くて艶っぽいテノール。ダメだなぁ、元々こういう不器用で頑固で脆いタイプに弱いのよ……腐女子の心を鷲掴み!(笑) 演出上ではジャベの自殺シーンはちょっとわかりにくかったのではないかと思うけど、それまでの岡氏の独唱”STARS”で十二分にその苦悩は伝わっていたのでした… しかし、この話もかなり同人萌え出来そうな設定だよな……愛と憎しみは裏返し?(笑) お目当て岡田マリウスも、恋に落ちる姿がホントにかわいく、テナ妻森嬢は(歌は勿論)あの爆乳とゼツミョウの笑いの間で、会場を湧かせてくれました…!( *´∀`) 今回の『レミゼ』で思ったのは…演出と、そして何より曲がイイ!ってこと。『エリザ』はダンスとか振り付けはよかったんだけど…歌(と詩)が妙!(ファンの人ごめんなさい(-_-;)) ”私だけに”とか名曲もあるけど…おかげであんまりどっぷりハマれないんだよな(汗) とか言いつつ10月のエリザ再々演にはきっとまた通ってしまうんだろうけど…。 次は山口トートと内野トート、Wで拝んでみたいと希望中。はぁ…金貯めなきゃ(-_-;)だって博多座S席15750円…(笑) とりあえず、次の週末は市村氏の『リチャード三世』です。今度は近場だけど……もう雪、降って欲しくないなぁ(;・∀・) |
|||
2004年01月14日(水) 落ちてないYO! 『半落ち』 (※ネタバレ有) |
|||
3日前に抜いた上の親不知、どうやら腫れも痛みもなく落ち着いてくれて一安心。 何せ歯医者に行くのは小学校以来(Σ(゚д゚;))のワタクシ。 年末、僅かながら歯が痛み出したのでビクビクしながら出向いたところ、虫歯は確かにあったがそれも2本だけ! ”丈夫な歯ですねぇ…”と先生にお墨付き頂きました(笑)両親も歯医者に縁がなかったんだよね…有り難い遺伝だ(笑) が、親不知に隣接した歯が虫歯らしく、”親不知上下抜きましょう!”とセンセイにあっさり言われ(^-^; 休日前の会社帰りにまずは上の1本を抜きました。頭の骨がミシミシ言ってて面白かった(笑) 下の親不知は横から生えてるらしく、上のように簡単にはいかないよ?と笑顔で脅され……2週間後の抜歯がコワイです(((((;゚Д゚))))) (元エセ歯科衛生士のKヤさん、笑わないよーに!(笑)) 会社の同僚に誘われ、『半落ち』を観に。 例によって、原作は未読(笑) ナオタロウの何とも押しつけがましいテーマソングはともかく(この人、母親より寧ろさだ○さし路線を歩んでいるような気がする…大丈夫か?!(-_-;))、原作はベストセラー小説、寺尾聰・柴田恭兵・原田美枝子と手堅い役者陣が揃い踏みなので少々は期待して。 私の場合”泣ける映画”≠”感動した映画”なんだけど、でも、たとえ一瞬でも泣けたってことはそれなりのカタルシスを与えてくれたり、ストレスを発散させてくれたりした証で。 いいねぇ、大いに泣かせて貰おうじゃん!(*゚∀゚)=3とハンカチを握りしめ、シネコンに向かった私なのでした。 ぇえーと。 ……うん、鼻にツーン、と何かが来る場面も無くはなかったんですよ?いわゆるぶち壊し演技をする俳優も、演出も無かったし。 こじんまりと手堅く作られた、小品。 正直、『え?こんだけ引っ張って、これがオチ?』ってカンジ。てゆーか、落ちてない!(笑) ゲタ履かせても60点。 以下、ネタバレ雑感。 男はなぜ、最愛の妻を殺したのか− 男はなぜ、あと1年だけ、生きる決心をしたのか−? キャッチコピーで使われてる、このフレーズ。 うん、これをそのまま根っこに持ってくれば良かったんですよ。つまりは、最初から人情劇にすればよかったのよ。 それを下手に”空白の2日間、妻を殺した男は何をしていたのか”、そこに拘る。推理物のように引っ張る。 だから、その理由を知らされた時”へ?そんだけ?”って話になる。それなら初めから告白してればよかったじゃん、って誰でも思うよ、あの作りじゃあ(笑) 主人公・梶が妻殺害を2日間自首しなかった理由。 映画を観る限り、”以前自分が骨髄提供した少年の姿を、(妻に代わって)密かに見に行っていた。それが世間に知れれば、少年が非難されると思い黙秘した”としか思えない。 心情としてはあり得ることだろうけど、ただそれだけのことで、(仮にも)元刑事である主人公が警察にも弁護士にも判事にも黙秘を続けていたとは思いがたい。 それに、そう告白したところで、本来臓器提供者と移植者との関係はお互いにも公にも知らされない筈だ。何らかのプライバシー保護はなされたんじゃないかと思う。 本当に描きたかったのは。 妻を殺して自分も自殺を決意していた主人公が、妻の残した日記を見ることによって、提供した自分の骨髄が誰かの命を繋いでいることを思い出し、そしてまだ、新たな命を救うチャンスがあるかも知れないと気づいた点? だったらさっさと推理編は終わらせて、梶とアルツハイマーの妻と亡くなった息子と、その過去に焦点を合わせれば良かったのだ。 なのにこれがまた、警察内部の隠蔽工作とか、警察VS検事、検事VS弁護士、あたりがテンポよく描かれてるのでついつい”何か重大な真実が…?!”と期待してみちゃうのね(^-^; その意味では、柴田恭平や伊原剛志、石橋蓮司の熱演なんかは無駄な出来の良さで(笑) 何て言うか…いい映画なんだけど、どっか偽善ぽい匂いが激しくするのだ。 いくら過去の人望とキャリアがあるとは言え、妻を殺した梶を見る周囲の目は最初から”この人にはきっと何か訳がある!”って信じ切ってるし。 (パパを見るチワワ並の瞳だったヨ…(笑)) この映画の善の象徴であるだろうラーメン屋の青年は、何とも無垢で木訥な表情で(や、さわやかに可愛かったんだけどね(笑))、しかも着てるモノが純白のタートルに純白のダウンですよ!白づくし!Σ(゚д゚;)輝いてる!(笑) (あ…あなたひょっとしてゲ○ですか?!(笑)) そして、何より。 アルツハイマーである梶の妻(原田美枝子)が、ウツクシすぎる。顔の美醜じゃなくて。 同じアルツハイマーの実父を持つ裁判官(吉岡秀隆)の家では、毎晩のように父親が台所を荒し、暴れ、夫は父と手首を結んで眠り、妻はいっそ何処かへいなくなってくれれば、と願う。徘徊する父の背に、縫いつけられた大きな名札。かつては、名裁判官だった男。 もちろん病状の進行具合にもよるんだろうけど、梶の妻のアルツ描写は、ほとんどが記憶の障害だけだ。 息子の死を忘れ、夕方、家の前に立って帰りを待ち続ける。息子の分までケーキを用意し、もういないのだと諭され、その度に何かが抜け落ちたような顔をする。 何度も何度も、そうして繰り返し息子を殺さねばならない妻が可哀相だから、と請われて主人公は心中を決意する。 何て、綺麗事だ。 実際にはそれだけじゃない筈だ、天職だった刑事を辞めねばならなくなった、生活も変わった、自分の時間もなくなった、そこまで尽くしても妻はただ壊れていくだけだ。 同情や哀しみからだけでは、人は殺せないと思う。勿論、愛だけでも。 私情挟みまくりの裁判官(吉岡秀隆)の役が非常に気に入らなかったが(他人に介護制度勧めるくらいなら、まずは妻がテンパってる自分の家に入れろよ!)、ラストの満額量刑で少しだけ落ち着いた。 あれは、アルツの父(妻から見れば義父)に消えて欲しいと時に願いつつも、症状がなく静かな時間には小声で歌を歌いながら家事をする、そうしてささやかに幸せを見つけながら共に生きて行こうとする家族は大勢いるのに妻を殺す道を選んだ、その梶に対する彼なりの答えなのだろう。…というか、自分の妻への答えなんだろうな、と。 それから…誰でも彼でも女性記者(鶴田真由)に事情を漏らしすぎ!刑事も検事も被害者姉も…いくら美人だからって、ねぇ!(笑) (そして鶴田嬢にのみ、専属スタイリストが2名もついてましたよ…ウフフ(笑)) チワワのクゥーちゃん並に、そこにいるだけで同情の視線を集める(笑)寺尾聡はもちろん、井原剛志の検事がけっこう良かった!身体出来てるからハクがあるし押し出しもいいし…インテリ役もいいんじゃないか?( *´∀`) 石橋連司の刑事もよかったのだが、何せ前クールの『共犯者』を毎週楽しみに見てたおかげで、この後浅野温子に刺されたりクール便で死体見つけたり、船で遺灰撒いたりするんじゃないかと気が気じゃなかったヨ…(笑) とまれ、非常に消化不良な1品でした(´Д`;) 感想も消化不良気味…(笑) いかに原作が面白くとも、映画として一つの世界が成り立ってなくちゃお話にならんよね。うん。 |
|||
2004年01月03日(土) 北斗杯だよ全員集合! |
|||
さて本日は。 待ちに待ったヒカ碁SPデーです!『北斗杯への道』です! ほっそり美人さんになった和谷タンや雌豹ポーズ(違!)で碁盤覗き込む和谷タンや悔しい!悔しい!悔しい!の和谷タンが惜しげもなく衆目に曝されるのです…!(;´Д`)ハァハァ …が、しかし。 久方ぶりに帰省した実家で、親と一緒にそんなあられもない姿(…)の和谷タンを直視できる筈もないワタクシ、涙を飲んでビデオ撮りです。 大方、この時間は実家で箱根駅伝でも見るんだろうなー…(^-^;と寂しく思っていたのですが。 何故かウィーンフィルのニューイヤーコンサート再放送など流れておりました(笑)(今年の指揮はやけにねっとりしてましたな…(笑)) ザッピングのフリして途中でチャンネル変えたりしていたのですが(笑)、何故か映るのは門脇や本田の長丁場ばかり…!そそ、そんなに和谷タン登場シーンは秘蔵なのか?!(笑) 友人Mちゃんが撮ってくれてるDVDが待ち遠しい…… (関係ないけど…チャンネル変えることを未だたまーに”チャンネルまわす”って言ってしまう私なんですが(笑)これって、リモコンテレビしか知らない世代には何故だかわかんないんだよねぇ…?はぁ…(´Д`;)) 実家から戻って、かじりつくように録画観ました!(笑)和谷タン(;´Д`)ハァハァしながら…… 以下雑感。 ・うわー、何か絵が乱れてんなぁ…。アップの顔が下手に綺麗なだけに、それ以外のシーンと落差が…(-_-;) ・背景まで崩れてます…後ろのビルがナナメに!(笑)道路の敷石もパースが妙だ… ・冒頭の佐為の扇子シーン……何でこんなBGM使うんだろう、曲なんか入れなきゃいいのに。私が子供だったらこれだけで観る気なくすな(汗)皇室アルバムか?!(笑) ・伊角さんデター!(笑)なに、何このひとこんなに顔赤いの?キャラ変わった?(笑)(…原作もそうだったから仕方ないけど、連載終盤の伊角さんは女の子みたいな顔になって好きじゃないです。気持ちワルいよ…(;¬_¬)) ・わ…和谷登場!(;´Д`)ハァハァ 顔はアレだけど…声!声が!(>ω<) 凄くなめらかで優しい…(声優さんには失礼かも知れないけど、私には妙齢の女性の声にしか聞こえない(笑))ここ、この声で毎晩彼の腕の中で喘いでいるのかと思うと、もも、もう…!ゴハン10杯は軽くイケる…!(;´Д`)ハァハァ ・アキラはイイカンジに成長してるかもvあまりゴツくなくてよかった…(-_-;) ・門脇VSヒカル…こんなに長かったのか。じゃあザッピングにひっかかったのも仕方ないな(笑)(個人的には門脇さん大好きだーv何だかんだ言って凄く純粋な人だよね(笑)) ・うわ!振り返ったヒカル、光ってるよ〜!!!しかもこの効果音は何だ!(爆笑) ・伊角さん、そんなにカメラに慌てて……ひょっとして魂抜かれるとか思ってんのか?(笑) ・本田エピは泣かせるなぁ…思えば、アニ碁のバス停で泣く本田にも私は泣かされたのだった(笑)声もいいなぁv ・越智、モブシーンではとんでもない頭のデカさなんだけど…何だありゃ!(笑) ・森下センセイかっこいー*・゜゚・*:.。..。.:*・゜(n‘∀‘)η゚・*:.。..。.:*・゜゚・*!!!!!☆ ・わーいv金子さんだーvキャネコさん…好きv ・社格好いいなぁ…v声も割と合ってるような… ・泣けますエンディング… 和谷タンシーンは確かにあちこち削られてたし、メリハリに欠ける筋立てでもあった訳ですが。 でも、北斗杯をすべて網羅できる筈もないし、番外編的な意味合いでのSPはこれでよかったのかも。 原作では確かに和谷の出は多いエピソードだったけどだったけど、所詮主役ではないわけだから…カットされるのも致し方なし(笑) 私的には、もうあの艶っぽい声だけで十二分に(;´Д`)ハァハァできました…!くそーっ、羨ましいぜ伊角さん…!ヽ(`Д´)ノ (笑) それと、改めて思ったのが…アニ碁のBGMってホントに酷いよね! 70年代刑事ドラマか…?!(笑) OPやEDの選曲は凄くいいと思うのに(私がアニ碁を見続けていられた理由の一つは、見惚れるくらいOPの曲と絵がすごーくマッチしてたこと)……繊細な絵に似合わない、仰々しくてベタなインストゥルメンタルとか…。 本編放映時も、原画の某さんにさんざんグチを垂れていたのだが、”TV局側にどんどん苦情言ってくれ〜(笑)”って言われてました(笑)(そういや、市河さんのスーツの色もすんごくなってて呆気にとられたんだよな…(笑)) まあ、でもこんなものなのかなぁ。 元々この北斗杯予選、連載時から私的にはあまりしっくりこなかったエピソードなのですよ。 和谷が可哀相だとか哀れだとか言う訳ではなく……というか、どうせならもっと卑屈に堕ちればよかったのに。(笑) 彼が思う、”勝手に潰しあいでも何でもしてくれ”ってのは、至極当たり前の思考であって恥じるべきでも何でもないんじゃないの? 運も力の一つでしょ。有利な対戦相手に当たったからと言って必ず勝てる保証はないし、その後の対局は一つずつ勝ち進んでいかなきゃならないことに変わりはないのだ。(現に和谷は越智に負けた訳だし(笑)) 再戦を申し出た越智の行為は確かに立派だと思うし、同じ立場に立った時に和谷がそれを出来たかどうかはわからないけど(笑)、少なくとも現時点で悔いなきゃならんほどのことは和谷は何もしてないと思うんだけどなぁ…。 というかむしろ、もっと掘り下げて欲しかったんだけど。やるならとことん根性曲げて!(笑) …それで、そこを乗り越える姿を見せてくれれば、もっとずっと嬉しかったのに。 表現したかったことはわかるけど、こんな薄っぺらい話にはして欲しくなかったなぁ…と思う和谷タン挫折物語(笑) でも、動く姿を見れるのはやっぱり嬉しいなぁ…v さすがにDVDの画面はものすごく綺麗で、萌も再燃(笑) 佐為とヒカルの話なんかも、そのうち書いてみたいなぁ… まずは12日の個人サイト移行目指して、1週間の改装に入ります。 踊る時代から長い間相方さんでいてくれたぽちさん、お疲れさまでしたそして有り難う!゜。・(/^▽^)/゜。・。 これからは、ゆっくり遊びに来てねv 新生『enigma』をどうぞよろしくお願い致しますm(_ _)m |
|||
2004年01月01日(木) 愛と幻想の寝正月。 |
|||
明けまして。 今年も実家でネット落ちの年末年始です。 ネット環境はなくもないんですが…まぁ、そこまで依存はしてないもので(笑) 1週間、電磁波を浴びずにまったり過ごして参りました。 とは言っても、大半はTV漬けの日々だったり(^-^; 実家のリビングにあるTVは2画面タイプなのですが、これがもうめちゃめちゃ落ち着かない! 紅白の隣にサップVS曙……緊迫感全然ねぇ!(笑) 元来、自分は画面にどっぷり集中して観るドラマオタなので、こんな劣悪環境なら何も見ない方がマシだと思いました…(笑) 3日のアニ碁SPはこっそり実家の自室で観ようと思ってたけど、この分では2画面の片方で観ろ!と言われかねません…(((((;゚Д゚)))))ガクガクブルブル そんな……久々に実家帰って、和谷タン(;´Д`)ハァハァ…とか言ってる妙齢の娘の姿……と、とても見せられない!(笑) やはり自分の部屋に戻って、存分に喰らいつきつつ悶えようと思いますv 今年の正月は、さすがにもう娘の不倫疑惑は消え失せたようで……ちょっと、ホ。(´Д`;) 何故かウチの両親、数年前から私が道ならぬ恋に悩んでいると思いこみ(笑)、帰省するたんびに”×イチくらいイイじゃない(何が?(笑))”とか”頑張って奪い取れ!(?)”とか言うような意味不明の叱咤激励を飛ばしてくれてですね…… つーか、アンタら、妄想激しすぎるんだよ!(笑) それとも何か…そんなに私背中に何か背負ってたのかしら……(-_-;) でも私、不倫って大嫌いなんだよね……それで不倫中の友達と揉めたことも何度もあるし。 そりゃあ、結婚してても誰かを好きになる感情は止められないのはわかるけどさ。それを行動に移さないのが大人であり理性であり、婚姻という法律の礎じゃないの? 変わっていく感情を止められない、止めたくないって人は、結婚なんて契約、最初からしなければいい訳でしょ。 まあ、何も知らされずにドツボに填まってた…ってことはあるだろうけどさ… ”婚外恋愛”だなんて気取った言葉使うな。 相手の家庭を壊そうなんて思ってないから、お互い承知の上だから、だから自分は悪くないなんてどうして言える? 同じことされてたら、腹立たないのか?気持ち悪くないか? 戻る場所のある相手を、どうして全部欲しくならないのか。私はそっちの方が不思議です(笑) オールオアナッシング。全部貰えないなら、最初から手は伸ばしたくない。 まったりついでに久々に読書を。 村上龍『愛と幻想のファシズム』上下巻。 故深作監督が、映画化を検討していたが諸々の理由でお蔵入り。主演に藤原クン想定してたらしいよ?ということで、Kさんが貸してくれましたv 頁を繰るなり、暫く忘れていたあの句点のない独特の読みにくいテキストが……さすがは村上龍!(笑)会話文が多いところでは、息継ぎさえできないような圧迫感に襲われます(笑) それがまあ、読み進むうちに慣れてしまうのもまたいつものことなんだけど。 うーん、深作さんがいかにも好みそうな内容です。世界恐慌、ドル暴落、日本経済壊滅、管理システム崩壊、ファシズム、クーデター。 …なんてものを敵とし手段としてはいるけれど、とどのつまり、カリスマとなる主人公は頭ではなく身体を、五感を、意識を使って世界に戦いを挑み、それに魅せられた者達が追随する。 人間、最後に必要なものは肉体と精神力だ。戦火の中を生き延びて来た深作さんにとって、それは至極当たり前の事実であり、そしてそれが今の世から消えつつあることもまた現実だったのだろう。 バトロワにしろ仁義にしろ必殺にしろ里見にしろ蒲田にしろ(すみません初期作品は未見です(-_-;))、彼が主人公に選ぶのは身体を使って生きざるを得ない人間達だ。アクションではなく、生きるため。戦いは生きるための一手段に過ぎない。 頭の中だけでふわふわと作り上げたような、思わせぶり精神世界の多いマイナー邦画作品の中で。血や汗や泥の匂いがして、洗練されてなくて見苦しくて最期の最後まで悪あがきする、深作作品が好きな私にとってこの本はちょっと似た匂いがする。 面白かった!というよりはむしろ、恐ろしくなる本。 初版が1987年8月。 その後世界は湾岸戦争が起こりソ連は崩壊しドイツが統一され、同時多発テロに乗じて星条旗の国はありとあらゆる手で制裁を加えている現状で。 この小説の中のように、米国とソ連が手を組んで金融市場を席巻することはもはやあり得なくても、同じような、ひょっとしたら小説の中身以上のことが現実に起きようとしている。 どれほど金積んでヘコヘコ頭下げたって、米国はその気になれば簡単に日本を攻撃するだろう。理由は何とでもいちゃもん付ければいい、証拠捏造は得意なお国柄だし。 わかっていて、それでもムリヤリ自衛隊を派遣なんかしてるこの国はどうなるんだろう。 (自爆を厭わないテロリストがいる戦場へ、”食料持って来ただけで〜す♪”なんて配達人送り込まれて、あっちもさぞや呆気にとられてることだろう…。なんで経済援助だけじゃダメなの?金は出せないけど兵隊なら出せる(笑)って国は他にいくらでもあるでしょ?わざわざ憲法を拡大解釈までして派兵するこのプライドのなさはやっぱりお国柄なのか?(-_-;)) ……自分はもちろん右よりでも左よりでもない、至って日和見主義の人間だけど。 ニュースとこの本を交互に読むうちに、だんだん頭の中が膨れてくるのを感じた正月休みでした(笑) 配役。 藤原クン起用…ってことは、やっぱりトウジ役を考えていたのかなぁ。うーん… 私的にはちょっと、イメージ合わないかなぁ。まだ若すぎる!(笑)藤原じゃあそれに何より、野性味に欠けるんだよね…。 トウジという男の根幹はハンターであり、なおかつ人を陶酔させる魅惑の声(笑)と言葉を持ち、頭と直感が働き、なおかつ顔もイイ(らしい(笑))28歳。 その位の年代の俳優って、繊細なタイプはけっこういるけど、やっぱりどれもワイルドさに欠ける。 カリスマ性があり美声、ってことでは柏原(兄)とか安藤政信はどうかなぁって思ったけど…やっぱ線が細いよな(^-^; うーん、強いて言えば長瀬なのかなぁ…(苦笑)なんか、映像が目に浮かぶようだけど(笑) さらに難しそうなのはゼロの配役だろうな。この浮世離れした掴み所のなさ、情けなさ、弱々しさ、鋭さ……そして、愛と呼ぶには複雑にすぎる(笑)トウジとの縺れた相互依存。 この、ゼロ次第で出来不出来が決まりそうな気がする。 ちなみに私のお気に入りは”クロマニヨン”の山岸と吉沢内閣副長官、大蔵省の高榎氏です。バレバレ?(笑) 久々に読書したので、これから読みたい本をメモ。 サヴィンコフ『テロリスト群像』,猪瀬直樹『道路の権力』。 ……正月からなんとも物騒です(笑) P.S. 絶対にここを見ることのない貴方へ。とりあえず、今年最初のメールがキミからでよかった(笑)今年もまったりお付き合いよろしく!m(_ _)m |
|||
<< | >> | ||
![]() |