2007年01月06日(土) |
Giant strong faust super star |
ずーっと前に、古牧温泉に行く道中にGLAYの歌を聞いてたら、後ろで息子がヘッドパンキングしてた、って日記を書いた事があるんだけど。
今日、ふと思ってY○u tu○eの映像を開いてみた。
あの歌あるのかなー?なんて思って。
そしたらライブのやつがあったので、早速再生してみる。
あー、懐かしい!こういう曲だった!
んで息子に聞いてみる。
『お前、この歌覚えてる?』
息子はキョトンとして、少し間を置いて首を横に振る。
『ううん。覚えてない。』
歌を聴いても、息子は全く反応しない。
それどころか『早くロコローションかけて!』とのたまう。
・・・そっかー。覚えてないか。
あんなに首を振ってたのにな。
ま、2歳の頃の記憶なんて、覚えてなくて当然だよな。
しかし、いつ聞いても何言ってるか分かんねえ歌だぜ。
Giant strong faust super star
元旦の日。
スーパーのケーキ屋の前で、息子が立ち止まる。
・・・食べたいのか?
『ケーキ食べたいの?』
『うん』
しょうがない。元旦だし、ケーキぐらい買ってやろう。
俺は暇そうに立ってる店員に声をかけ、ショートケーキ2個とレアチーズ2個を注文する。
店員がケーキを箱に入れている様を、ボーっと見る。
『幸利!』
普段、呼ばれ慣れてない、名前での呼びかけ。
・・・誰だ、俺を名前で呼ぶやつは。親以外にいるのか?
声がした方を見ると、そこには一人の青年が立っていた。
『幸利だろ?』
だろーな。俺の名前は幸利だもん。
『ああ』
別に間違ってはいないので、軽く答える。
・・・・でも、誰だっけ、この人。
顔は見た事あるような・・・・気がするんだけど思い出せない。
『ごめん、誰?』
悪びれもせず、言う俺。
分からないものは分からない。こういう時は開き直って聞くのが一番。
すると相手は『うわ』とショックを受けたような声を出し
『俺だよ俺!○○だよ!』
○○。
あー、思い出した。中学の時の同級生か。
なるほど、言われてみれば面影がある。
・・・でも・・・
『変わったなー。』
思った事を素直に口に出す。
『なにが!?』
俺は何も変わってないぜ?という様な顔をして、俺に問いかける。
『いや・・・・なんだ。顔が大人っぽくなったな。』
俺の中での○○の顔は中学で終わっている。
あれから15年。経年変化とでも言うべき顔がそこにある。
『当たり前だろ、大人だもん。』
『あー。そっか。』
ケーキ屋の前で立ち話するのが面倒。
というより、そんなに親しくもなかった奴と話すのが面倒な俺は、話を切り上げる返事をする。
だが、そいつの後ろで子供を抱え、ベビーカーを掴んでいる女性が見えた。
ベビーカーには赤ちゃんが乗っているのだろう。足がしきりに動いている。
○○の奥さんか?だとしたら、こいつも子供が2人いるのか。
『○○、子供2人?』
『おう。幸利のとこは?』
『うちも怪獣が2匹。今、腹の中にもう一匹いる。』
『3人かよ!?すげーな!!』
まーな。俺の有り余る精力を皮肉ってくれ。ガッデム。
『じゃーな。』
『おう。じゃーな。』
ケーキを持ち、待っていた妻と一緒に車に乗り込む。
『あの人、だれ?』
『中学の時の友達。』
友達なの?
自分で言っておいて疑問に思う。
そして無意識に友達と言ってしまった自分に苦笑する。
帰り道、車を運転しながら、会話を思い出していた。
何かが胸のあたりにつっかえている。
なんだろ。この気持ち。
俺はつっかえが何なのか、紐を解きほぐすように思い出していく。
『当たり前だろ、大人だもん。』
自分で復唱する。
『当たり前だろ、大人だもん。』
・・・・・・・・・これか。
この言葉が引っ掛かっていたのか。
大人。
大人になれば顔が変わるのか?
顔が変わるのは、単に年を食うからじゃないのか?
俗にいう¨大人っぽい¨というのは、顔つきの変化じゃなくて、その人から出るオーラみたいなもんじゃないのか?
世間の大人の定義ってのは、一体なんなのだ?
飲みにいくことか?
タバコをすうことか?
仕事をすることか?
結婚することか?
子供を授かることか?
よもや、成人式に出る事ではあるまい。
俺はまだ大人じゃないと思ったから成人式には出なかった。
そんな事を運転中に自問自答する。
傍から見れば危険極まりない。
大人・・・・か。
俺は多分、まだ大人じゃない。
まだガキだ。欲望のままに突き進む、ただのガキだ。
18の頃から精神年齢は上がってないような気がするし。
大人の定義は分からない。
では俺にとっての大人って一体誰なんだろう?
親父か・・・・。
真っ先に思い浮かんだ親父の顔。
そうだな、あんたが大人だな。
俺の中での大人は、親父。あんたなんだな。
答えは意外に近くにあるもんだと、苦笑した元旦の午後。
|