無責任賛歌
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藤原敬之(ふじわら・けいし)

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2000年10月31日(火) 母さん、もうすぐ側に行くよ

 あああ、やっちまった。ついに仕事が一つ、〆切に間に合わなんだ。
 周囲に平身低頭、謝罪しまくるけれど、冷たい視線は容赦なく降り注ぐ。
 風が身を切る。世間の風が。
 ……もういいや、何もかも。……そうだ、旅に出よう、一人で。
 どこか遠い、遥か、遥か。時間の、彼方へ。










 ……で、これでこの日記が本当に終了したらとても楽しかろうが、すまん。まだ青木が原にも華厳の滝にも天城山にも高島平にも納沙布岬にもサン・ミュージックの屋上にも行く気は無い(有名どころをあといくつか忘れてるかな?)。
 とりあえず失敗はなかったことにして(^_^;)、次の仕事に取り掛かる。これだから私は図太いと言われる。

 仕事で某国際大学の(バレバレ)経済学部の教授から、マーケティングについてのお話を伺う。市場経済を記号論から読み解く、という視点は面白い。
 ジェンダー・フリーの世の中が進めば、従来区分けされていた男性用・女性用などの商品の壁が崩れて、シェアが拡大していくであろうことは容易に予想できる。実際、「まさかここまでは……」という発想を越えるものが売れるようになっているのだ。
 ……久しぶりにあのネタを蒸し返して申し訳ないが、「男性用タンポン」、誰か売り出してくれ。先日も派手に○○して、椅子に座れないほどだったんだよう(T_T)。

 女房から、「コトバに弱い」桜雅嬢に読ませるためのいい本はないかと聞かれたので、筑摩書房の『現代の文章』と、文春の『日本の論点』95年版を貸す。他のメンバーだってお世辞でもボキャブラリーが豊富とは言えないのだが、桜雅嬢の語彙のなさは「天変地異」すら知らなかったという驚異的なものである。本気で芝居をやろうってんなら新聞を読んで理解できるレベルにはなって貰わないとマズかろう。
 夕方から大雨。持ち帰った仕事に手をつけ……もせず、ウダウダと風呂に入る。で、そのまま、また湯船で寝入る。
 でも少し頭がハッキリしてきたので、昨日寝惚け眼で書いていた日記の文章を手直ししたり、友人にメールを書いたり。本を読んだりDVDを見たりもしたのだが、集中しきれなかったので、今日は感想をUPしない。仕事がひと区切りついたらまた見返して感想を書く予定。

 今回はちょっと悪趣味だったな。本気で心配した人はいないと思うが、念のため、ごめんなさいm(__)m。


2000年10月30日(月) 仕事がたまっているのに眠いぞコラ/ドラマ『名探偵金田一耕助・トランプ台上の首』ほか

 仕事が「冗談じゃねえ」と言いたくなるくらい溜まっている。いや、実際自分のせいだから仕方ないが。
 しかも今日新しく入ってきた仕事も当然あるから、既に先が見えない状態になっているのだ。そうなると分っていても、体調が悪い時にはどうしようもないものなあ。
 こういうとき女房が家事の一つも手伝ってくれれば少しは楽になるんだが。
 帰宅してみると女房はまだ寝ている。……おい、夕べからって、20時間越えてるぞ。
 おかずが切れているので、味ご飯(炊き込みご飯のこと)を作ってやるが、起きてきた女房、味飯を嫌って食おうとしない。何考えてやがんだこいつは。
 おかずを買いにコンビニに出かけると「カレー屋に寄りたい」と言う。
 ……これで女房は自分がワガママではない気でいるのだ。誰かこいつに「常識」というのを教えてやってくれえ(T_T)。
 結局女房を説教して午前様。……いつかきっと私は女房のせいで過労死するぞ。

 注文しておいた『トムとジェリー』のスペシャルDVDが届く。全巻購入の特典なので、てっきりハナ&バーベラの未収録集だと思っていたら、これが全てジーン・ダイッチ演出版。ちょっとガックリする(いや、出来が悪いんだ、これ)。

 マンガ、SUEZEN『風まかせ月影蘭』、アニメ版よりミャオ姐さんがSUEキャラしていて可愛い。でも1巻ではストーリーにどうしても厚みが出ない。せめて3巻あれば「旅っていいねえ」という感じが出たろうに。
 島本和彦『スカルマン』5巻、読む。サービスのつもりか知らんが、009を出すのはやめた方がよかったな。世界観が違う。

 『犬夜叉』から『金田一耕助・トランプ台上の首』までテレビに釘づけ。
 3話目になるとどのアニメも多少は失速してくる。
 『キカイダー』、服部半平があんなにカッコよくていいのか。いやそれはそれで好きなんだけどね。でも作画レベルは『星の子チョビン』並に悪くなった。原作には出てないカーマインスパイダーをわざわざ出したのは、やはり「対蜘蛛男」をやりたかったのだろうな。……スタッフのオタク揃いめ。
 『金田一』、あっ、ナポレオンズが出ているぞ。『双子探偵』にも出ていたけど、ミステリーに登場するマジシャンはこの二人というセオリーでも出来たのか。……まさかね(^_^;)。古谷一行もトシ食いすぎてて、さすがにもう金田一は苦しい。逆立ちまでさせるのはちょっとな。


2000年10月29日(日) まあスクルドがかわいかったからいいか/アニメ『ああっ女神さまっ 劇場版』ほか

 休日出勤しようかと思っていたが、朝起きたら出かける気がなくなっている。ま、明日朝早く出かけてたまった仕事片付けりゃいいか。
 ……よくこんなスチャラカな態度でクビにならないよな。

 DVD『エクセルサーガ』への9巻、『フリクリ』4巻見る。
 『エクセル』、ついに福岡市を爆撃破壊してしまった。これが東京ローカルでしか放映されなかったのは惜しいな。
 『フリクリ』、小説を先に読んでいると映像版はダイジェストに見えてしまうが、それだけ小説がよくできているということでもあるだろう。

 練習が終わった後の女房と合流して、キャナルシティのAMCで『ああっ女神さまっ』を見る。
 声優さんと原作者・監督の舞台挨拶があるが、ベルダンディー役の井上喜久子さん、相変わらずボケをカマしていて、これが演技なら大したもの。
 「この映画には四つ見所がありますが、ホップステップジャンプだと三つなので四つ目は空へ行きます。でも数えてみたら128個、見所がありました。でも数えるたびに少しこの数は変わります」
 ……初めて井上さんに接した人は面食らうだろうな(^o^)。でもこれが井上さんの魅力である。
 映画の出来は映画中に眠ったことのない女房が寝てしまったくらいだから推して知るべし。

 舞台挨拶が遅れたせいで、エロの冒険者さんとの待ち合わせに遅れる。誠に申し訳ない。昨日は来られなかった鹿児島のハヤカワケンさん(もちろん『ズバット』から取った名前)と天神の「天狗」で食事。
 昨日に引き続き、オタク話に花が咲く。
 女房は自分のことを特撮もアニメも特に好きではない、と言うが、子供の頃から実によく見ている。不登校児であったので、テレビで放映されていたバラエティ、映画、アニメなどは嫌いなものでも貪っていたのだ。おかげで大抵の話についていける。ゴジラもガメラもウルトラQもブルースブラザースも知ってる若い女なんてそうそうおるか。
 「クズ作品」を巡って話題が盛りあがる。クズに当たることを恐れてお金を惜しんでいてはクズをクズとして楽しむ余裕も失せよう。世間の人々の大抵はクズを内心蛇蝎のごとく憎んでいて、愛がない。だから寂しい生き方しかできないのだ。
 11月に秘蔵映画の上映会があるそうで、誘ってもらえる。また楽しみが増えて嬉しい。


2000年10月28日(土) AIQってボランティアだったのね/CGアニメ『バグズ・ライフ』

 せっかくの休日なので、連載の続きや、マンガでも書きたいところだが、どうもリズムが合わない。体調は大方元に戻ってきたので、明日あたり少しは手をつけられればよいのだが。
 DVD『バグズ・ライフ』、『ルクソーJr.』以来注目していたピクサーのCGアニメなので、女房に何度も一緒に見よう、と誘いをかけていたのだが、巻末のNG集などのワザとらしさなどがどうにもお気に召さないらしく、一向に振り向いてくれない。諦めて一人で見る。
 出来はまあ、無難な線。筋は『七人の侍』にインスパイアされたものとのことだったが、どちらかと言うと『サボテン・ブラザース』に近い。途中で戦士たちの正体がバレるのではなく、うまく騙しきってくれた方が絶対に面白くなるのだが、ディズニー配給ではそれも不可能なのだろう。

 夕方から天神に出て「LIMB」と福家書店を回る。福家では「妖怪暦」と「どこいつカレンダー」を買う。私は視力が極度に悪いので、部屋のあちこちの壁に暦を貼らねばならぬのである。AIQのエロの冒険者さんとの待ち合わせまでにはまだ時間があるので、喫茶店で買ったマンガを立て続けに読む。
 余湖裕輝『コミックマスタージェイ』6巻、この毎回最終回のようなテンションの高さは面白いんだが濃すぎて多少辛くもある。
 藤島康介『ああっ女神さまっ』22巻、これもそろそろいい落ちを考えた方がいいのではないか。どう考えても蛍一とベルダンディーの間に何もないのは不自然だしな。

 エロさんは意外なことに私より年下であった。HPの文章を読んで、そのオタク的造詣の深さから、てっきり年上だと思い込んでいたのである。人当たりのいい方で、私も女房もほっとする。
 天神の居酒屋「しっとう屋」で、ホークスの敗北をテレビで見ながら(^_^;)、AIQのみなさんと歓談。オタク的知識をひけらかすのではなく「作品のどこがどう面白いかを語ることが大事」とおっしゃる方ばかりで安心。人見知りの激しい女房も段々気持ちがほぐれてくる。というか、チュウハイ5杯も一気に空けるんじゃねえ。
 そのままカラオケになだれこんで午前さま。いやあ、アニソンだけで3時間歌いっぱなしというのは実にいい。女房も山本正之の歌がたっぷり聞けてご満悦。再会を約して別れる。……って、明日もう会う約束しちゃったよ(^_^;)。
 メンバーの諸君もそのうちお会いしてみないかね?


2000年10月27日(金) 頼むから一日12時間も寝るのは止めて/映画『少年』ほか

 とりあえず職場には行くが腹痛に耐えきれず倒れる。午前中ベッドで過ごしていると、段々気分が落ちこんでくる。ウチで寝ているときはともかく、職場で寝こんでいると、世間からどんどん置いてかれるような気になるのだ。ああ、結局私もワーカホリックなのだなあ。
 昼から帰宅。帰るなり女房が「サボってきたの?」なんて言うものだから、脳天をブチかましてやりたくなるがグッとこらえる。もともと夫に対する思いやりを期待できる女房ではないのだ。
 それにしても、これで本当に明後日休日出勤して仕事を片付けなきゃならなくなっちまった。あ〜あ(-_-;)。

 腹がゴロゴロと鳴るので、買い物に行って貰おうと女房に声をかけるが、ぐーすかぴーと昼寝していて起きない。仕方なく自分でおかゆを作って食べる。……誰かこいつに天罰を与えてくれ(T_T)。
 ヤケになって晩飯は「金龍」でコッテコテのラーメンを食う。もう、腹が爆発しようが入院しようが構うものか。女房、にんにく入りのラーメンを頼んでおいて、「ニンニク臭い」と言って食べない。仕方なく、吐き気をこらえて私が食う。ああ、また腹がグルグルと……。

 DVD『少年』、1966年に現実にあった当たり屋親子の事件に取材した大島渚作品。主人公の少年の憧れである「アンドロメダ星雲からやって来た正義の味方の宇宙人」というのは、具体名こそ出せないが、明らかに「ウルトラマン」のことだろう(本当はM78星雲だけど)。だから「ウルトラマンになれない」と泣く少年の姿は私には胸を突かれるものがあるのだが、年が10歳離れた女房にはピンとこないらしい。
 考えてみれば、エポックメーキングたりえた純粋「ヒーロー」はウルトラマン・仮面ライダーを最後に殆ど途絶えてしまったのではないか(セーラームーンまで)。ヒーロー不在の世代というのはそれだけでどこか不幸であるように思えてならない。

 マンガ、北崎拓『なんてっ探偵アイドル』1巻、何で私はこんなものまで読んでいるのだ。ミステリなら何でもいいのか。作者本人がカバー折り返しで「タイトルのことは言うな」と書いているのは笑えるが。
 明智抄『パンドラ』、しげさんが日記に書いていた、やっと手に入れた本というのはこれ。……ちゃんと題名は書いておけよ。
 安田弘之『ショムニ』2巻。ラーメン屋で読んだのだが、段々ハマってきた。本気で文庫買ってやろうか。


2000年10月26日(木) さすがに櫃まぶしは英語字幕になかった/映画『ラヂオの時間』ほか

 どうも二、三日前から気分が悪いと思っていたら風邪を引いたようだ。
 朝、目覚めて体が半端でないほどにダルく、トイレに行くとこれが○○○の上に○○。おかげで、○○は○○○○。
 これではさすがに仕事には行けない。急遽職場に連絡を入れて休む。でもこれで昨日今日の仕事を明日中に片付けねばならなくなった。明日体調が戻るとも限らないのに、大丈夫か? でも、なんとかならあ、という気分でいるのだから、私はよっぽど能天気にできているようだ(^_^;)。

 腹が苦しいので、一日中、薬飲んで寝て、あとはトイレに立ったり風呂に入ったり。女房は舞台の小道具を探しに行くとかで出払ってしまい、所在無いことこの上ない。仕方なくビデオ見る。

 ビデオ『多羅尾伴内・十三の眼』。
 名探偵の代名詞と言えば、今は光彦さんやコナン君なのだろうが、戦後の一時期、それが「多羅尾伴内」であったことはきちんと記録しておくべきだろう。
 後年、「片岡千恵蔵の変装になぜ誰も気づかないか」とか、「ピストルの弾はなぜ尽きないのか」とか揶揄されたが、初期のこの作品では、ちゃんとヒロインの一人が変装に気付くし、弾も撃ちあっているうちに尽きる。ただし、探偵モノとはいっても本格モノではない。小林旭のリメイク版が失敗したのは、これを本格モノっぽく売ろうとした宣伝に問題があったと思う。

 DVD『ラヂオの時間』、外国での公開題が「Welcome back Mr.Mcdonald」というのはウマイ。
 劇場で初見の時には気付かなかったが、細かいところで博多ギャグが使われている。「あいたぁ!」の台詞もあるし、相撲中継のアナウンスで「大関『櫃まぶし』」……昨日食ったばかりだって(^o^)。意外と知られていないが、監督の三谷幸喜の両親は博多人である。こういう博多人にしか分らないギャグを入れるあたり、尊大な博多人の血がこの人にも脈々と流れているんだよなあ。
 公開時、森卓也が「戸田恵子は役者不足」みたいなことを「キネ旬」に書いていたが、このキャスティング、ビビアン・リーの吹替え声優だった戸田さんに「明日は明日の風が吹く」の台詞を言わせるギャグのためだったのだ。森さんもそこまでは見ぬけなかったか。

 マンガ竹本泉『トランジスタにヴィーナス』1巻読む。和田慎二が竹本さんに『ポルノ描け』と責める気が分るくらい、今回のマンガはそこそこ「えっち」。15歳以下は読んじゃ駄目だよ。


2000年10月25日(水) 今日は三度も昼寝した。やっぱ体変だわ/『冬の教室』(大塚英志)ほか

 さあ、超音波検査だ。
 と言っても別にヘッドギアをかぶせられ目薬差されてベートーベンの第9聞かされながら洗脳されるわけではない……ってされてたまるか。
 でも疲れているのか、検査ベッドに横になった途端、眠ってしまう。医者から名前を連呼されてハッと目を覚ましたが、なんだか死の床から呼び起こされたみたいでイヤだ。風呂の中で落ちてしまうことも多いし、失神グセでもついたか?
 待ち時間にアサヒグラフ「愛のコリーダ特集」読んでいたが、監督の大島渚にインタビューしていた映画評論家と称する女性が、半端でないバカで、監督に向って「どう言う意図でこの映画を作ったのですか?」なんて質問をしている。当然大島氏は激怒。なのにバカは畳み掛けるように「監督に映画の意図は聞くものではないということですか?」と聞いて、「そうです」と答えられてしまう。アサヒグラフは後がないという話だが、こんなバカ飼ってるようじゃさもありなん。

 検査が終わったので心置きなく「柳川屋」でうなぎ櫃まぶしを堪能(おいおい)。看板には五百円引きと書いてあったので喜んで頼むといつも通りの値段。よく見るとクーポン券を持っている客のみだった。……ってそんなもんどこで手に入れるんだよう。
 でもここのうなぎはマジで美味いので(炭火焼はやっぱりいいやね)、そのうち柳川まで行って川下りを楽しみながら食べてみたいものだ。

 大塚英志『冬の教室』読む。『多重人格探偵サイコ』の外伝みたいな作品だが、この人の小説はどれも時代の閉塞間から脱出しようとあがき、そして諦め、壊れていく人間が一貫して描かれている。なんだか壊れることでしか人は救われないような書き方なので、読者によって評価は分れるだろうが、これがこの人の真摯な姿勢なのだろうと思う。ヒロインの「人魚」って、現実のあの事件のあの人なのね……と思って読むと一興(でも古い事件持ち出してくるなあ)。
 山田風太郎『野ざらし忍法帖』読む。短編集だがどれも珠玉の作品揃い。というか山田風太郎に駄作はないな。「ナンセンスに徹してどこが悪い」と言い放つあたり、実に潔い。いやあ取り外し自由の○○○って、便利なんだかどうなんだか(^_^;)。ウチのメンバーには池波さん好きが多いが、私が一押しする時代小説は何と言っても風太郎師匠である。今、石川賢が『柳生十兵衛死す』を漫画化しているが、これは燃えるぞ!


2000年10月24日(火) 年取ったシワをCGで消すってのは無理?/ドラマ『ウルトラセブン・地球より永遠に』ほか

 昼から頭痛が治まらない。明日定例の検査があるので絶食している上に、休憩も取らずワープロ仕事をしていたせいだ。
 しかも帰りのタクシーの運ちゃんが乗車する直前までタバコをふかしていたので、匂いが頭にガンガン響く。窓を開けりゃいいじゃないか、なんていうヤツは嫌煙家の苦しみが分ってないスットコドッコイだ!

 職場の女性が産休を取るので送別会がキャナルシティのハイアットホテル(別に血は吐かない)で開かれる。でも私は当然食事が出来ない。かといって欠席するのも申し訳ないので、挨拶だけしに行く。
 でもこういうことすると却って恐縮されちゃうのな。自分たちだけ飲み食いして悪いって。……てことは同僚に嫌がらせしてんのか? 私(・・;)。

 女房から土産を頼まれたので、コンビニで弁当や飲み物を買う。こっちも疲れているので飯を作ってやる元気がない。でも飲み物くらい自分で買って来いよ、このデブ症。
 最近、お気に入りのマンゴー紅茶の入荷がなくなってしまった。ほんのり風味で好きだったんだが、売れてなかったのか。

 DVD『ウルトラセブン 地球より永遠に』見る。このシリーズ、買うべきかどうか迷っていたが、「BOOK OFF」で安売りしていたので思いきって買った。……でも、どう評価したらいいのか。
 「地球は地球人たちの手で守らねばならない」と主張するセブンが地球を守ろうとする矛盾は如何ともしがたい。
 だが、それよりも何よりも、六十歳近い森次晃嗣氏にモロボシダンを演じさせることの痛々しさは……。若手の演技のヘボさには腹を立てられても、森次氏は明らかに私たちファンのために未だにダンを演じ続けてくれているのだ。……評価できるものか(T_T)。

 マンガ、羅川真里茂『しゃにむにGO!』6巻、やっと「コーチ」が登場。最初はメンバーから嫌われるというのもスポ根ものの常套パターン。いや、それが悪いんじゃなくて、これでようやく「展開」らしきものが見えてきたのだ。
 マンガ、野間美由紀『感じるサファイア』、『パズルゲーム・ハイスクール』もそうだが、これだけミステリを乱作していると、質的にはもう頭打ちである。ご都合主義に頼る嫌いがまま見受けられて、興醒めすることしきり。

 女房が構ってほしくてまたヤクザのように難癖をつけてくる。「私のほうぱかり見ないでよ!」……いや、見てんのはお前の方だって(ーー;)。


2000年10月23日(月) 浮かれたホークスファンは情けない/アニメ『犬夜叉』『人造人間キカイダー』第2話ほか

 突然、職場に福岡シンフォニーのUさんから電話がかかってくる。
 コンサートのチケットの件かと思いきや、さにあらず、今日のダイエー×巨人戦のチケットが余ったので、要らないかとのこと。
 さすがにいきなり今日では予定が立たない。丁重にお断りするが、チケット代、何と1万円とか。元値は多分2000円程度だろうから、5倍のプレミアがついていることになる。……ニュースじゃ「偽造チケット」まで出まわってるんだと(^o^)。
 私という人間は、余り物事に熱狂しない性格なので、そういうのを聞くとますますシラケてしまう。実はアニメや特撮にハマるのだって、相当自分を「作って」いるのだ。「作る」ことをしないで何かに熱中することは狂気に等しい。狂気なくして芸術は生まれ得ないが、狂気だらけの中にあえて身を置くのもちょっとな。
 まあ、この時期、百道や中洲あたりには余り近づかない方が無難である。変なのに絡まれたら命がないぞ。

 ……とか言ってたらやっとダイエーが負ける。これで少しはのぼせた頭が冷えてくれりゃいいんだが、まあ無理だろうな。さあ、ダイエーも崩れるときは早いぞ。更に三連敗でもしたらどうする(でも別に巨人ファンではない)。

 『犬夜叉』『名探偵コナン』『キカイダー』『サイバーシックス』と立て続けに見る。新番組三つ、まだレベルダウンはしていない。
 『犬夜叉』、ようやく四魂の珠が八方に飛び散る。「珠が飛び散って」というと、どうしても『水滸伝』や『八犬伝』を思い出すが、あれは仲間を探す話。敵を殺して行くパターンは何が元祖だろう? 『西遊記』は確かにそうだが、何かを集めていくわけではない。やはり手塚治虫の『どろろ』だろうか。そう考えるとやっぱり手塚さんはパイオニアであり、偉大なのである。
 『キカイダー』、仕方がないことだがやっぱり原作の「僕はカタワものなんだ!」という台詞はカット(原作も現行版はカットされている)。それでも「狂った機械だ!」と「狂った」を入れたのはギリギリ製作者の良心だろう。原作との差異点は、ダークロボットに今のところ一言も喋らせていないこと。このあたりは見識。でも小川真司の声はギル教授には合わないな。

 今日も女房にスパゲティ(買い込んでおいたのだ)作る。でもやっぱり肉だけ食って野菜は残す。……今度こそ、もう料理なんて作ってやらんぞ。


2000年10月22日(日) 時代劇なのにカップルが多いとは珍しい/映画『五条霊戦記』ほか

 今朝の読売新聞、日本シリーズでの第一戦、ホークスの勝利を伝えているが、写真は始球式の高橋尚子。よっぽど巨人の負けが悔しかったか(^o^)。
 下馬評では「巨人有利」と騒がれてたのにフタを明けるとダイエーが、というのは去年と全く同じパターンではないか。このままホークスが4タテでもして優勝、来年は長嶋巨人がV3を阻止して雪辱を果たす、なんて展開にでもなれば、誰が何と言おうと絶対出来レースだよな。

 昨晩あれだけ飲んでいながら、女房もヨシヒト嬢も、朝は平然とした顔で起きてくる。スゴイよあんたら(・・;)。
 朝のテレビニュース、やはり昨日のダイエー勝利を伝えるものばかり。徳光さんは実に渋い顔をしているが、私は選手という人ではなくチームに感情移入する心理が分らんので、言っちゃあ何だがアホにしか見えない。
 ダイエーファンも、いくら無料開放だからと言って、福岡ドームのビジョン越しに応援して楽しいか?
 ……野球ファンの感情を逆撫でする発言だな。でも王さんは好きなんだよ(……って誰に向かって語っているのだ?)。
 
 鯨統一郎『千年紀末古事記伝 ONOGORO』読む。題名もテキトーだが内容もテキトー。神様の話に密室殺人は合わないし、第一古事記を裏から読み解くほどの深みがない。特にオチはサイテーである。こういうおフザケで落とす気なら、いっそスサノヲの細胞が○○○環礁の○○実験の影響を浮けて○○○になった、ぐらいバカに徹してくれりゃあいいのに。この作家、一作ごとにレベルダウンしていくな。
 マンガ、さとうふみや『金田一少年の回想』読む。露骨に『本陣殺人事件』や『古畑任三郎』のパクリがあったので興ざめ。最後の最後まで他人の褌で相撲取ろうってんだからいい度胸だ。

 練習後の女房、ヨシヒト・塩浦両嬢と合流、天神東宝で『五条霊戦記』見る。
 WOWOW製作、東宝は配給のみなので、狭い会場を割り当てられている。『X‐メン』や『ホワイトアウト』に広いスクリーンを充てるのは分るが、これだって充分広いスクリーンが似合う映画だと思うんだがなあ。
 塩浦嬢、脇役の芥子丸(細山田隆人)の美少年ぶりにウットリしている。実はショタコンだったか。……でもこれはそーゆー映画じゃないぞ(^_^;)。

 帰宅して、女房にスパゲッティを作ってやったが、具の野菜を全て残される。そんなワガママやってるともうメシ作ってやらんぞ。


2000年10月21日(土) 仔牛のテールは美味かった。♪ドナドナ/『火星人刑事』4巻(安永航一郎)

 仕事から帰ってひと寝入りしたので、午前中の記憶がない。
 ……朝方、安永航一郎の『火星人刑事』4巻を読んだな。諸星大二郎まで無理矢理パロディにするたぁ、何でもありだ。「沢田研二に似てません?」の台詞にゃ笑った。……でも個人的には『妖怪ハンター』は佐野史郎主演で連続ドラマ化してほしい気もする。『死人返り』修正版を最終回に持ってきて。

 夕方、女房の電話で起こされ、比恵の焼鳥屋『豊竹』で劇団メンバーに合流。結局何のためのパーティか分からなくなってしまったが、まあ、みんなで騒げるのは楽しいからいい。愛上嬢からもメールがあり、「来月は赤ちゃん見せるね〜」だと。
 女房とヨシヒト嬢、ピッチが早くあっという間に酔っ払う。
 桜雅嬢、今日の練習で「いかず後家」と「蛇足」の意味が分らず、みんなから笑われたとか。ヨシヒト嬢が「もっと本を読めよう」と、懇々と諭す。……絡み酒だったんだな、ヨシヒトさん。
 鴉丸嬢は妙な振り付けで踊ってるし、私と其ノ他君は横でひたすらキャベツを食っている。……なんか妙だなこの宴会。
 ヨシヒト嬢から「エビとトマトとレタスのマヨネーズ和え」、分けてもらうが、これがこじゃれた味で美味(どんな味だ)。この店も以前は雀の丸焼きなんか出しててちょっとゲテモノ風だったんだが、随分軽い感じになった。私は昔の方が好きだったりするが。

 腹もくちたので、解散しようかというときに塩浦嬢からコール。仕事が急にキャンセルになって合流したいとか。というわけで、予定にはなかったが香椎のカラオケ『パラパラ』で二次会。塩浦嬢のダーリンに車で送ってもらう。
 鴉丸嬢、私のリクエストに答えて『飾りじゃないのよ涙は』を歌ってくれるが、これが実に艶っぽくてヨイ。しかし鴉丸嬢にしろ塩浦嬢にしろ、普段は色気のカケラもないような会話していながら、歌い出した途端にセクシーになるのはなぜ? そうやって男心を惑わせているのか。
 い、いや、私は惑わされたりはせんぞ。……女房、側にいるし(・・;)。
 でも、うまい連中の間で音痴の私がウケを取るにはイロモノで勝負するしかない。裏声を駆使しての『美しさは罪』と『ウエディングペル』の二連荘は相当ハードだったらしく、其ノ他くんは凍りついていた。
 女房と『星空サイクリング』でデュエット。まあ、これで結婚記念日らしいことを一応出来たかな。 


2000年10月20日(金) カシューナッツと水木の世界とパーティと/『大熱血』(島本和彦)ほか

 今日も誰かからネチネチと言われるかと思ったが、意外と何もない。
 要するにこの職場、みんな忙しくて面倒ごとがイヤなのだ。だから上司は、俺がその「面倒ごとの火種」になりはしないかと、一言(既に二言三言)釘を刺しといて、何かコトあらば「いや、事前に注意はしておいたんですよ」と言い訳するつもりなんだろう。
 そのあたりも若い子たちは見抜いていて、陰で上司の悪口を散々言う。てめえの人望、先に作っとけよな。

 明日は我々の結婚「式」記念日だが、愛知から鈴邑君が帰って来る予定。「ふなちゃん(*)の名前を当てようパーティ」があるので、自分たちの祝いごとをする時間がない。
 で、一日早くお祝いをしようと、職場から早退し(上司が「何処か悪いんですか!」と驚く。昨日の今日で私が神経を病んだとでも思ったか?)キャナルシティに向かう。
 途中、八仙閣で食事。ここの「エビのマヨネーズあえ」は抜群に美味いが、上に乗っているカシューナッツを女房はわざわざ取り払う。「だってお菓子食ってる気分になるんだ」と言うが、エビのプリプリとナッツのカリカリが相俟って、絶妙の触感なのだが。

 キャナルのミッフィーの店で鈴邑夫妻へのプレゼントを買う。赤ちゃんを楽に抱っこできるホルダー。バンドの長さを調節できるので、長く使えるのがお得。でも実は欲しがってるのは女房自身。ガキもいねーのに何に使うってんだ。
 次に水木しげるグッズを販売している妖怪舎の特設場で、Tシャツ、ペンダントを女房にプレゼント。なんとホークスV2セールで半額。私も1万円の限定腕時計を5千円で買う。……でも鬼太郎とホークスの組み合わせって、何か変だ。
 更にねだられチャイナ服まで買う。イベントだと思うと私も妙に心が広くなるな。放生会で食いたくもないイカ焼きをつい食ってしまうのと同じ心理か。
 ……でも、女房から私へのプレゼントはどうした?

 帰宅してみると鈴邑・愛上夫妻からメール。仕事の都合で帰ってこれなくなったとか。残念至極。てっきり明日のパーティは中止かと思ったら、女房はまだやる気まんまん。でもそれって何のパーティ?

 マンガ、高橋留美子『犬夜叉』18巻、楠桂『鬼切丸』19巻、島本和彦『大熱言』読む。どの話もクライマックスご一緒にという感じで濃い濃い。

 (*)鈴邑・愛上夫妻の先日お生まれになった女の子の仮名。……でもなぜ「ふな」?


2000年10月19日(木) 異端審問と放火魔タマキと消えたメールと

 チャットがあるというので、短めに書く。

 職場で上司から吊るし上げを食う。要するに私の仕事ぶりが気にくわないのだ。しかし、表向きは優しげに「いや特に他意はないですが」みたいなことを言うので、少しこちらがカマをかけると、どうやらチクリ屋がいろいろと私の仕事振りをいちいち報告していたらしいことが分る。
 まあ、そういうチクリ屋が横行する環境事態を改善してくれた方がいいような気もするが無理かな。
 驚いたのは若い子たちが、上司にないしょで「私たち味方ですからね!」と激励してくれたこと。意外と人気あったんだな、俺(思いあがり?)。

 帰宅して、唐沢俊一さんのホームページに紹介されていた「電波文」変換のサイトにウチの劇団のホームページの文章を変換させて遊ぶ。
 例えば『鴉』のストーリーがどうなるかと言うと……
 「暗い街の暗い夜。するとどうしたことでしょう、駅の方から爆撃ヘリが編隊を組んで僕を救いにやってきました。そこはバー『鴉』の地下室。
 黒服の青年、記憶は封印して胡秀明がホステスの姚美芳と言い争っているところに、多岐川環は出くわしてしまった。真夜中のサンダーロード。今夜こそは僕の話も聞いて世DJ」
 といった具合。……誰なんだDJって。
 ……塩浦嬢には裏声で話しかけると話しやすいそうです。放火魔だけど。

 友人にメールを送ろうと文章を書いていたら、送る直前にいきなり全文消滅。……というわけでまた思いっきり疲れて書けなくなっちまったが、許してください、こうたろう君。明日元気が戻ったらまたメール書きます(って日記じゃなくて私信だな)。


2000年10月18日(水) オニギリとわらび座とフリカケと/『彼氏彼女の事情』10巻(津田雅美)

 今朝も空模様がぐずついている。こんな日はタクシーでさっと職場まで行きたいが財布がそれを許してくれない。給料日まであと少し。とりあえず晩飯はオニギリ一個だ(^_^;)。
 出張した同僚の代わりの仕事まで引きうけているので今日も忙しい。相変わらず仕事の連絡は不充分なので、戸惑うことしきり。今日など同時に仕事が二つ重なったぞ。いわゆるブッキングだが、そんな状態にしておきながら、責任者は誰も「すみません」とは言わない。「謝れば負け」とでも思ってるのか。

 突然、職場まで「わらび座」のKさん(実はもう名前を忘れているが、イニシャルは何となくKのような気がする)が訪ねて来る。しかも私を名指しだ。
 おかしいなあ。どこから私の名前を知ったんだろう。職場関係者にはあまり芝居に携わってることを吹聴してないんだが。
 会ってみるとKさん、何となくほんわかした感じの女性。雰囲気が何となくヨシヒト嬢に似ている。なぜ私の名前を知ったのか尋ねたが、聞いて納得。以前いた職場からの繋がりだったのだ。……あの頃は私が「芝居をやっている」ってことが周囲に知れ渡っていたからなあ。
 ……話の内容は「わらび座」の芝居の営業。それにしても演劇関係者を探すのにこうも地道に足を使うものなのかと感心する。
 勧められた芝居、「歌舞集・21・飛翔』というのと、司馬遼太郎原作『菜の花の沖』。後者は去年から福岡まで来ないかと楽しみにしていたもの。美術が妹尾河童なのだ。ただ会場が福岡市民会館と、福岡で一番古く寂れたボロいところなので、妹尾さんの舞台を生かしきれるか心配。

 帰宅すると鴉丸嬢、C−1藤田くん、其ノ他くん、遊びに来ている。
 土産に「ネズミ男饅頭」なんてモノを持ってきているので、てっきりあの鳥取地震の現場、境港まで行って来たのかと思って聞くと、今、キャナルシティで水木しげるグッズの販売コーナーが出来ているそうな。なんでも「フリカケババア」「フリカケジジイ」なんてのまで売ってるらしい。
 ……これは仕事が一段落したら行ってみねば。

 津田雅美『彼氏彼女の事情』10巻読む。1巻の頃の面白さは既にないが、今でもちょっとしたコマや台詞に、この作家のニヒリズムがかいま見えて面白い。……でもそろそろブラック有馬の正体をばらしてほしいもんだ。それにいくらキャラクターを増やしたところで、描き分けが今イチじゃねえ……。


2000年10月17日(火) 博多弁とベターハーフと女好きな女と/映画『知らなすぎた男』

 ああ、また雨だ。予報によれば今週はずっとグズつき気味の天気だとか。
 自転車通勤は途中が山越え、カッパ着たって汗だくになって結局はびしょ濡れ、意味がない。鬱鬱鬱……。

 仕事がマジで忙しい。今日は昼飯も食えず、居眠りもできなかった(だからするなって)。しかし居眠りせずに一日過ごすと、午後には眼が痛くて開けられなくなる。網膜が薄いので光には滅法弱い。かと言って、光がなければ物も見えない。難儀なものだ。
 今日もまたもや仕事でミス。こう日常茶飯事じゃ誰も同情してくれん(当たり前だ)。思わず「あいたぁ!」と言ったら若い子から笑われる。日頃できるだけ共通語で喋るようにしているので、私のことを他地方人だと思ってる連中も多いが、先祖代々博多んもんである。でもふとしたキッカケで地は出るもの。
 不思議なもので、そういうとき若い子は妙に親しげにすりよってくる(誤解すんなよ、女房)。地元言葉はやはり人と人との垣根を越える役割を果たすのだ。……でも他地方の人間を疎外もするんだよな(^_^;)。
 ……博多以外の人のために念のため。「あいた!」とは「しまった!」という意味の博多弁であります。関西弁なら「しもた!」かな。

 帰宅すると塩浦嬢が遊びに来ている。ビデオと本が山崩れを起こして狭っ苦しい部屋なのに、みんなよく来るよな。
 塩浦嬢が「理想の夫婦ですよ」なんておだててくれるが、我々は少なくとも一般的な夫婦の概念に当てはまるものではない。何しろお互いに家事を徹底的にしない。見るに見かねて根負けした方が洗濯をし食事を作りゴミをまとめるという……ガマン大会か(+_+)。
 それで9年も離婚してないんだから根っからお気楽なのである。
 塩浦嬢を迎えにきたダーリン、食事もせずに待っていたらしい。ああ、健気だ。私なら女房ほったらかして先に食ってるのに。……今日も「庄屋」かな(^o^)。

 女房に昨日録画した『キカイダー』を無理矢理見せる。「原作の絵っぽくって女が色っペー」……って、お前も女だろう。『ズバット』や『ゴレンジャー』や『シロクロード』も面白がって見てたくせに、「石森は嫌い」と言うのはなぜだ。
 DVD『知らなすぎた男』見返す。ビル・マーレーは何度見てもいい。新作の『クレイドル・ウィル・ロック』では腹話術を披露するようだが、特撮ではなくて実演してくれるのだろうなあ。こりゃまだまだ死ねんな。


2000年10月16日(月) ファジー理論とエスパーとサイボーグと/アニメ『犬夜叉』『人造人間キカイダー』第一話ほか

 同僚の何人かと仕事のことで言い争う。
 ともかく私が不真面目なのに対して周囲がみんな真面目なのがよくない。……って、それじゃ悪者は私のほうになるな(^_^;)。
 不真面目と言うより、私は物事はファジーな方がいいと考えているのだが、同僚たちはキッチリしないと気がすまないタチ。しかも正しいのは自分と思い込んでいる。
 どんな職場でも、自分が正義と信じてるやつほど始末に悪いものはない。今日の会議でもその同僚たち、先日のお偉いさんの指導について真っ向から対立意見を述べていたが、本心でそうは思っていても、公の席で口にするのはちょっとマズイのだが。
 マジメ過ぎて、毎日みんな余裕がなく息苦しそうな顔をしている。いいのかなあ、それで。……イライラの原因の一端は私にあるのかもしれんが(^o^)。

 今日もいきなり残業。事前の連絡がないのはもうこの職場には蔓延している。こちらもカンを働かして行動しないといけないが……エスパーじゃないよ、私は。
 でも今日はカンが働いた。残業があることを見越して、ビデオを仕掛けておいたのだ。これで『犬夜叉』の1回目を見逃さずにすんだ。……仕事に使えよそのカン。

 『犬夜叉』さすが演出がサンライズ。しかも監督は『ガンダムW』の池田成。アクションシーンでパンしまくること(^o^)。高橋留美子の原作の連載は続いているが、独自の結末をつけて26話くらいでまとめてくれれば、結構いい出来になるのではないか。でも山口勝平と日高のり子を使うのは作者の希望か知らんが新鮮味はないぞ。
 『人造人間キカイダー』……こここここれはけけけけけっさく!
 多少トメ絵が目立ちはするが、第1話にして既に「作られた者」の悲しみがにじみ出ている。ミツコがジローに恐怖を抱く幕切れと言い、改めてこの原作が『フランケンシュタイン』を意識していたことがよく判る。「怪物」は決して幸せになれない。そしてその罪は人間にある。これはぜひともシャドウ編まで作ってもらわねば!
 『サイバーシックス』、てっきりアチラのアニメかと思ったら合作。作画スタッフは殆どこちら。……でも日本のアニメ技術で向こうのクサイ演技をなぞろうとしてなぞりきれないような違和感がある。果たして面白くなるかどうか。

 勢いで『雀鬼』まで見てしまう。読みかけの本が何冊もあるというのに。せめて帰宅して寝るまでの時間が8時間はほしいな(贅沢だって)。


2000年10月15日(日) ステーキとモーレツとSFミステリと/『海底密室』(三雲岳斗)ほか

 思い切り朝寝。『クウガ』も『どれみ』も見損ねた。
 女房が練習に出かけた後、昼飯はレトルトカレー。品名を出すのは避けるが不味い。新発売のレトルトは一通り試すようにしているが、まあアタリは一割。400円越さないとうまくないってんじゃ、庶民にゃキツイがな。
 晩は美味いものが食いたいので、ステーキを焼く。女房に焼かせようかとも思ったが、絶対確実に焦がすので(^_^;)自分で焼く。

 チャンネルNECO『OH!それ見よ』第1話見る。
 演技する小川ローザを見るのは初めて。と言っても殆ど走りまわるだけで台詞は殆ど無し。モデル出身で演技力は全然無かろうと踏んだ監督(真船禎!)の配慮かな。でもこういう形の主演じゃあ、裏で他のキャストからは苛められたんじゃなかろうか。程なく芸能界から消えたし。
 ミヤコ蝶々の追悼番組を放送していたので、女房に「『夫婦善哉』知ってるか?」と聞くと知っている。漫談などもよく見ていたとか。私より10歳も若い癖に侮れないやつ。

 三雲岳斗『海底密室』読む。
 理系ミステリというワリに非論理的で笑った森博嗣に比べて、こちらは堂々たる傑作。舞台設定とトリックに充分説得力があるのだ。ただ、ミステリを書き慣れてないせいだろう、文章が固く、登場人物の挙動不審をうまく迷彩できていないため、犯人がすぐにバレる。横溝正史はそこがうまかったけどなあ。
 そうした瑕瑾も含めて山田正紀が見事に冷静な解説を書いている。提灯解説に堕せずミステリ論として読み応えがあるもので、これだけでもこの本は買い。
 榎戸洋史『フリクリ』2巻。
 ノベライズも随分質が上がった。これまでアニメのノベライズで面白かったものと言えば、富野由悠季の『ガンダム』のように、本編の設定を一旦壊して再構築するものに限られていたが、これはアニメの筋をそのままなぞっていながら小説として読める。読みながらアニメの画を思い浮かべて補強する必要がないのだ。それだけ表現が簡にして明瞭なのである。

 持ちかえった仕事をウダウダとやるが、一向に進まない。今日はある程度で切り上げ、明日職場でやろう。ドンガバチョ曰く、「今日が駄目なら明日にしましょ」てなもんだ(←お気楽)。
 長野県知事、田中康夫に決まったとか。石原都知事の2匹目の泥鰌を狙った感じが強いが、もちろん横山ノックの二の舞になる可能性も大。長野県民の英断には感服だね(^o^)。


2000年10月14日(土) 「野草」刈りと漂泊者と生ベルばらと/『あこがれの遠い土地』(トーベ・ヤンソン)ほか

 職場の周りの雑草を刈る。これも仕事か? 昭和天皇が化けて出るぞ(←植物学者で「『雑草』なんて草はない」と言った)。
 今日も勤務時間超過で更に次の仕事を依頼されそうになる。しかも上司は残業手当も出ないというのに悪びれもせず「残ってください」と頼んでくる。この職場、みんながみんなワーカホリックにかかってるとしか思えんな。付き合ってられないので「来客がある」と告げて退散。

 来客は実は桜雅嬢。『グラビテーション』のDVDを買ったはいいが、本体を持っていないので、ウチまで見に来たのだ。ハード買ってからソフト買えよ……と言うのは簡単だが、私も昔、まだデッキを持ってもいない頃、あのソフトがほしいなあ……とつい買ってしまいそうになったものだった。
 最初に買ったビデオテープは『ザッツ・エンタテインメントPart2』『幕末太陽伝』『怪奇大作戦・京都買います』の三本。価格も今の4、5倍は高かった。学生の頃で小遣いはもうスッカラカン、その三本ばかり1ヶ月食い入るように見ていたのも遠い思い出。
 ……桜雅嬢の先走りも分るんだよねえ。

 マンガ、石川賢『真ゲッターロボ』2巻(完結)、トーペ・ヤンソン『ムーミンコミックス2 あこがれの遠い土地』読む。
 昔のアニメ『ムーミン』を見て育った世代には、原作及びコミック版の『ムーミン』はイメージが違っていて取っ付きにくい。本末転倒なのだが、それくらいアニメのムーミンはキャラクターが生きていた。特に西本裕行氏演じるスナフキンは原作以上に旅の哲学者であり、その宇宙観は明らかに芭蕉をモデルにしていた。日本人向きなのである。
 コミックのスナフキンはもう少し軽くてムーミンをからかったりもする。おおらかだが周囲の騒動に翻弄されやすいムーミン一家を導いてあげる点は同じだが。

 チャンネルNECOで『ベルサイユのばら』『ルパン三世念力珍作戦』と、コミックの実写映画版を立て続けに流している。
 『ベルばら』、ラストはアンドレの死までしか描かれない。でも問題なのは『禁じられた遊び』のモロパクリなこと。革命に沸き立つ群衆の中を『アンドレ!』と叫んで消えていくオスカルって……。よくこんなの作ったな、山本又一郎。この人と荒戸源次郎と西崎義展は、映画界の三大「山師」だと思う。

 『ちんちろまい』ほか博多関係のHPにやたら感想を書きこむ。何燃えてんだろう、俺。


2000年10月13日(金) 病気自慢と白髪三千丈と……ね、眠い/映画『レッド・ブロンクス』

 昨晩、寝る前にDVD『レッド・ブロンクス』を見る。今週はジャッキー・チェンウィークだな。初めは意外にハリウッド風のじっくりしたドラマ展開だったのが、後半はしっかり香港アクション。
 ジャッキーとの相性はアニタ・ムイが一番だと個人的には思っているが誰か賛同者はいないか。

 今日は昼からお偉いさんの視察。
 何かミスがあればまた咎められるというのに、表面的にはマジメに仕事をしてる振りをして、隙を見て若い子とバカ話。スリル&サスペンス!
 昔、尿管結石の手術に失敗して尿膿症になった話をすると大ウケ。
 「いやあ、○○○○が腫れる腫れる」……大爆笑(^o^)。
 ……って、仕事しろよ。
 お偉いさんを交えての会議はまた勤務時間超過。喋ってる事はさすがに年の功か案外まともだが(←ナマイキ)、やはり時間にルーズなのはなぜだ。

 『國文学』今号、「手紙」の特集。新発見の火野葦平の戦地よりの手紙、なんとあの南京大虐殺まっただ中のもの。陥落から入城までの間に兵士を掃討して行ったのは事実のようだが、民間人まで虐殺していった気配はない。それどころか、「支那土民は日本の旗を振り歓迎した」との記述まである。火野葦平自身も、苦力(クーリー)の子供に荷物を運んでもらったあと、別れを惜しんだとか。日本兵と民衆の仲は至極和やかだったのである。
 手紙は父親への私信だし、皆殺しが本当にあったとしても嘘を書いて誤魔化す必要はない。「死者30万、女子供に至るまで民間人を虐殺」との主張はやはり中国側の誇張だろう。
 戦争の記録は正確であるべきで、右翼の肩を持つ気はないが、日本人だけを鬼畜のように言いたてるのは明らかに偏見である。

 女房と本屋回りをした後、セガワールドで『ワンピース』のホルダーを三体ゲット。ルフィーとナミとサンジ。ヨシヒトさん、すみません、「彼」はアームの届かない位置にいたので取れませんでした。
 帰りにモスバーガーで帆立クリームバーガーを食べる。熱くてうまいんだかどうだか分らない。

 メンバー全員にオタクアミーゴス参加の問い合わせのメールを送る。早速鴉丸嬢から返事が来るが、まだ予定が分らないとのこと。他のメンバーにも予定を聞いてもらうように頼む。鈴邑くん夫妻への贈り物、何にするかなど、ついつい長電話をしてしまい、すっかり午前様。明日は職場の除草作業があるってのにカラダが持つのか、俺。


2000年10月12日(木) 乳の電話と江戸のエンコーと胃袋女と/『十時半睡事件帖 おんな舟』(白石一郎)ほか

 昨晩、日記をUPして寝かけた途端に父から電話。(←漢字変換したら最初「乳から出んわ」となった。……何がだ)
 死んだ母が私の名前で保険を契約していたのを継続するかどうかの問い合わせだった。とはいえ、どんな契約だったかこちらは全く知らない。書類を送ってもらうように保険会社に頼むことにする。
 寝つけないまま、DVD『ナイスガイ』を見る。
 女房は演出が今イチ……と言う反応だったが、相変わらず、ただのコックのくせになぜかカンフーの達人というギャップは笑わせてくれる。まあ、確かにサモ・ハンの登場シーンは邪魔だ。

 仕事は特にトラブル無し。嵐の前の静けさか(^o^)。

 白石一郎『十時半睡事件帖 おんな舟』読む。
 このシリーズ、もともと福岡・博多を舞台にした時代小説だったが、この第6作では半睡が江戸詰めに「転勤」している。NHKで島田正吾が演じたときも特に博多を舞台にした感じはなかったから、ドラマ化に合わせた変更かも。だとしたらいかにも江戸におもねっているようで嫌だ。
 でも、江戸で家出娘が「援助交際」したり、半睡の友人の妻が「失楽園」してたりと、殺伐とした事件に遭遇した挙句、ラストで半睡が「江戸が嫌いになった、福岡に戻る」と言い放つあたり、博多人にとっては溜飲が下がる。
 ……でも、博多だって「エンコー」はあると思うんだけどね。いきなりハゲ親父から声かけられた女の子の話も聞いてるし。
 鴻上尚史『ドン・キホーテのリボン』読む。内容も毎回ワクワクするのだが(ニック・パークはおろか、ヤン・シュワイクマイエルまで見ているとは!)、解説が『ガメラ』の樋口真嗣! もう鴻上さんを誉めまくること。しかし「画になる言葉遣い」とは劇作家にとっては究極の理想だぞ。果たして鴻上さんがその域に達しているかどうか。

 晩は女房にビーフンとカレーを作ってやる。濃い取り合わせで、女房、「辛い」を連発しつつも平らげる。食べ終わって数時間も経たないうちに「おなかすいたね」。……この底無し(ーー;)。結局女房、我慢しきれずに一人でモスバーガーに行く。死ぬまで食い倒してきやがれ。

 メールをチェックしてみるとオタクアミーゴス九州のエロの冒険者さんから公演のご案内が来ていてビックリ。
 前にも連絡したけど、メンバーの諸君、都合がつくようだったら参加しませんか? きっと「時の涙を見る」ことができるよ(^o^)。


2000年10月11日(水) スパイと台湾論とこげぱんと/『こげぱん』(たかはしみき)ほか

 ミスった仕事の事がいつの間にか上司に漏れている。
 おお、スパイがいるのだ! 渦巻く陰謀、権謀術数! これこそサラリーマンの醍醐味か!
 でも誰がチクったのかを詮索するのは性に合わないので放っとく。
 「やあ、誰にでもミスはありますよ」と言ったら上司から本気で怒られた。ミスった本人がそんなこと言ってたら怒るのは当然だろうが、これが本音だしなあ。
 よく周囲からクビになりませんか? と心配されるが、「二日酔いでも寝惚けていても(中略)チョックラチョイとパァにはなりゃしねえ(by『ドント節』)」てなもんである。いや酒は飲まないけどね。
 でも別の部署に飛ばされることはあるかもしれんなあ。資料室の類だったりしたら気楽なんだが。

 小林よしのり『台湾論』読む。
 『戦争論』以降、小林氏の主張に対しての意見は、賛同にしろ批判にしろ全てがヒステリックで始末に悪い。下手にその中に入ってしまうと「お前は右か左か!」みたいな極端な扱いを受けてしまう。これじゃ議論のしようがない。
 最初から読む気がしない、と逃げを打ってたほうがよっぽどリコウだという感じなのだが、今回は題材が母の生まれた台湾についてのであるので、丹念に読んだ。少なくとも間違いは書いていない。
 しかし断言するがこの本は『戦争論』のようにマスコミの話題に乗ることはないだろう。なんだかんだ言って、マスコミは小林批判をするに当たっては常に安全地帯から攻撃している。台湾問題に触れる事はそれだけでレッドゾーンに足を踏み入れる事と同じだ。オリコウなマスコミがそんなことをするわけない。

 夜、女房と本屋を回った後、「金龍」でラーメン。安田弘之『ショムニ』1巻を読む。ドラマの人気の方が先行してしまった感じだが、やはり漫画の方が面白い。絵柄が雑で取っ付きにくいが読みなれるとそれがパワフルな魅力に感じられてくるから不思議だ。
 『アニメージュ』と『ニュータイプ』の今号を読むが、テレビ新番組は総じて不作っぽい。『犬夜叉』と『キカイダー』くらいか。エヴァもどきの作品が消えた後にはウスイ作品ばかりが残った、という感じか。OVAのほうが『ねこぢる』や『くろみちゃん』のように面白そうな作品が多い。
 絵本、たかはしみき『こげぱん』読む。『たれぱんだ』もそうだが、キャラクター商品絵本の割りにウィットに富んだ絵本が描かれるようになったなあ、と思う。


2000年10月10日(火) 失敗合戦と治らないケガと異父兄妹と/『ムーミン谷への旅 トーペ・ヤンソンとムーミンの世界』

 仕事でまたミスをする。書類の様式をちょっと勘違いしていたのだ。しかも〆切も忘れていた。
 「分らなかったら聞いてください」と担当の同僚がかなり立腹。でも、こちらは分ってるつもりで仕事をしていたのだから聞きようがないのだなあ。ミスをされて迷惑を被り、腹立たしいのは分るが、まあ不可抗力だわな。
 ……いや、こういう態度でいるから眼の敵にされる。口では「すみません」と言ってはいても、「〆切の一日や二日」ってな感情が自然にオモテに出てるのだろうなあ。
 ……と思っていたら、今度は別件でその同僚が連絡ミスをしていたことが判明。私の仕事がちょっと増えたが(しかも〆切近し)特に責めるつもりはない。今度は向こうが謝って来るかなーと思ったら無言のまま。
 よしよし、これで気が楽になったぞ。仕事がきつくなるとみんな物事はお互い様ってことが分らなくなるからなあ。何にせよ細かいことでいちいち腹を立てるものではないということだ。
 それにしてもつくづく余裕のない職場だ。

 帰宅して、しばらく送ってなかった友人へのメールなど書く。
 ここしばらくあっちこっちの知り合いに随分不義理をしているので、そろそろ連絡しておかねばならぬ。メールを書き終わると別の友人に電話。こちらは女房が事故にあったことも知らせてなかったので随分心配された。重ね重ね申し訳ない。
 女房の足、もうひといきで治りそうなのに痛みがどうしても取れないらしい。先日から口では医者に行くと言っているのに、なかなか行こうとしないのだ。困ったものである。

 テレビアニメ『ヴァンドレッド』第2回、なんだか女だらけの中に男が一人(か二人)的な展開になりそう。……SFのフリした『ラブひな』はもういいよ。これが『ナデシコ』か『アキハバラ』並にSFしてくれればまだ楽しめるのだが。

 『ムーミン谷への旅 トーベ・ヤンソンとムーミンの世界』読む。
 ムーミンの小説は全部読んでいたつもりだったが、もう忘れている部分も多い。ヘムルやホムサやフィリフョンカがこんなにいたとは気づかなかったが、一番驚いたのはスナフキンとミイが異父兄妹だったことだ! ……私は今までムーミンの何を読んでいたのだろう。もう一回『小さなトロールと大きな洪水』から読み返そうかな。


2000年10月09日(月) 女って癒してもらう対象ではないよな/『鉄槌!』(いしかわじゅん)ほか

 今日もまたV2のなんのと書かねばならんのかという気はするが、テレビをつけると朝っぱらから「いざ行け炎の若鷹軍団〜」と喧しい。三越までセールをやってるんだものなあ。「長嶋の背番号に因んで宝石を333万円で安売り」って何じゃそりゃ。
 ワイドショーの「癒し系の優香が〜」の台詞にヨシヒト嬢、ピクリと反応。女性から見ると「なんで男はこんなのがいいのだ」という疑問がわくアイドルは多いのだろう。
 私も「癒し系」なんて言葉はバカバカしくて使う気になれんが(何を癒されたいのだ?)、優香はまあ嫌いではない。広末涼子も釈由美子も真鍋かをりも、嫌わねばならぬ理由はない。
 ただ私が「いいなあ」と積極的に言えるのは、映画に出て面白い演技をしてくれるかどうかである。
 その点で言えば、中谷美紀ぐらいしか、見たい若手は今はいない。

 ……だからアイドルにちょっち詳しいからって嫉妬するなよ女房。

 二人が練習に行っている間に映画に行くつもりだったが、疲れが溜まっていたのか昼寝をしたら3時間も寝入ってしまう。
 福岡シンフォニーのUさんからの電話で起きる。11月の18日に公演が決まったそうなので、チケットを何枚送ればよいか聞かれる。現段階では何人とも答えられない。メンバーに連絡を取りたいので、チラシ等をとりあえずポストにでも入れてほしいと頼む。

 夕方、女房と博多駅で待ち合わせ。会ってみるとずいぶん気分が悪そう。映画もシネリーブルだけは安売りしていなかったので帰宅することにする。
 DVD『ファイナル・プロジェクト』を二人で見る。こんな題名をつけるから、ポリスストーリー4だということに気づかなかった。相変わらずジャッキー・チェンにハズレ無しでカンフー技を堪能。

 『X‐メン ザ・ムービー・パワーガイド』、いしかわじゅん『鉄槌!』読む。
 『鉄槌』はいしかわさんが雪山でバスに置き去りにされた事件の裁判経過を書いたもの。弁護士が正義の味方でも何でもないことをはっきり教えてくれる。いしかわさんも一応勝つには勝ったが後味は悪かったらしい。
 私もある裁判に立ち会ったことがあるが、アレは気弱になったほうが負け、というただの喧嘩である。……これは本気で言うが、事件関係者でなくてもヒマがあったら、一度は生の裁判を傍聴しておくべきである。自分たちが「法に守られている」というのがいかに錯覚か分るから。


2000年10月08日(日) V2余燼/映画『X‐MEN』ほか


 優勝から一夜明けて、博多の街は乱痴気騒ぎである。優勝セールとやらで89円だの890円だの8900円だの、割引の張り紙が踊っているが、キティーちゃんラーメン(巨人&ダイエー)は一切値引きなしの1200円(器付き)。
 ケチ臭いぞサンリオ。
 西日本新聞社が昨日の今日だというのに「優勝の軌跡」というムックを出している。写真も記事も確かに昨日のもの。……印刷屋は地獄だったろうな。

 父にV2福袋の土産を買って、頼まれていた国語辞典も持っていく。
 芝居か映画に行かないかと誘うが、休日も結構予定があって無理らしい。先週は博多座まで『遠山の金さん』を見に行ったとか。松方弘樹が登場した途端に会場で笑いが起こり、舞台上から「何笑ってんだよ!」と言い返す一幕もあったと聞き、笑う。松方弘樹も人間が出来てるのか出来てないのか分らん人だ。
 『ちんちろまい』を見た話をすると、「東京では字幕が付くんかな?」と聞かれる。分らない、と答えると「山形弁だってそのままなんだから字幕は絶対付けちゃいかんな」と言う。さすが博多人(^o^)。

 博多駅の紀伊國屋で森博嗣の名刺交換会。集まっているのは殆ど若い女性ばかり。見たところ一番年長は私だ。ミステリブームの一端を担うと言われる森作品だが、どうも広がりはないようだ。森さん、見た目ははしだのりひこにそっくり。そうかあ、これがナマの犀川創平かあ。
 簡単に会話が出来るようなので、こちらの本職を言うと、苦笑いされる。……だろうな。人あたりはいい人のようだが、まあ、作家ってのは叩かれたり悪態つかれたりするのが日常みたいなものだから、おおらかに構えるのが自然というものなのだろう。

 映画館も今日から三日間、1000円興行。
 女房とヨシヒト嬢と待ち合わせして、AMCキャナルシティで『X‐MEN』見る。単純な超能力合戦ものとして見ても面白いが、敵の首領のマグニートー、第2次大戦中にユダヤ人として迫害されていたという設定。これは結構重い。役者が一見人のいいオジサンにしか見えないので却って凄みを増している。
 帰宅後チャンネルNECOで『北斗の拳』実写版を見てそのマンガチックな演出を見て笑う。

 マンガ、鬼頭莫宏『なるたる』5巻、『奈津の蔵』4巻(完結)、石川賢『虚無戦記』7巻(完結)、相原コージ『漫歌』1巻読む。感想はあるが、字数が足りないのでここまで。


2000年10月07日(土) V2/ムック『本多猪四郎全仕事』ほか

 映画『ちんちろまい』に、武田鉄矢が「山笠の神様! 西鉄ライオンズの奇跡! 福岡ダイエーホークスの奇跡! もう一度見せてくんしゃい!」と叫ぶシーンがある。
 もちろん、ホークスの優勝は奇跡ではない。ミレニアムにON対決とは、天の配剤か、とニュースキャスターが語っているが、私にはこんな「出来過ぎ」はバカバカしい偶然にしか見えない。

 私は、それほど感動していない。

 博多の町の文化がこの数十年、いびつに変容していることを腹立たしく感じている私である(『ちんちろまい』が私にとって溜飲の下がる映画だったのは、その「変容」に真っ向から逆らい、伝統の正当性を宣言した映画だったからだ)。ホークスの存在も、生粋の博多っ子にとっては、『ちんちろまい』の「デジタルドンタク」と同じくらい、違和感のあるものだ。博多んもんの一徹さがアレには決定的に欠けている。
 那珂川に飛びこむホークスファンの狂態を見ても、「この程度で浮かれ騒ぐとは博多っ子もレベルが落ちたなあ」と思ってしまう。どうせならもっとスケールのでかいバカをやれないものか。

 休日出勤から帰って、部屋の片付け。本の山が何度も雪崩を起こし、途方に暮れるが、女房とヨシヒト嬢が練習から帰って来る頃までに、何とか歩ける空間だけは確保する。
 ……帰宅した二人、酔っ払っている。焼き鳥屋で大いに盛り上ったらしい。
 ヨシヒト嬢、普段の倍も饒舌。やたらと「ほ○」がどうのと危ない台詞が飛び交うが、その口跡を詳しく書いては(28文字削除)。何しろ酔ったときのヨシヒト嬢は(以下68文字削除)。

 マンガ雑誌『名探偵に乾杯』読む。友人に勧められていたもので、何軒も本屋を探し回った挙句、やっと見つけたのが近所のコンビニだったという「灯台下暗し」そのまんまの経験をした。
 しかし、内田康夫、倉知淳、二階堂黎人、泡坂妻夫と、それなりの作家の原作を揃えているが、いかんせんレディースの作家たちには荷が勝ちすぎている。コマ割りがみな少女マンガ風で工夫がなく、ミステリーの妙味を引き出せていない。これでは『ビィ・ストリート』の方が何倍も出来が上だ。
 ムック『本多猪四郎全仕事』読む。『ゴジラ』シリーズのみが有名な監督だが一般映画も多く監督している。『鉄腕稲尾物語』なんて博多人には必見だろうが、いまだに未見。ホークス優勝にかこつけてどこかで上映会でもやらんか。


2000年10月06日(金) 詳しくはコメディフォーラムを見てね

 今日の仕事は山登り。いやホント。
 私もなんでこんな仕事があるのかよく分らん。しかも年に三回もあるのだ。
 体重が半端でなくあるので、仕方なく杖をついて登るが、やはり股関節が笑う。
 若い子には杖をついている姿自体が奇態なものに映るらしい。「その杖何ですか?」と聞くので、正直に「体が重いんだよ」と答えると笑われる。
 ……なあに、後十年ちょっとの辛抱だ。その頃にはこの若い子たちも私と同じ目に合うようになるのだ。ブクブクと太り、汗まみれになるのだ。うひ、うひうひ。
 ……陰険な私(^_^;)。
 先日「死ぬまでカキまくります(絵を)」と言ってた子、今月の福岡ドームでのコミケにマンガを出すとか。一応、ヤオイは嫌いでオリジナル勝負、と言っているから、やる気はある子なのだろう(仲間内では「不思議ちゃん」と呼ばれているが(^_^;))。
 「来ませんか」と誘われるが、さすがに四十が近いと足を踏み入れにくい。
 特に地方だとプロ作家の同人誌なんてのもなかなか無いし。東京のマンガ専門店だと研究書も含めてほしい同人誌がゴロゴロしてるのになあ。

 職場の女性が二人ほど産休を取るので、引継ぎ時の注意を受けるが、遠回しに「仕事の要領が悪い」旨のことを言われる。もちろん、要領よくやれば仕事を押しつけられるからしないのである。少なくとも嫌味を言うことが仕事をさせる手段になると考えている人間の手伝いをしてやるほど私はお人好しではない。
 老若を問わず、人に仕事をさせるコツというのは、その人に任せた以上、どんなにその仕事ぶりが適当だったり下手糞だったりしても任せきることだ。そして失敗の責任は仕事を命じた自分が被る。それが「仕事」である。
 もちろん、ウチの職場にこういう考え方をしている人間はいない。つまり、ウチの職場で「仕事」をしている人間はいない。要領も糞もあるか。
 でも口先では「頑張りましょう!」と協力姿勢を見せる。……卑怯な私(^_^;)。

 帰宅して新聞を見ると『ひょっこりひょうたん島』の記事が。懐かしく、オタクアミーゴスに感想を書きこみ、録画してあったビデオを見返す。
 アニメでも人形劇でも昔はこういうミュージカルがたくさんあったのになあ。テンポはのろいがギャグそのものの過激さから、これが『サウスパーク』のルーツと見ることもできる。なぜNHKはこの路線を止めちゃったのか。ちょっと悲しい。


2000年10月05日(木) ちょっと浮気(?!)とSFJAPANと/『荒野のコーマス屋敷』(シルヴィア・ウォー)ほか

 昼、職場の女の子が食事を作ってくれる。

 ……言っとくけど不倫じゃないぞ。勘違いするなよ女房。

 たまにこういうことがあるのだ。
 おかずは麻婆豆腐に薄焼き卵、デザートに杏仁豆腐。
 「薄焼き卵は自信作なんですけどぉ」と言うので食べてみると、これが本当に美味。ほんのりと甘味があるがしつこくなく、黄身と白身のバランスも絶妙。正直に感想を言うとすごく喜ぶ。更に食器を洗って返すと「ありがとうございますぅ!」と本気で感激される。
 後片付けくらいやりますよ。一人暮し長かったし。大人の男は食器洗いなんかしない、という思い込みが強いのかなあ。博多はまだまだ男尊女卑か。

 帰宅後、博多駅の紀伊國屋でまた本を買いこみ、マクドナルドで月見バーガーを食べながら『SF JAPAN』を読む。メインは筒井康隆の大傑作『大魔神』。ラストは前三作にも増して悲惨かつ美しい幕切れ。これが映画化されなかったと言うのは残念無念。徳間社長、死ぬ前にどうしてGOサインを出してくれなかった(T_T)。老けても筒井はまだまだ終わっちゃいないことを確認。
 唐沢なをきのマンガ、どれだけ筒井作品を読んでるかと言うイヤらしいコンセブトだが面白い。オチが『到着』だよ『到着』! いやあ、さすがなをきさん、SFを知ってるなあ。……何のことかわからん人はもっとSFを読もう。
 他にも諸星大二郎のインタビューだの夢枕獏の『闇狩り師』の新作だの、もう垂涎の一冊。メンバーのみんなも買わんかね?

 シルヴィア・ウォー『荒野のコーマス屋敷』読む。
 生きている人形、メニム一家シリーズの第2作。四十年間、正体を隠し通して来たメニムたちが、初めてコミュニケーションを交わすことになった人間、アルバートくん。これが、人はいいけどドジでノロマな役立たず……って「のび太」かい。彼は高速道路が敷設され屋敷を追い出されそうになるメニム一家のために立ち上がるのだが、作戦は当然のごとく失敗につぐ失敗。
 更にアルバートくんはメニム家の長女ピルビームに惚れてしまい、果たして人間と人形の間に恋は成就するのか? というハラハラする展開になるが……。ユーモアとファンタジーとセンチメンタルが程よくミックスされた佳作。
 マンガ、小畑健『ヒカルの碁』9巻。ヒカルと佐為の間にチラリと不協和音が見えてきたのが新展開の予兆か。いよいよ目が離せなくなってきた(ワクワク)。


2000年10月04日(水) 止まる息とふらつく自転車とドロドロと/『本気のしるし』1巻(星里もちる)ほか

 仕事の合間にうたた寝をしない日はないが、女房の話によれば、「無呼吸睡眠」をしているせいではないかという。夜、眠っている最中呼吸が止まり、脳内の酸素が欠乏するため、昼間眠ってしまうのだそうな。
 「……俺、寝てるとき、呼吸止まってるか?」
 「うん。イビキが突然止まるよ。“グガッ”て言って」
 それは意味が違うだろう。
 けれど、実際どうしてこんなに眠ってしまうのか。

 夕方、ビデオテープを買いにヤマダ電機へ。
 女房を誘うが面倒臭がってノッてこない。仕方なく一人で出かけるが、つい本屋に立ち寄り、スーパー大栄に立ち寄って米を買ったりしていると、荷物が半端じゃなく大量になる。自転車のハンドルに荷物を引っ掛けると、ペダルを扱ぐたびに足がぶつかって何度も転びそうになる。
 最近、女房は私が自転車に乗ることを嫌がるが、本気で事故に合いそうなのを心配しているのだろうか。
 ……だったらつきあって荷物運ぶの手伝えよ。

 「ひろば」への書きこみが滞っているので、久しぶりに『サウスパーク』の感想を書きこむ。
 あまり私ばかりが書きこんでも後が書きにくかろうと、誰か書きこむのを待っていたのだが、どうもその気配がないので、結局書きこむことにした。
 私だって大層なことは書いていない。もしみんなに何百字も書かなきゃいかんというような誤解を与えているのであれば申し訳ない。「役者の○○がカッコよかったよ〜。みんなも見てね〜」でよいのだが。

 マンガ、奥田ひとし『天地無用! 魎皇鬼』12巻、細野不二彦『ギャラリーフェイク』20巻、星里もちる『本気のしるし』1巻読む。
 『本気〜』、青年誌(BCスピリッツ)に移って以来、この作者は段々暗くドロドロした人間関係を描くことに腐心するようになったが、実生活が投影されているのだろうか。
 今回、前向きに生きている人間が一切出てこないのが読んでいて辛い。絵柄も石坂啓のような硬質で冷ややかなものに変えており、作者が新境地を狙っているのは分るが、下手をすると柳沢みきおの二番煎じになりはしないか。
 それにしても生活能力のない、ウソツキで、男に体を任せることでしか金を稼げないような女になぜ男が惹かれていくのか。誰かの言い草ではないが、「男はどうしてバカなんですか?」……もちろん、そのほうが女にとって何かと都合がよいからである。この世は女のためにあるのだ。


2000年10月03日(火) 博多はよか、よかァ/映画『博多ムービー ちんちろまい』ほか

 この一週間ほど、昼間、日光が眩しくて目を開けられない。特に睡眠不足ではないし、夕方、日が落ちる頃には目が開くので、疲れ眼ではないようだ。
 思うに、職場が家からちょうど真東にあるのがよくないのである。朝は朝日、夕方は夕日に真正面から向かう毎日なのだから、目が弱ってくるのも宜なるかな。医者から目薬も貰っているが、あまり効かない。
 しょっちゅう目をパチつかせているので、仕事の最中やたら周囲にウインクしているみたいである。誤解する女性がいなきゃいいが(いねーよ)。

 今日こそは映画に行こうと仕事を早目に引けて帰宅すると、女房はまた昼寝。
 何度起こしても起きないので、ラーメンを作ると飛び起きてくる。
 昔、何かのギャグマンガで、「走光性」ならぬ「走食性」の植物が出てくる話を読んだことがあったが、女房はまさしくそれ。肉を前にぶら下げておけば地の果てまでも走って行くであろう。

 『博多ムービー ちんちろまい』、期待以上の怪作。
 他の地方の人間が見たら、博多の人間というのはなぜここまで郷土に自信を持っているのか理解に苦しむであろう。
 ……理由はない。強いて言えばそれはここが博多だからである。
 ちょっと分りにくいだろうが、これは村おこしの映画などではない。博多はこんなにいいところですよ、と他地方に媚びて宣伝する映画ではないのだ。
 なぜなら、博多は既に「世界の博多」である。
 つまりこの映画は、その厳然たる事実を庶民に知らしめてあげるものなのだ。かといって、博多人は京都人のように他地方の人々を見下したりしてはいない。例えば「世界の三船」が他の俳優を見下したりしただろうか?
 他地方の人間は、字幕なしの外国コメディを見て、どこをどう笑えばいいのか分らずに当惑するように、この「全編博多弁ギャグ」の嵐の中でポカンとしていればよいのだ。
 他地方のみなさん、文句があるならかかってきなさい。神風で迎え撃ってあげよう(^o^)。
 ……でも若い博多人には「アポ取っといて」の台詞で大笑いするってのもわかんなくなってんだろうな。くくく(T_T)。

 帰宅してアニメ『ヴァンドレッド』第1回を見る。
 GONZOは相変わらずCG使いまくりで画面は美しいが、話のほうは「男と女の宇宙戦争」という『マクロス』か『ガルフォース』かという、やや食傷気味の設定。面白くなるかどうかは次回以降を見ないとなあ。


2000年10月02日(月) 出たものは全部食う、は貧乏人の躾か?/『名探偵は密航中』(若竹七海)

 ♪ 今日も仕事はしょむない会議〜。
   「時間厳守」が議題だけれど〜。
   時間になっても始まらない〜。
   勤務時間を超過しても終わらない〜。
   何考えてやがんだ、サノバ○○チー。♪
 ……『サウスパーク』にハマッてるせいでミュージカル風&歌詞が下品になってしまったことをお詫びします(はあと)。

 実際、帰りが遅くなって、また『ちんちろまい』に行きそこなった。金曜日までだし焦るなあ。
 女房、昨日行った「ハードロックカフェ」がよっぽど気に入ったらしく、「また行こうね」を連発する。従業員のMCがうるさいようなことを言っていたのになぜ? と思って、訳を聞いてみると、昨日藤田くんが食べ残した肉料理がもったいなかったから、だそうな(-_-;)。……つくづく貧乏性が身に染みついているのである。また行ったところで、あの時の料理が取り返せるわけでもなかろうに。

 若竹七海『名探偵は密航中』読む。無理矢理な設定はなく、無難に読めるミステリではあるが、傑作とも言い難い。
 昭和初期の豪華客船を舞台にしているワリに、文体も台詞もその雰囲気が出せていない。ミステリとしてどうの、という以前に、小説としての力が弱いのだ。個人的なノスタルジーだけで小説を書くことは厳に戒めるのがプロの作家と言うものではないのか。それが時代考証を必要とするものならば特に。
 主人公と言えるお転婆なお嬢さま、初子嬢のキャラクターにもう少し深みを持たせられたらもうちょっと面白くなったろうになあ。

 夕食、何か作ろうと考えていたが雨降りの中を帰ってきてだるかったので、コンビニ弁当に切り替える。……でも雨の中、もう一度外に出なければならなかったのでやっぱりだるかった。こういう時は本気で「どこでもドア」か「加速装置」がほしくなるな。
 女房はよく私に「3秒でやって」と頼むが、「俺は009じゃねえぞ」と言い返した途端、妙に受けて大笑いする。……どうやら私が奥歯のスイッチを押した途端シュイイイイン、と分身するさまを想像するらしい。……キモいぞ(^_^;)。
 何のことか分らん人は石森章太郎『サイボーグ009』を読もう。
 ほっかほっか亭、明日からカツ丼が新発売だそうだが、今日のうちから売ってくれた。何となくラッキー。これくらいで幸せな気分になれるんだから、誰かの言い草じゃないが平和なもんだ。


2000年10月01日(日) スランプと○○○の穴と香取慎吾と/映画『マルコヴィッチの穴』

 昨日は日記も書かずに早寝したせいか、休日だというのに早起き。
 おかげで『ニャンダー仮面』『タイムレンジャー』『クウガ』『オジャ魔女どれみ』『題名のない音楽会』と立て続けにテレビが見られた。このラインナップはなかなか強力。女房とヨシヒト嬢は、その途中で練習に出かける。

 昼、久しぶりにラーメンを作って食べる。冷蔵庫の野菜がそろそろ腐りそうなのだが(こらこら)まだ使いきれない。野菜炒めにしても女房は食ってくれないし、どう調理したものか。
 「ひろば」に映画の感想を書いたり「シナリオアクロバット」の連載も再開したいが、何となくまだ調子が戻らない。だらだらと本を読むが一冊分読みきれない。そう言えば、職場で仕事が一段落ついたあと、台本を書いているが、それも第3稿の途中で中断したままである。……もしかして、今スランプか?

 夕方から女房たちと合流して、ホークスタウンのユナイテッドシネマまで、『マルコビッチの穴』を見に行くことにする。
 女房が「題名が長い」と言って「マルコ」を省略して発音するので、ヨシヒト・塩浦両嬢、受けて笑う。一人、桜雅嬢だけ意味が分らずポカンとしている。以前から「純粋培養された子」という評判(?)は聞いていたが、なるほど納得。
 残念ながら、ヨシヒト嬢は帰りが遅くなりそうなので同行を断念(結果的にこの判断は正しかった。映画の後もしばらく歩き回って帰りが11時を回ったからだ)。

 ホークスタウンについた途端、偶然職場の若い子たちと出会う。
 「何してるんですかぁ?」と聞かれたので、
 「映画に来たんだよ」と言った途端、笑われてしまう。……なぜ?
 女房を紹介しようとするが、恥ずかしがって顔を見せようとしない。明日また職場で変なウワサが広まっちゃうんだろうなあ。まあいいけど。

 「ハードロックカフェ」で夕食にするが、ひと皿ひと皿がでかい。女房の食べ残しのサンドイッチを分けてもらったが、それだけで優に一食分。
 シャウトタイム、従業員や客がいきなりリッキー・マーティンの音楽にノッて踊り出す。藤田くんは結構ノリノリで体を動かしているが、桜雅・塩浦両嬢は慣れない感じ。女房に至っては踊っている連中をシニカルに観察し品定めしている。
 女房、店内のミック・ジャガーの写真を指して「香取慎吾!」と叫ぶ。……ハードロックとおはロックを一緒にするなよ(-_-;)。



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