私じゃダメなの
ダメだったんだなぁ
なにひとつできなかったなぁ
私じゃなくてもいいんだ。
いいんだなぁ。
夕焼け
早くなったなぁ。
あなたの
目指す道は遠く
あの山を越え 森を抜け 海を渡り ずっと ずっと先
ついていきたかったけど ついていきたいけど
振り向くたびに 立ち止まって 私を待つたびに
足手まといだってわかってた
何もできなくて ベホイミも使えなくて
だからこの辺で
お別れしよう
あなたはこれからも
歩き続けて
もう
振り返らずに
私はずっとずっと遠くから あなたを想っているから
小さな小さな星になって
体がどんどん冷えていく
自分が要らないヒトだと思いながら
今ならまだ間に合うとつぶやく
本当に要らないと 目で態度で言葉で 伝えられないうちに
なにも 何も気がつかないまま
今ならまだ間に合うでしょう
ゴミ箱に捨てられる前に 自分で行き先を決めるから
気がつかないまま 気がつかないふりで
ゆっくり ゆっくり
後戻りすることだってできるから
見回してももういない つないだあの手も 支えてくれた腕も 何も ない
寝ぼけた頭で コーヒーを淹れながら ほんの少し泣く
夢から醒めた朝はいつも 現実とのラインを引けずに 曖昧なまま日常に押し流されていく
もう 今が夢なのか現実なのかすらあやふやで
遠くの空ばかり見ている 遠ざかる雲を見ている
少し冷めたコーヒーに 遅すぎるアラーム
なにもかも
夢ならばいいのに
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