風が吹いても 柳の枝はしなやかで
私のささくれた固い枝は なびくことを知らず ある晩 音をあげて折れ
やさしくなりたくて 誰からも 恨まれず 憎まれず 疎まれず
風が吹いても 嵐が来ても
いつも笑って いつもやわらかな声で
いよう と
いつかくる さようならさえ 淡々と 微笑みながら うなづけそうな
柳の下
もう 気づいてしまっている この間違いに
気づいてしまっている
気づいていること 隠しながら 空虚な時間を重ねつつ
埋まるはずの ココロの空洞からは
ヒューヒューと 風がもれ
切なさより寂しさより 虚しい寒さが
夜を 凍りつかせる
この氷の中に 私を閉じ込めて
オレンジのダウンライトに クリスタルが優しく瞬き ゆっくりとけてゆく グラスの中
とけて 豊かな実りの色 鮮やかな葡萄色 艶やかなべっ甲色
とけて あなたの好きな
色に
な る か ら ・・・
川は流れていくから 静かに目を閉じ そのまま身を任せる
水面がキラキラ 向こう岸 つくし採り
柔らかい陽射し 頬を撫でる優しい風に 誘われカラダをのばす
私はどこにもいかないけれど あなたの視線の先に いること
安心しきらないで
川は流れていくから 遠くへ
いつも流れていくから
一人でいる それはいやじゃない
ときどき寂しいけど 一人でいるのが好き
一人でいるのが好きな人と会ったら
一人でいることの すばらしさを
切々と語り合おう
一人の喜びと 一人の自由と 一人の自堕落と 一人の優しい時間について
そしてお互いに
深く深くわかり合おう
世界で
たった一人のあなたについて
しんと冷えた夜 厚い雲の合間からのぞく 遠い3等星の瞬きと 心に誓う
どんなにつらくても いつまでも どこまでも あの星が消えてしまうその日まで
変わらずに 愛しつづけること
涙さえ 思いを飾るピアスのように
吐息も あなたへの手紙
いつまでも どこまでも
あなたのことを
閉じ込められた鉄の部屋の中で あなたの顔が浮かんだ
私の知らないあなたを見せて 私を押しつぶそうとする鉄の壁 日増しに厚く
すぐそばにいたのに 今はもう遠い
一緒にいれば 全て知っているような錯覚 ずっと前から
私の知らないあなたより 私の知っているあなたを数えるほうが 早いなんて
なんて 哀しい
知らないあなたを もう知らせないで
どんな風に取り繕っても 記憶をすりかえようとしても
無駄なこと
あなたは負けたのです ただそれだけの
現実です
目をそらしても 隠しても
いつまでもそこにある
それが現実
コトバなんか いらない
何も
ただそばにいて
何もしゃべらないで
沈黙こそ最高の贅沢
お願いです
ちょっとだけ ほんのちょっとだけ
休んでもいいですか
少し つらくて
ちょっとだけでいいんです
またすぐに 歩き出しますから
全てを抱えこめるほど 力はないんです 知恵もありません
できるのはただ 共に怒り 手を握り 同じ色の涙を
流すこと だけ
あるのはただ 信じる気持
祈り だけ
ちょっとだけ 休んで さ迷う自分を見つけられたら
すぐに歩き出します
もう誰も 手を引いてはくれないから
自分自身の 小さな勇気だけを頼りに
今は ちょっとだけ休息 ちょっとだけの希望
周りが騒々しくて あなたは 私の手を取り走り出した
腰の高さもある草原の中 石ころの川辺 樫の木の丘 クローバーの野原
すごい早さで
足がもつれる私を あなたは引っ張って 時々ふんわり 宙に浮いたりして
どこまでも走って 二人で風に乗って どこまでも走った
目が覚めて あなたを見た
毛布をかけてくれていた
疲れた もう やめよう
疲れて 残ったのは ため息ばかりで
燃え尽きるというのは こういうことね
もう がんばらない
何か ほんの少しでも 変えられたら
ほんの少しでも 行く手に灯りをともせたら
そんなもの 自分の驕り
風の中から
また
いつもの陽だまりに帰ろう
ちゃんと閉じこめて 鍵をかけ 幾重にも
箱の中には
全部捨てて あの日までの自分も 全て捨てて
捨ててきたのよ
なのにどうして
時間は 記憶を連れていってしまうのに
心の中の奥深く しまいこんだあの箱の あるところを知っている
開いた香りまで
また 思い出している
私って ツメタイヒト それはそれはそれは もう スイッチを入れるだけ
カチ。
アレ アンタダレ ナンカ用? 用ガナイナラ イキ 痛イオモイスルカラ
爪ノアイダ 針サス ザックリ耳 削ギオトス
ソンナコトバ タンマリ持ッテル 一言デ スグ泣クワ
アラ カワイイ泣キ顔
デモね コレからヨ 泣ケバスムナンテ フフフ
コレカラガイインジャナイ
カチ。
知ってた? これも私 ワカッタ風な口 キくんじゃないわよ
義理だから なんて笑っても
なんででも許さない
年に一度 大好きな
チョコレートに嫉妬
出して 全部
一口も 食べさせてあげない
わたしのものよ 全部
あなたの
失いたくないもの リストの
せめて3位以内に 入りたい
そのメダルを これからの私の 自信にしてくから
なんて 言ったら
笑われるかな
おわってしまえば
あのことも あのことも
運命を感じたあの言葉も あなたを感じたあの時も
割れて 砕け散り
意味をなくす
破片は時々胸を刺すけど それだけ
引き裂いてくれれば 新しい私になれたものを
キミと つかずはなれずそばにいて それも なかなか
目線で 動きで わかる 何が欲しいのか
どうして欲しいのか どうすれば 喜ぶのか
わかる けど
七割くらいは
知らないふり この三日間は
三割打者で イク
はかなくも 崩れ去る
想いの行方
竜巻がすべて 連れ去り
残されしは
唯 空 青く青く
この空虚な感じ
眼前にあった はずの
思い出せず
空 見上げるばかり
言いたいことは ちゃんと言おうね って 簡単なはずなのに できなかった
二人の間は謎だらけ それがどんどん集まって 水たまりになり 川になり 二人の距離が遠くなる
離れるあなたをつかまえたくて 手を伸ばした向こう岸 届かなかった遠い背中
つかまえて だきしめて
なぁんだ そうだったのと 安心したいだけなのに
大丈夫だって言って 笑い飛ばしてほしかっただけなのに
泣いたりしちゃって ばかだなぁって 髪をクシャってしてほしかったのに
2001年02月08日(木) |
決して言ってはならないそのヒトコト |
あなたのヒトコトが 胸に刺さりました あなたのヒトコトで 涙の海
それさえなければ どこまでだっていけたのに 七つの海も渡れたのに
泣き顔を 窓辺にさらす
風が少し柔らかい
もうすぐ 春が私を 包んでくれるかな
できれば
今は雨だけど 晴れていて
暗くて月も見えないけど 星が降ってくるようで
くしゃみをしても 笑っていて
気になっても 声さえも聞こえず
遠く遠くへ 突き放される
果てしなく遠い ひとつかみの
望みもない恋
何も望まないから
それが いい
静かで
こっちに ちょっときてごらん
あなたの 鼓動が急かす コートの中
どうしたの
ポケットに 入れて
連れて行きそうな顔
痛いから
離して
もう いかなくちゃ
薄紫のスターチスに薄黄色のスプレーカーネ さわるとカサカサとくすぐったがる
言葉も交わさなくなった二人に 残されたものは 残ったものは
星みたいだね 連なって 月みたいだね 紡ぎあって
毎日が あなたを中心に ゆっくり回っていたので
いつまでもいつまでも ガラスの中 心はカサカサと優しい音色で 音の 行き場もないままに
目が痛くて かけていらんないから メガネやさんへもう一度調整に
0.7と0.3 左右の見え方が違う そんな私
いつも見てるのは どっち? 右 左
あなたがみたいのは
どっちの 私
どっちも 私
だったのよ
恵方に向かって 丸かぶり それがしたくて君が 止めるのも聞かず 「巻二本」
微笑ましい 夕方の市場
痛々しい 真っ赤な夕日
この心の鬼を 追い出せぬ我
また道に迷ってしまいました 右側の壁に ずっと手を当てながら 進んでいこうと決めたのに
あなたの声が やさしく響いて つい
もうわからない どこから来たのか どこへ行くのか
同じ所をグルグルまわってる あなたさえ幻
そんな気がして
先刻承知のこと 始まりは終わり 終わりは始まり
ひとつの例外もなく 出会って別れ 別れて出会い 寄せては返す波のよう
大人になろうともがいても 道端の子供のように いやだいやだと駄々をこね 泣くばかり
泣くばかりで
もう少し 大人になったはずだったのに
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