心に染みる歌 |
ただ貴方が出来ること かろうじて愛せること 信じること きつく抱いてやれること
鬼束ちひろの「LITTLE BEAT RIFLE」、 このフレーズがあたしは好きだ。
知るきっかけとなった「月光」よりも、 ファンになった「眩暈」よりも、この曲が好きだ。 特にアルバム収録のバージョンのほう。
11月に入り、東京でも木枯らし1号が吹き、にわかに冬の到来。 個人的にはすごく好きな季節。 どんどん、どんどん、寒くなれって感じ。
10月半ばからすでにストールは使っていたが、 早めに出しておいたタートルも徐々に着始めて、 ハンドクリームはもちろん、乳液等も使い始めて。
今回の三連休はヨーカドーへ買出しに行ったり、 渋谷パルコへ、Coccoの絵本原画と民生写真集の展示を見に行ったり。 大掃除したり、それでまた電球と電池を買いにヨーカドーへ行ったり。 そして、5日のライヴに備えて予習復習もした。
5日は、眠かった。 おまけに、午後になって、鼻血が出かかった。 よく考えたら、連休中は微妙に風邪気味で何度も鼻をかんだ。 う〜む、粘膜がやられちゃってるっぽい。 冬場の鼻血には気をつけないと。
地下鉄で二駅と近いので軽く残業した後、武道館へ。 そう、鬼束ちひろ完全復活のライヴ。 そして、ぴあ30周年記念イベントのひとつでもある。
席は東Q列50番とWEBで見る限りは唸ってしまうのだったのが、 振替でF列46番というステージほぼ横のちょっとは見やすい席に移動になる。
ステージにはピアノが二つだけ。 鬼束ライヴは4月のNHKホール以来。 そのときは誰も立たないことにただ、びっくりしたが、 今回は最初からステージ上にピアノが二体だけだ。 で、場内アナウンスでは3部構成だと言っている。 ある程度、予測が出来た。
最初に出てきたのはピアニスト二人。 演奏がしばらく続いた後、鬼束の登場。 そしてライヴの1部目ががはじまる。
照明は暗いまま、鬼束色のライヴが続く。 完全復活ってこともあったんだろうけど、 3曲目で、なんか泣けてしまった。
裸足で、自分の痛みを叫ぶように歌う姿、 そのわりにしゃべりは意外とかわいいところ、 う〜ん、やっぱり鬼束は独特だ。
2部目はベースとドラムが、3部目はバイオリンが二人、 ヴィオラとチェロが加わった。
で、鬼束から宣伝が。 自身3枚目となるアルバムと、 参加させてもらったというユーミンのカバーアルバムと。 そして「大好きな歌です」と言って歌い始めたのは 名曲「守ってあげたい」だ。
いちおう、ユーミンのオフィシャルを見てそれを知ってはいたが、 鬼束や林檎ちゃん、スピッツだけでなく、aikoちゃんも参加するとのこと。
鬼束いわく、「(自分のはもちろん、カバーアルバムも)買って」ってことだけど、 言われなくても買うつもになってた。 「守ってあげたい」を聴いて余計にその思いは強くなった。
ライヴは新旧織り交ぜたもので、 3部構成とはいうものの、それ以外にアンコールもあった。
時間としては本人曰く「短いですが楽しんでってね」の通り、 1時間半ぐらいだったが、新曲8曲、新旧織り交ぜた構成で これ以上のものはないという感じのライヴだった。
ある意味、鬼束の存在は稀有なものだと思う。 そもそも、武道館を満員にして楽しませるのではなく、 聴かせて泣かせて癒してくれるというアーティストというのは。
でも、あたしはこういうのが好きだ。 ずっと座っていられるから、それだけじゃない。 一度見ているからというのもあるけど、 今回ですでに鬼束色に染まってしまった。
そもそも、心に染みる、そんな歌があたしは好きだ。 歌詞が、メロディが、歌声が、 暖かさも、切なさも、嬉しさも、悲しさも、全て浸透してくる。
Coccoの「Rainning」も、あゆの「TO BE」も、 aikoの「カブトムシ」も、ELTの「fragile」も、 全て心に染みてきたから好きになった。
それゆえ、涙してしまうことも多いんだろう。
そう、相変わらずだけど、よく泣く。 たとえば、「あいのり」を見て、あるいは「恋愛マスター」を見て。 あるいは、「アルジャーノンに花束を」を見て。
また、毎日のように夢を見て、疲れてるんだなと感じることは多くて。 もう見ないだろう人が夢に出てきちゃって、どういうことだろうと感じて。 そして、先々への漠然とした不安で。
某日放送の「あるある大辞典」では涙がテーマで。 最近ではドライアイという人が多くなってるらしいけど、 自分はそうじゃないってことがわかって、 泣きたいときに泣ける自分をあらためて誇りに思えて。
日々、色んなストレスを抱えて、ためこんでしまって、 それを発散させる方法の一つが泣くこと。 心が浄化されて安心感が生まれること、あたしはよく知ってる。
健康かつ倹約。 完全にではないけど、その目標をだいたいは達成できつつあるのかな。 焦りは禁物だ、無理が出来るときと出来ないときがある。 今は無理せず、自分が出来る範囲で頑張るしかない。
プレステ用ゲームソフトCMテーマソングでもある 鬼束の「Castle・imitation」が頭の中で鳴り続けてる。 それも、♪生きて生きて生きて生きて生きて生きて〜 って。
そう、こんな時代に生まれても何かしら楽しみがあるんだ、 やっぱり生きなきゃ、って改めて感じる。
来月11日のリリースが楽しみだ。 いや、前日の入荷と同時に買うつもりだけどね。
|
2002年11月12日(火)
|
|