オミズの花道
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『 王子様はご機嫌斜め 』
2004年06月30日(水)


最近、真田さんに『なおちゃんは海洋生物ならシャチかな。』と言われた。
王子様はご機嫌斜めだ。

どうやら健康診断でちょこっと悪い所が見つかったようで。


何て言うんですか、私もねえ体調が悪いんですよ。

先日の金曜日は早引けしたんです。
そんな時に限って遅々に口座のお客様がいらっしゃるし。

その事を話したら『無理しすぎなんじゃないの?』とまたご機嫌斜め。


梅雨も手伝ってるのか、イライラは。




どおしろってのよ、私に。




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『 男ってホントに 』
2004年06月25日(金)


『あやや出すぎ。ウザイ。』
最近お客様からこの言葉を聴くことが多い。

理由はブリブリしすぎだからだと言う。
そうかなあ、可愛いと思うんだけどなあ。


私のようなデカくて濃い顔の女は、ああいう小さくて可愛い系の女の子が好きだ。『ぽっぽぽぽっぽ〜3時だよ〜。』がかかると一人で『か、可愛え〜♪』と身悶えしている。鼻血もんだ。
だがお客様に言わせるとそれこそ腹が立つのだという。何なのだ、それは。


『だってあややはあの童顔で乳がデカいのがいいんだよ!』

『胸が隠れて可愛いだけじゃ意味が無いじゃん!!』


そ、そうですか。

・・・・男ってホントにしょうがねえな。






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『 ああもう疲れた 』
2004年06月23日(水)


水上です。
どうもです。


この日記を読んで戴いてる方は御存知でしょうが、私の日記は書くときは毎日のように書いて、開く時は一ヶ月くらい平気で開きます。
いや、本当に申し訳ない。

心配してメールを戴いたりするんですが、ろくろくお返事も出せずに申し訳ありません。でも全部読んでます。ごめんなさい。


本業に加え、ホステス業をみっちりやると、日記書いている暇が無く。
忙しいんですよね、今の店。いや、本当に忙しすぎる。暇なときもあるけど。

どれくらい忙しいかと言うと、一晩に貰う名刺をデータ化したり、メール出したりしてると結構な時間がかかるくらい。
いや、もうね、私も歳ですから脳味噌が痛んでるでしょう。その分、その晩にやっちゃわないと忘れちゃうんですね。


でも忙しいのは逆にいいですね。
余計なくだらん事を考えずに済むので。

第一に女の子同士のいざこざやらに関わらずに済みます。
もうさ、不満がてんこ盛りなら辞めちまえ、と思うのは私だけですかね?
普通のお仕事の方に比べると辞めやすい業種だと思うんですが、いかがでしょう?


うーん、疲れてるな本当に。こんな愚痴が出るとは。

プールにでも行って来よう。







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『 最近頭に来た話その2・後編 』
2004年06月18日(金)


さて、このマネージャー。
初日にチーフに連れられて私のお客様のお土産を買いに行ったのである。
『なおさんのお客様のお土産はだいたいここだから。』
と、お店の場所は勿論、お土産の取り合わせもこうだから、と商品の内容までチーフが教えてくれていた。


で、その翌々日。初日と同じお客様がいらした。
この方は例の新幹線で通ってくださる社長でタイムリミットが早い方なのだが、大阪におられる時は10分でも30分でも顔を出してくださる。
故に私はいつも、この方のお土産はお顔を出されたなりクロークに頼むのだ。

この日もそうして私は席に付き、接客をこなしていた。
チーフはマネージャーにお遣いを頼み、私は彼に財布からお金を出して、念のためにお土産商品の確認をもう一度して送り出した。

そしてそのお客様のチェックが入り、クロークに伝えるとマネージャーがまだ帰って来ていないんです、とチーフが申し訳無さそうに私に告げる。
はあ?なんで?だって随分前に出たでしょう?おかしいじゃない。・・・・なんてやり取りをしてると店の電話が鳴る。

マネージャー君、のんびりと『どれとどれでしたかね?』と聞いているらしい。応対しているのはチーフ。私はすでに切れかかっていて、何でもいいから早く持って来て、と横で言う。
あの店なら走らずとも5分もあれば帰って来れる。今ならまだ間に合うだろう。
・・・・と、思っていたのにこれが帰って来ない。あんなに急ぐように伝えたのに、それでも帰って来ない。連絡も無い。そのうちお客様はタイムリミットがあるのでもう出られてしまった。


見送りを済ませ、青筋立てながら店内に戻ると奴はまだ戻っていない。
と、思ったら背後からドアを開けてマネージャーが帰ってきた。
怒りたいのは山々だが、取り敢えずパンをひったくって御堂筋に向かってダッシュする水上。今ならまだ、タクシーに乗る社長を捕まえられるかも知れない。

幸いにもお土産をお渡しすることができ、はあヤレヤレ、と思って歩いて帰ろうとしたら、別の自客がまだ店内に居ることを思い出しまたダッシュ。
10センチヒールでデカイ女がダッシュ。往復ダッシュ。
見ている人は怖いし、さぞかし迷惑だろうなあと思いながら。


残った方のお客様はご機嫌が悪い。そりゃそうだ、口座の私が長々席を外しているのだから。ご来店されてからまだそんなに経ってないのにもう帰るとチェックを入れていた。
裏で起こっている事情を知っているお姉さん方が繋いでくれていたのだが、それももう限界が来ており、危うくお客様の怒りが怒髪点に達する所だった。

クロークでそれを聞いた私は化粧直しもそこそこに席に向かう。怒られることを覚悟しながら。だがそこで髪の毛を振り乱し、息を切らせた私が席に現れたので、お客様の方がかえって心配して下さり気を使っても下さった。
申し訳ない。こんなんだったら怒られたほうがマシだ・・・・。


そのお客様を見送って、店内に帰りほっと一息。
そこでマネージャー君が『なおちゃん、すいませんでした。』と声をかけてきた。
ぷちぷちどかん。水上の堪忍袋の破裂はクロークにオーナーママやチーフや社長が居ようが、止まる事は無い。

『なんでそんなに使われへんねん、あんた!
 たかだか歩いて5分の店に物を買いに行くのに、
 なんでこんなに時間がかかるんや!
 待機中にくだらん愛想振る前に、
 一度人に教えられた事は身に付けぇや!
 あんたは接客業でメシを食う気なんやろ!
 それやったら狭い新地の地図くらい頭に入れとけ!ボケ!』


広めの店で良かった。
賑わっていて良かった。
普通ならここまで言えない。


オーナーママも私が怒ったのを初めて見たらしく(そうだったかな)ちょっとビックリしている。まあいいや。なんて思われても今回は引き下がらないぞ。
当のマネージャーはオロオロとしながら裏へ消えていく。35歳の行動とは思えないみっともなさ。若造の黒服ならまだ見込みもあろうが、35歳にもなってこの態度ならもう見込みなし。怒るだけ労力の無駄である。

そう思った私は、切り替えて忘れる事にした。
楽しく接客をして、存分に働いて家に帰る。


翌日、出勤するとマネージャーがまた謝ってくる。
『なおさん、昨日はすいませんでした。』と。
・・・・。
・・・・。
ほう。昨日までは『なおちゃん』だったのに今日から『なおさん』かよ。
つまり昨日までは私の事は見くびってたわけね?

なるほど。そりゃあ尚更気にいらねえな。
私はこういう奴が一番嫌いだ。
あまりにも頭が悪すぎる。


『あ〜はいはい。もういいから。頑張んなさいよ。』
馬鹿を相手にしている暇も無いし、労力が勿体無い。

こうなると私にとって彼はアウト・オブ・眼中で、どういう行動をしようと一切気にならない。無視をするという高尚な行為も無くなり、私の中で彼は玄関マット以下の存在になっていく。
冷たくて陰険なのだ、私は。


で、その3日後。彼は突然店を辞めてしまった。
何でもあるお姉さんを怒らせ、また叱り飛ばされたらしい。

『へえ。なんで辞めたの?』そう聞く私に社長は言い難そうに答える。
『う〜ん、ここは姉さん方が怖いんだってさ。』と。

『ふ〜ん。うちみたいな生ぬるい店でそんな事言ってたら、
 他所ならどうすんのよ、ねえ?』
『ねえ?もっと厳しいのにねえ。』

『私がキレたせいかな?』
『いいんじゃないの?後から聞いたら・・・・お土産事件の日、
 他所の黒服と喋ってて遅くなったみたいだから。』


『にゃ、にゃんやとぉぉぉ〜〜〜?
 あ、あのバカ。呼び出せ〜!殴らせろ〜〜〜!!』
笑いながら言う私。

と、後ろからお姉さんが来てドスの効いた声で私に一言。
『その時は私も行くから呼んで。あのアホ、許さん。』

その後社長はそのお姉さんに拉致された。

黒服の面接は社長がするので、こんこんと説教でもされるのだろう。
しぼってやって下さい姉さん。バカは雇うなと。

あれからまあ、のんびりと事は運び順調に行っている。
頭にくる事も、そんなにあるわけではない。


もともと私は温厚なのですから、怒る事は少ないのです。


え、ホントですから。
えっ。






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『 最近頭に来た話その2・前編 』
2004年06月16日(水)


マネージャーなるものが採用されたんだけど女の子からはブーイングの嵐。
今のスペース&仕事量にもう一人男性スタッフなんて要らない、と。
私的にはどうでも良かった。私が給料を払ってるんじゃないし。


だがコイツ、どこかおかしい。

まず異常に馴れ馴れしい。
ミナミのある有名店に居たらしいのだが、私がミナミの某店出身であることを聞きつけるやいなや、急にベタベタと纏わりつき出した。

奴が採用された初日と次の日、暇な中に何名様かで私のお客様がいらしてくれたので、奴にしたら私はやり手ババアのように写ったのかもしれぬ。
次の日出勤すると急に媚び媚びモードになっていた。呼び方も急に『なおちゃん』である。媚びているのだがそのわりには礼儀がなっていないと言うか、次長や社長でさえ『水上さん』とか『なおさん』なのに、何とも素っ頓狂な対応である。


この辺りでもうはや個人的には失格の感だ。
私という女は女の子には優しいのだが男性スタッフには恐ろしく心が狭い。

特にこの業界の男は口先ばかりの人間が多く私の神経を逆撫でする奴が多いから、女の子とは一切もめないのだけれども男性スタッフや幹部とはよくもめる。
礼儀作法のなってない男には特に厳しく心が狭い。一度若い黒服に『それって逆差別じゃないですかぁ!』と泣かれた事もあるくらいである。


だが、決して逆差別なのではなく理由があるのだ。
夜の仕事に従事している黒服さんには肝に銘じて欲しいのだが、ああいう世界は男尊女卑で当たり前なのであり、その世界に好んで遊びに来るという事はお客様自身、そういう傾向の人が多いのだと云う事だ。
女性らしさを味わいたかったり、自分のステイタスを確認したかったりするのだから。

男尊女卑というと聞こえは悪いが、女性は庇わねばならない生き物だという考え方が根強いぶん、一生懸命な女の子は少々礼儀作法が悪くても暖かい目で見てくださる。
だが相手が男となると話は別だ。

ましてや経営者や重役、管理職の方々ばかりなのだから、男性を見る目は普通の男性よりも厳しい人々の集まりだと言っていい。
そういう方々の前で踏む失敗は、男の方がむしろ致命的なのである。


私も女性陣のフォローはいくらでも出来るのだが、男性スタッフのポカは庇いようが無い。何故ならばオーナーママやチーママクラスならば男を庇っても許されるが、私が黒服を庇うのは女性としておこがましく出過ぎた女という評価が下ってしまうし、庇われたスタッフの男の値打ちをもさげてしまう事になるからだ。

我々女性が様々なリスクを背負いながら積み重ねてきたものを、何度と無く台無しにされてきた私のようなホステスは多いだろう。
それゆえ、厳しくなってしまうのだと思う。


私のお客様はよくこうおっしゃる。

『自分が経営者になってしまうと何処へ行っても心から楽しめなくなる。
 ここは採算が合っているのか、従業員の採用基準は何か。
 将来にどんなビジョンを持って運営しているか。
 
 こういうお店では表に出る女性よりもむしろ、
 縁の下の力持ちである男性スタッフが目に付く。
 どんな仕事でも裏方の方が大変だと思うから、
 どんな男性スタッフを置いているかは経営者への評価にもなる。
 同じ経営者としてダメな人の店では飲みたくないね。』
と。


で、冒頭のマネージャー。
よりによってこの発言をした私のお客様にポカをかました。

女の子相手にゃ膨らむだけの堪忍袋も、男相手には爆発する。
長くなるので続きはまた次回に。





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『 最近頭に来た話その1 』
2004年06月15日(火)


最近クビになったある子の話なのだが。

顔はまあ・・・・コロッケに似ているのだが。それはまあいいとして。
この子ってば初日にいきなり私のお客様に向かって、

『私ぃ〜、素敵な人に会って、その人の愛人になりたいから勤めるんですぅ。』
とおっしゃった。


むはぁ〜〜?何ですか、そりゃ。
である。

何でも彼女が言うには、お金持ちで男前で可愛がってくれる人を探す為に、その為だけに水商売をしたいのだとか。
はあ、まあそうですか。そりゃあまあ、ご勝手に。
と、思っていたのだが。


そこにお客様のお土産の名古屋名物手羽先がテーブルに出てきた。
『さあさあ、お上品に食べたってしょうがない物だから、手掴みで食べてよ。』
そりゃ、お客様はそう言うわな。

だからってコロッケちゃん、ニチャニチャいわせながら本当に手掴みで食べているじゃないか。もおおお勘弁してくれ。
しかも前のめりになりながら、肘を自分の太腿に当て、口のところにずっと手羽をあてがったまま。勘違い女がよく『これって可愛いはず』と思ってする仕草である。

いや、喰っていいんだよ。手羽先は。どんどん喰ってよ。
でも千切って口に運ぶなり何なり出来るだろうってばよ。

どんどんにちゃられていく手羽先。
そして彼女の前にあるガラ入れがてんこ盛りになった瞬間、水上の堪忍袋はパンパンに膨らんだ。

すぐさま次長を呼んでチェンジ。
こりゃあ、あまりに酷すぎる・・・・。


その後で裏に行くと、次長が私にどうしたの?と聞いてくる。
余程の事が無ければ女の子のチェンジは申し渡さない私が、怒った顔でチェンジを告げたものだから不思議に思ったらしい。

『どないもこないもあるかいアホンダラ。頭数ばっかり揃えてどないするねん。
 最低でもテーブルマナーぐらい出来る子を採用しろやボケ!!』
(うちの人事は次長の管轄なのです)

水上は日頃関西弁をあまり使わない。店が「禁止に近い店」なのもあるが、私の関西弁は泉州混じりなのでドスが効き過ぎて異質なのである。
それをスタッフも解っているのか、私が泉州弁混じりの発言だと本気で怒っていると把握してくれる。


酒商売なんだからそんなに堅苦しい事は言わない。
だが誰が見ても不快な行為は、どんな場所でも行ってはならぬ。

それから彼女は何日か在店していたが、いつの間にか居なくなった。
居なくなる前にコロッケちゃんは『水上さん〜、私ぃ〜、いい人見つかりますかね〜?』としつこく聞いてきていたが、私は『自分を磨くのを先に考えたほうがいいんじゃない?』とだけ告げてお茶を濁していた。

で、昨日。
オーナーママに『コロッケちゃんは?』と聞いたら、
『あかんわ。あんな清潔感の無い子。クビやクビ。』


ん〜まあ、世の中はそんなもんでしょうな。
いい人探す、愛人にしてもらう、その為に水商売がしたい、・・・・その努力を少しは別の方向に持って行ってくれることを願います。

勤められなきゃ話になんねえんだよ。
オミズくらい、だと思ってるんなら。






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『 子鹿の目をした鬼畜な男と午後のお茶会 』
2004年06月13日(日)


土曜日の午後、赤丸急上昇中のHさん(ここ)から電話。
『今から会社に行って書類整理をするんだけど、
 一時間くらいで終わるから・・・・なおちゃんお茶でも飲まない?』とのお誘い。

土曜日は大抵電源を落としているのだけれど、うっかりしていた。
さして理由も無いし断りにくいから『夕方までしか時間がありませんが、それでも良ければ・・・・。』とお受けすることにした。営業、営業。
(いつまでも「Hさん」と書くのもおかしいので、ここからは林さんと書くことにします。)


さて、林さんが車で天王寺まで来てくれる事になったので、お化粧をして向かう。気乗りしておらず、またさほど気合いが入ってない私は、髪の毛を余りいじらずに行った。
だが喫茶店に入ると、その髪の毛をいじらなかった事を非常に後悔する。

周りの女性も男性も林さんを見ている。
ああそうか、この人もオトコマエだもんねえ・・・・。
やだなあ、髪の毛くらいキッチリ結ってくれば良かった。


オトコマエにも色々あって、真田さんのように男らしい逞しさのオトコマエも居れば、この林さんのように繊細そうで線の細いオトコマエも居る。

私は夜にスーツを着ている彼しか見たことが無かった。
185センチの身長に小顔、広い肩幅の彼は、スーツを着ると線が細いという印象は薄い。
だが今日の林さんは『書類整理だけだから会社は休みだし、スーツじゃなくていいから。』と言って、Gパンに白いTシャツ、帽子を後ろ手に被ったラフなスタイル。
スーツに守られていないその体は、やはり少年のように線が細い。


『林さん、そういう格好してると凄く若く見える。
 私、何だか横に居るのが恥ずかしいんですけど。
 やり手ババアと若いツバメって感じで。』

そう言いながらふと、横に座ってる女の子の会話が耳に入ってくる。
彼を見ながら窪塚に・・・・、窪塚に・・・・、とヒソ盛り上がり。
ああそうそれだ。以前から誰かに似ていると思ったら、この人は例のジャンパーに激似だ。

それを告げると、『ちょっと前まではそれを言われても少し嬉しかったんだけど、最近は余り嬉しくない。』との御発言。そりゃあまあ贅沢なことだね。


『いいじゃないの、綺麗な顔って事なんだから。』と言い、その言葉を言いながらふと、自分のその口調がお姉さんモードに入っているのに気付く。
イカンイカン、林さんは確か年上だし・・・・それ以前にお客様だ。

だけど今日のようにラフな格好をしていると彼はとても子供っぽく見える。
声も少し高めだし、10歳は若く見えるんじゃないかな。
とても何千人の中のトップ10に入る有能営業マンには見えない。


水『・・・・林さんってさ、詐欺師になれば大成してるよね。』
林『はあ?なにそれ?』

水『結婚詐欺師とか。あと、ホストだとナンバーワンになれるよね。』
林『・・・・う。ホストになれば儲かるとは、今でも言われたりする。』

水『本当に綺麗な顔してるよね〜。シミも無いし〜、肌も綺麗〜。』
林『・・・・でも、なおちゃんは男として興味ないんだよね、俺のこと。』


うん。

と言いかけて、これは仕事絡みのお茶会なのだと思い出し、そんな事は無いですと慌てて告げた。油断しすぎです水上。すると彼は笑って『いいよ、無理しなくて。』と爽やかに答えた。


やはりそういう事は解るのだろうか。
不思議に思って聞くと、彼は笑って答える。

『だって、俺に恋をしてくれてる目じゃないもん。
 俺ね、まだ関東に住んでたとき(彼は東京人)同時に8人彼女が居て。
 だから何となく女の子の事は解るよ。』

は、8人ってアナタ。そんな繊細そうな外見で何と鬼畜なセリフを・・・・。
子鹿のような目でイキイキと、8人の彼女のデートパターンやサイクルを話されても。
いやはや、人間ってのは解らないもんですねえ・・・・。


『そ、そういうのってどうなのよ?罪悪感とかは無いんですか?』
『そりゃああるけど。でもそれぞれが本当にいい子だったもの。選べなくてさ。
 あの頃は人生で最大のモテモテ時期だったね〜。
 健全な男の子としちゃ、あの時期にはキバらんといかんでしょう。』

『そんなもんですか。』
『そんなもんですよ。』


まったりとお茶を飲みながら、続いて尋ねる。

『つまり、林さんは御自分の顔の良い事は自覚されてるんですね?』
『・・・・う〜ん?どうなんだろ?・・・・ただ免罪符的な物はあるかもね〜。
 アイツだからしょ〜がねえかみたいな。軽そうっていうのかな。
 自分では顔がイイとまでは思わないよ。』

『や、やな性格ですね?』
『うん。俺わりと性格悪いんじゃないかな。色事に関しては。
 それ以外はごく平凡かもしれない。でも8股ってそんなに悪いことかな?』

そ、そんな事を素で聞かれてもなあ。しかもそんな子鹿のような目で。いや、8股でもバレなきゃ無いことと一緒かな?どうなんだろ。そんな高度なワザには関わった事が無いし解らないな。でも自分で性格が悪いって言っちゃうところは可愛げがあるかな。

うん、この人は思った以上に面白い人かも知れない。
GTO時代のジャンパーに顔がそっくりで、線が細そうで子鹿のように純粋そうな眼差しをしているのに、とんでもなく鬼畜な行動と発言。
う〜ん、面白い。


心の中でそう呟きながらお茶を飲んでいると、林さんが私の顔を覗き込む。
『良かった。』そう言いながら。

『え?何ですか?』私がそう尋ねると、子鹿のような目を輝かせながらニコっと笑い、長くて綺麗な指で珈琲カップを弄びながら彼は言う。

『なおちゃん、やっと俺のこと男として興味を持ってくれたねぇ。』
『・・・・。』
『これから「は」、よろしくね。』


いや、恐れ多いんで。
カンベンして下さい。






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『 プチ痴話喧嘩な私達 』
2004年06月12日(土)


最近真田さんの機嫌が悪い。
それはまあ私が悪いのだけれども。

こういうあやふやな関係って、介在する気持ちもあやふやで、お互いがケジメや決着を付けられないからかえってタチが悪かったりする。


先日弟分と朝まで飲んだ話をしたら、また『心中穏やかじゃない』みたいな事を言われた。私としたら弟が連れて行ってくれた南堀江の店の雰囲気が良くて、いつか二人で行けたらいいねという気持ちで話したのだが、真田さんにしたら『朝まで』フレーズの方が堪えたらしく、『弟分とはいえ男と朝まで過ごすなんてどうなんだよ?』とかなりピシっとカマされたのだ。

もうね、そこまで言われたら私も大人気ないんだけれども、じゃあ誕生日くらい一緒に居ようかって言えないの?・・・・とか言っちゃったりして。
そんなの無理だよ、大阪に居ないって知ってるだろ、大阪だったら一緒に居ようって言うに決まってるじゃないか、とか返されたりして。

プチ痴話喧嘩状態。子供の喧嘩みたいな状態。
でも悲しいかな二人とも大人だから、お互い理論武装してるのが掴めるだけに突っ込めなくて、変に気まずい沈黙が続く。


だいたいお互い彼氏彼女でもないのに、どうしてそこまで言われなきゃいけないんだろう。・・・・そんな疑問を持つことは私にはどうも許されないらしく(何故だぁ)、最近微妙な範囲で彼に束縛される事が多い。

これってひらたく言うとお互いの甘えなんだと思う。
お客様だけで在る時期は、こちらもそれなりに遠慮もあるし向こうも言葉を選んでくれる。だけど真田さんとは店で会うより昼間の少し開いた時間に会ったり、メールや電話で時間を重ねる事が多い。

私も向こうもお互いの良いところや悪いところまで見えて、尚且つそれでも相手が必要だと思う段階にきているのだ。
もう私にとって彼はお客様ではなく、彼にとって私はホステスではなく、お互いが微妙な距離の友人の位置に変わってしまったのだと思う。
これはこれで良い事だとは思う。思うのだけれど・・・・。


多分私達はお互いがお互いを凄く好きだ。
男であるより、女であるより、その存在よりずっと好きだ。
それを解っているからこそ、お互いがもどかしくて仕方が無い。

彼が本当は何を言いたいかはよく解っている。
『弟分とはいえ他の男と朝まで過ごすなんてどうなんだよ?』
なのだろう。

私とて逆の状況であればいい気はしないし、今回のようにプチ痴話喧嘩になるかも知れない。いやでも性格的にあまり喧嘩になんないかもしれないなあ。黙り込むタイプかな。う〜ん、う〜ん。


もう厄介だなぁと思う。
真田さんが、ではない。
自分の気持ちが、だ。






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『 この時期に北新地が暇な理由 』
2004年06月09日(水)


暇です。どうなってるよ、おい。
お店も久々の閑古鳥。

だが実はこの時期の新地は、結構暇だったりする。

何故ならばもうじき大きい企業の『株主総会』が控えているので、この時期はどうしても内部から経費の締め付けがあるのだ。
営業さんもこの時期は苦しいのだろうな。こういう部分をピックアップすれば、飲み屋として個人業主を抱えているぶん、ミナミの方が有利かもしれない。

だが裏を返せば、この時期に暇な店はそれなりの企業が使う店だとも言える。筋がいい、とまでは言わないが年間を通して安定している、とは言い切っていいだろう。


北新地でホステスをするなら、この辺りの事を読んで営業しないと波に乗れないだろう。この時期に温存しておける個人業主の方々を、何名か押さえておくのは大事な事だ。

それは勿論、この時期だけでなく決算や何やかんやもあるのだが、一番いいのはその企業の年間スケジュールを押さえておく事だろうか。
もっと良いのは個人的なスケジュールを押さえるのがいい。
『誰が』『どの時期に』『どれくらいの枠で』ハンコを押せるのか?を把握するのが、この職業の第一歩だと私は思う。


酔っ払って朝方に帰ると、通りに今までの4分の1の量のゴミしか出ていないのに愕然として、回っていた酔いも一気に醒める。

どこも暇なんだなあ・・・・。
苦しいのは一緒だなあ・・・・。


だからこそ今しか出来ない事もある。
まだ週の半分だ、頑張ろう。






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『 お昼もお得なネオン街 』
2004年06月07日(月)


あ〜金曜日は久し振りに朝まで遊んだ。
何だか最近は南堀江や四ツ橋の方にミナミや新地より小洒落た店があるなあ。


朝まで遊んだのに、土曜日はまた朝から出かけた。元気すぎる私。
せっかくの休日に寝てるのが勿体無いからなんだけど、さすがに貫徹に近い状況に体がちょっと疲れたので、心斎橋の日航ホテルの裏に在る清水湯で一休み。一応下着を持って出て行ったので、どの銭湯にでも行ける。

ミナミの道頓堀やアメリカ村界隈には銭湯が沢山あって、私は買い物に疲れたり汗をかいて気持ち悪い時は、遊んでいる場所から一番近い銭湯に行って休むのだ。
さすがに道頓堀ウィンズの裏に在る銭湯などには行く気がしないが、立地的にはあの場所が一番繁華街に近く穴場かもしれない。


人混みが苦手なので戎橋商店街ではなく一本堺筋の方向に入った通りを歩く。昼間でも飲食店は営業していて、結構良いお店がお得なランチコースなどをやっている。
中には『へええ、こんな良い店が?』と思うような店も在るからビックリ。ランチなどはきっと採算度外視なんだろうなあ。でなければ昼の繁華街から外れているのに、人件費などを考えると店を開けるだけ損ではないか。

最近は鰻谷や清水通り界隈にも飲食店やバーが増えたし、ちょっと良い店は道頓堀川から遠くなっている。
美味しいもので尚且つゆっくり食事を採りたいなら、商店街の近辺や道頓堀辺りで探すよりもこちらの方がお薦めだ。
土日でも比較的ゆっくりと食事が出来る。


それは北新地でも同じで、夜はお高いステーキハウスが昼は落とし肉を自家挽きしたミンチ肉を使ってハンバーグランチをしていたり、筋肉を使ったビーフシチューランチやカレーライスを安価で提供していたりする。
これが非常に美味しいし、また夜には出てこないメニューもあって、昼にしか存在しない楽しみもあるのだ。

特に北新地は『新地値段』と言われるほど夜のご飯は値段が高く、昼間の世界の方がプライベートで行くには勇気の要る値段だったりする。
だが、こんな風に昼間にランチを行っている銘店もあるのだから、一度足を運ばれてみては如何だろうか。

梅田駅界隈より少し遠くなるが、その値打ちはあると思う。






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『 語学は気合いと一期一会  』
2004年06月03日(木)


あまり語学には自信が無いのに、外国人のお客様が来るといつもテーブルを任される水上です。皆様こんにちわ。

何なんでしょうか。どうしろっていうんでしょうか、私に。


で、英語圏ならまだしも、昨日は韓国の不動産関係のお客様がいらしたんですよ。ハングル語ですよ。ハングル語。あにょはせよ。わっかんね〜よ。
それにしても新地にて韓国の方がお遊びになるのは珍しいのじゃないでしょうか。どちらかと言うとミナミの方が韓国系のお店が多いのですしね。

ハングル語は少ししか喋れないので困っちゃいました。でもまあ韓国の方も英語が堪能な方が多いので、ハングル語がダメでも英語で何とかなるもんです。

いつも感心するのは、韓国の方のほうが英語においての文法がシッカリしているということ。これはひょっとしたら日本とは英語教育の形態が違うのかも知れません。
実際その方のお話によると、日本よりは早い時期に英語を学校で習うらしいです。
私の方はコテコテいんぐりっしゅなんですけど、向こうは流暢ないんぐりっしゅ。いや〜感心しちゃいます。


最終的にはお互いが言いたい事を伝え合え、楽しんで戴けたと思います。
何だか妙に盛り上がって、アフターまで行っちゃいました。出先でオネエチャンと喋るのに『ナオサン、ナオサン』と何故か私を巻き込む始末。通訳じゃねえんだってば、私は。

話題も『韓国の新羅ホテルの従業員はすっげ〜カッコイイ男性が多い』とか、『新羅ホテルにはマイケルビビンパがある』とか、『マイケルビビンバを頼んだら無表情な新羅のオネエチャンがムフッと笑った』とか。
インチョンはレートが高いからカジノはウォーカーヒルの方が好きとか、釜飯が美味いとか、肉のタレが甘いのは嫌だとか、胡麻油使わせたら韓国人は世界一だとか、きゃあきゃあ結構くだらない事を話して盛り上がってまして。楽しかったです。


オーナーママが後から私のことを『なおちゃんはどの席を任せても何とかする子やね。頼りになるわぁ。』とおっしゃっていたそうですが、私に言わせるととっつき難い偏屈な日本人のお客様より、『解り合おう』としてくれる外国のお客様の方が、ずっとずっとやりやすいのです。
言葉の壁は、心の壁を作らずに済むのですから。

一度、コンゴの方とも御会いした事があるのですが楽しかったです。
キリンって食えるの?とか聞いたら思いっきり笑われて気に入られて、『嫁にする〜』とか言われてしまったり、怪しい絵の入ったお守りを戴いたり。


今回は単独で他店の紹介でいらっしゃいましたから『接待』では無かったんですけれども、日本企業の方が接待で外国の方を連れて来られる事もあります。
『だから語学は大事』と言ってわざわざ習いに行く人もホステスさんには多いのですが、もちろん、喋れるに越したことはないのです。
ですが私には・・・・喋れる云々よりも持成しの心、気合いで解り合おうとする姿勢、その方がずっと大事なような気がします。

私が彼等なら、堪能でソツのない人よりも、たどたどしいながらも一期一会を大切にする、そんな人との方が思い出に残るものですから。


言葉の前に、やっぱ気持ちですよね。





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『 マジ口説きされても  』
2004年06月02日(水)


最近マジ口説きされて困っている。
マジ口説きと言っても色々あるのだけれど。

数打ちゃ当たるというのではなく『本気でヤリたい』とかも、ある種の人にはマジ口説きに入るのだろう。そんな事を言えば男は皆本気で女を口説いているのだろうけど、今回はそういう範囲の本気ではない。

問題の彼の何がどうマジなのかというと、この業界の客にありがちな『自分の気持ちを押し付けてくる口説き方』ではなく、私を思い遣った上での口説き方、をする部分がマジなのである。

ひらたく言うと、私に『嫌われたくない』オーラが出ていてちょっと困っているのだ。


正直に言うと、私はこういうのが一番苦手だったりする。

客商売としてお金を戴いているのが前提にある以上、無理難題を言われてしまうのが当たり前なのだし、それをどうかわすかがホステス業だ。
それを、自分がホステスだからってこんな口説き方をされる謂れは無い、そんな風に考えるほうが客の立場から言わせると『オメェおかしいんじゃないの?』である。

どんな出来るホステスでも、最初は皆色気や魅力なのを、人間的な関係にまで持って行く努力を重ねる。
自戒も含めて書くと、女ではなく人としての方向に持っていけないのは、ホステスの技量や人間的魅力が足りないのだろう。

何故ならば、この手の店には商売として成り立つ金銭の流れが法則としてあるのだ。男たちが金を払うのは酒のためだけではなく、色の為にも払うのだから。
そしてホステスは自分が金のためであろうが、選んで好んでその業界に準じて身を置くならば、相手に慄然さを求めるのは、それこそお門違いなのである。


仕事と感情にキッチリとラインを引いてこそ、だ。
この理念は私がプロとして接客するには必要なものだし、持っていないと逆に金銭を払うお客様に申し訳が無いから捨ててはならぬと思っている。

だが時にこうやって私の内面に準じようと身を投じてくる人が居る。
人間としても見ました、でもやっぱり女性としても貴女が好きです、という人が。
無理も言いません、だからちゃんと一人の男として見て下さい、と。


これが実は凄く困る。
私が仕事だけをしようとしているのに、『貴女の仕事も内面も全て含めて全てを受け入れるから』という人がたまに居るのだから。

私の方が困っている時点で既に関係は成り立たず、向こうからの気持ちの押し付けなのであろうが、これがまたあからさまなタイプの人より難儀であったりするのだ。



真田さんとは最近こういう内面的な話をするのだが、私の傾向について面白いことを言われた。

『なおちゃんは接客業馴れしてるんだけど、余り男性に免疫が無いのかもね。
 だからこそ、接客と普段の関係の白黒を付けたがるのかも知れない。』

ほほほほうぅ。
なかなか鋭いね。

これはきっと当たっている。私は人間付き合いが苦手だから、接客業という鎧を理由付けに、男性にむかって自分の内面を近づける事を避けているのだ。


『でもそういうのってこっちの気持ちに凄く鈍感だとも言えるね。』
彼は続ける。

『口説かれてる話をされて、俺だって心穏やかじゃないよ。
 なおちゃん、それに気が付いてないでしょう?』
溜息まじりに苦笑いしながら、私の顔を覗き込む。



自分の気持ちを押し付けているのは私だな。






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