日々記
もくじかこみらい


2009年04月28日(火) ちりも積もれば

いつまでも中・高・大学時代のノートが捨てられずにとってありましたが、この春にほとんど処分しました。部屋が広くなりました。
今回の話はそのノートの端っこに書いてあったフレーズから。
授業中ってネタの宝庫だったんだなぁ。
めずらしく季節にあった話を書きました。
自分に蓄積されたものを削って、という気持ちで前までは創作していたんですが。
掘り起こされて自分にプラスになるものもあるんじゃないかなと思った次第です。


☆本日の感想

松村栄子さんの『雨にもまけず粗茶一服』

「これからは自分らしく生きることにしたんだ―」
武家茶道家元の後継者、友衛遊馬18歳は、そう啖呵を切って家を出た。
けれど、やりたいこともやれることも特別持たない遊馬はいきなり途方に暮れてしまうのだった。


遊馬さんがとてもユニークで素敵です。
いまどきの若者らしいダメ人間でありながら、18年間家元跡継ぎとして育ったものが根本にある。
違う道を進もうとするたびにふとそれが顔を出して、彼はとても嫌がりますが、私なんかはうらやましく読みました。
また彼の取り巻きである登場人物たちがみんなとてもユニーク。
そんな環境で育てば、失敗しても自信を持って前に進んでやり遂げてしまう、そんな不思議な遊馬さんの器の大きさにも納得です。

ひとつのことに打ち込むことは、たとえ将来違う道を選んでも根っこになっていて、自分を救ってくれるんだろうなと思いました。





2009年04月21日(火) 平均点

おおひさしぶりにまともな更新ができそうだぞ。

書く余裕も読む余裕もここ最近持てなかったのですが、ちょっと気持ちの有り方が変わってきました。
読みたいものも書きたいものがはっきりしなくてもやもやしてたんですが、そのままやってみるのもいい、
……というような気がしてきました。
100点とるのは難しいですが、80点くらいならたぶんきっと。
平均点を目指して創作活動を続けていきたいと思います。



☆本日の感想

宮部みゆきさんの『英雄の書』

友理子の中学二年生の兄・大樹がクラスメイトを刺し姿を消した。
その日から友理子の世界は一変した。
なんで兄がこんなことを。兄との思い出を振り返るうちに、友理子はあの夜のことを思い出す。
「君のお兄さんは“英雄”に魅入られてしまったのだ」
本棚の書物たちは語り出す。英雄の物語を。
兄を探すため、友理子はすべての物語のはじまりの場所へと旅出つことに。


「本」って存在が好きな人にはたまらない舞台設定じゃないかと思いました。
創作の世界が実在していてそれぞれが繋がり、影響しあう。
なんて面白い設定なんだ。
でも正直なところもっとじっくり描いてほしかったかな。
作中作をもっと掘り下げたりとか、もっとたくさんの「書」が出てきてもいいんじゃないかとか。
いろんな登場人物が交錯するような話が読んでみたいです。
なんとなくこの後に続いていきそうな、宮部さんのファンタジーにはいつもそんな余韻を感じます。


2009年04月12日(日) 花丸

最近の私には花丸をあげたい。
よくがんばりましたで賞でもいい。


☆本日の感想
伊坂幸太郎さんの『ゴールデンスランバー』

 仙台での凱旋パレード中、新首相が暗殺された。
 同時刻、元宅配ドライバーの青柳は旧友と再会をはたしていた。
 友人は記憶の中の口ぶりどおり話し、そして警告した。
「おまえは陥れられている」
 訳のわからないまま車を降りると警官が拳銃を持って追いかけてきた。
 そして翌日、報道でアナウンサーは語った。
「首相殺しの容疑者は元宅配ドライバーの青柳雅春―」
 友人の声がこだまする。
「無様な姿を晒してもいいから、とにかく逃げて、生きろ」


やっと読めました。おもしろかった!
重力ピエロは映像化不向きだと思いますが、これは向いていそう。映画化楽しみです。
相変わらずの伏線の回収ぶりも気持ちよかったですが、登場人物のテンポのよい会話がとても気に入りました。

「課長!有給休暇これから取ってもいいですか」

一度きりでもいい、言ってみたい。


2009年04月07日(火) ちいさな図書館

部屋の改装もサイトの改装もまったく進まない。
双方とも、やりたいことではなくやらなければいけないレベルに達しているんですが、遅々として進みません。
得意技は現実逃避です。
図書館で予約した新刊本が続々と入ってきていて、その返却期限に気をとられています。
うまくいかないもんだ。

新しい本棚は、私の父の妹の息子さんのお嫁さんのお父さんが日曜大工が趣味と伺ってお願いしたら、かなり立派なものが届きました。
職人さんってすばらしいなあ!
部屋の形に添って作ってもらったので収納力抜群です。千冊くらいは入るんじゃないかしら。
倉庫に入りきりになっている漫画本やらにやっと光明が。
ありがとうおじさん。

そういえばこの間国会図書館に行って、地下8階立ての閉架書庫に入る機会があったんですが。
「ほしいものは?」と聞かれて、「国会図書館!」と答える読書家さんたちの気持ちが少しわかりました。
りぼんが創刊号から並んでいたよ!すごいよ!
たぶんそういう使い方をする図書館じゃないんですが、ともかくおもしろい場所でした。
東京に住んでいたら毎週通うんだけどな。

近くになくてよかったです、はい。


とりあえず我が家の小さな図書館を完成させるのが目下目標で。
サイトのほうもふくめてがんばります。


金田・藍 |MAILHomePage

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