日々記
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ふってふってゼリーにはまっています。 おなかにたまっていい感じ。
☆久しぶりに気に入った本のメモでも。 最近はもっぱら短編集ばかり手にとってます。読んだ順番に。
小川洋子さんの『海』 知らない誰かと知らない誰かがすれ違う、7つのお話。
恋人の実家で、彼女の風変わりな弟と同室で眠ることになった夜の話。 ウィーンのホテルで同室になった女性に付き合って、昔の恋人のお見舞いにいく話。 和文タイピストの主人公が、タイプの活字管理人に出会う話。
など、どれも印象的でしたが、ひときわ短い缶入りドロップという話が好きでした。 ワンエピソードから話が膨らんでいく。そんな無限のイメージの話がつまっていました。 小川さんの話は不思議な浮遊感がありますね。 つまらない日常が非日常に変わる自然さがたまらなかったです。 本の世界に逃げ込むのに最適。
中田永一さんの『百瀬、こっちを向いて。』 中高生の恋愛短編小説集。
クラスの最低レベルの男子である僕は教室の片隅で小さくなって生きていく。 その世界は強固のもののはずだったのに、学校中の人気者であり幼馴染である瞬兄ちゃん、に紹介された百瀬によって完璧に壊された。
タイトルが賛否両論のようですが、私はとても好きです。 自分に限りなく自信のない主人公がぎりぎりで使えるラインにある言葉だと思うのです。 そう思うといとおしい。 実は覆面作家のようなんですが、噂を信じるとするとこの作者が書く卑屈すぎる主人公は曲がりすぎていて純粋で好きです。 女の子バージョンの「小梅が通る」という短編も痛快で面白かった。
書いていたら思ったよりも長くなったので、続きはまた後日。
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