日々記
もくじかこみらい


2004年10月31日(日) とうといもの。

イラクの拉致事件、胸が痛いです。
台風や地震のような自然の容赦のない力によってより、同じ人間の力によって失われてしまう命の多さに、ときどき、愕然とします。
言葉が思いつきません。ただ哀しいです。


崩れた崖の中から救出された小さな命は尊いものではないのでしょうか。


2004年10月30日(土) ハロウィンってなに。

雨の中、大学祭にひやかしに行ってきました。
ホットサンドもほうじ茶もおいしかったです。
きき茶なるものにも挑戦してみたのですが、「この爽やかなノド越しは……烏龍茶だ!」ぐらいしかわかりませんでした。お茶タダで飲めてラッキーでした。


NBAに挑戦中の田臥選手。
バスケットボールって、展開が早くて、ルールがいまいち難しかったりして、見るの実は苦手なのですが。田臥選手の出てる試合は例外です。彼のプレイは素人目で見ても面白いと思えました。
……確か、彼は昔、チャレンジ(?進研ゼミ?)のCMに出てたんですよ。巨大な外国人プレイヤーを翻弄するちびっこプレイヤーとして。
メイキングビデオ見たらやらせじゃなくて、本気でやっていて、びっくりした記憶があります。ちっちゃいのにすごいなうまいなあっ!て(笑)
イチロー選手は「体が小さくても野球はできる」と言ってそれを本当に証明してみせたけれど。
バスケットボールで同じことを証明するのはたぶん、ものすごく難しいんじゃないかと思うんですよ。
でも不可能じゃないと信じたいです。実際、田臥選手より小さい選手も活躍してますしね。応援しています。


2004年10月28日(木) 寒い。

寒いですね。
かじかむ手をこすりながら、新潟の方のことを想像してみました。
できればもう少し穏やかな気候のままでいてほしいです。

と、ちょっと今から出かけますので。
続きは帰ってきてから。


帰ってきました。新聞屋さんとすれ違いました。漫喫行ってました(おい)
やきたてじゃぱんを読んでました。面白かった。主人公の「〜じゃ」という喋り方がかわいい。
今週末は大学文化祭なのでほぼお休み。友達をひやかしには行く予定。

出かける前に書こうと思っていた日記のネタを忘れてしまった。
……そうだな。
最近心に触れるオンラインノベルに出会うことが多くてとても幸せです。
やっぱり私が好みな文章を書かれる方のお好みな文章を書かれる方って好きです。すてき連鎖。感謝。


2004年10月27日(水) 冗漫ぽい……(確かに)

今日のゼミでは、丸々私めの課題(ヤモリのまぶた)の批評をしていただきました(昨日のいやーんな電話の用件はこれ)
贅沢すぎて目が回りました。何しゃべったんだかさっぱり。
みんなの口からはいい言葉しか出てきませんでした。優しいというか甘いというかあの程度の内容じゃ掘り下げもできんというか。
私は容赦なくびしばし思ったとおりのことを言ってやるつもりです(ひどい)
だって私の回もう終わったしね……

先生からは言い回しが冗漫ぽい、という評価ほかたくさんいただきました(感謝)
冗漫の意味を後で辞書でチェックしたのは内緒です。
冗漫 意味:ぐだぐだしてしまりのないこと。使用例:―な文章。

……あ、ほんと内緒ですよ。最近ここのサイトがいろんな人にオープンになってしまったので。
かと言って、ここに書く内容変えたりしないんで。
もしも、なんか日常生活に悪影響が及んだ場合即夜逃げします。オフラインのご友人関係のみなさま、お気をつけください(と、プレッシャーをかけてみる)


☆本日の感想
椎名軽穂さんの『CRAZY FOR YOU』3巻。
もう勝負ありましたね。
赤星にしとけ赤星にしとけ赤星にし赤星に赤星……以下エンドレス!
さっちゃんに暗示が通じればいいなと!

少なくとも今私の脳みそは赤星に完全支配されています。こんなにいい男の子は久しぶりに見ましたよ。
彼の愛し方って理想的だ。ちょっと思われるほうは贅沢なくらい。
あと表紙の雄平くんのとびきりの笑顔に涙(笑)誰か彼をこんな顔にさせてやってくれ。


2004年10月25日(月) いやーんな感じ。

西武ライオンズ日本一おめでとうございます。

先ほど、いやーんな電話がゼミの先生からかかってきました。
90分もどうやって持たせようかな……手品でもしこんでのぞむかな……

予感はしてたのですが、私たぶん11月がちと忙しいです。
課題制作と資格試験の勉強と伊旅行……
死ぬような忙しさではありませんが、サイト運営は一ヵ月ほどのろさに磨きがかかると思います。
12月は毎年リベンジの月なのでがんばりますね。

あ、最近ウィルスメールがよくやってきます(正確にはウィルスを検索したので削除しましたってメールなのですが)
お気をつけくださいね。そのまま身に染みる言葉ですね。


明日からスカパーで『ロミオの青い空』の放送が始まるのです。全話録画せねば!


2004年10月24日(日) 漫画を読んでいました。

今日はお天気がよかったので、漫画喫茶に行ってみました。
中学校時代の知り合いに3人も会いました。みんな元気だね。
とりあえずいつものようにまだ読んでない漫画の最新刊を読み。
『てるてる×少年』に大泣き。うわーんしの姫!(場所もわきまえず)
おすすめもたくさんいただいているので、手を出してみました(いつもありがとうございます〜)

高梨みつばさんの『紅色HERO』
面白かったです…。主人公と女バレ軍団がみんなかわいい(女の子が集団でいるのを見るのが好き)
男子バレー部の温かい眼差しもいいと思う。だって、がんばってる女の子たちってかわいいもんね!(なんか違う)

青木琴美さんの『僕は妹に恋をする』
噂のぼくいも。きちんとイッキ読みしてみました。
感想。そんなに簡単に手に入っちゃっていいのかな妹。
お兄ちゃんが……腹が黒い…じゃなくて、こういう性格設定はなんというんだっけ、あ、鬼畜だ。「僕」というキャラじゃないようなと突っ込みました。私は面白く読めました。

一色まことさんの『ピアノの森』
……ものすごくよかったです。ピアノモノはもともと好きですが、これが一番好きかもしれない。
主人公の海くんの描かれ方もすごいいんですが、私はライバルたちにもすごい感情移入を。
ライバルであり親友、典型的に嫌な性格になりそうな雨宮くんがとてもよかったです。
海のピアノが好きすぎて、自分のピアノを好きになれない彼。もう何度涙腺をつつかれたことか(……場所もわきまえず)

そして検索してわかりました。休止中なんですね!(泣)しかも連載していた雑誌が廃刊だとか!?(号泣)
タカコお嬢さまとの再会とか、いろいろ見たいです。遅ればせながらこんな場所から復活希望を叫んでおきます。


……そんなふうにのんきに休日を過ごしていたのですが、大きな揺れが。幸い、私の住んでいるところでは漫画に埋もれるような揺れではありませんでしたが。
ずいぶんと大きな地震だったようですね。
被災者の方々の心労の軽減、ライフラインなどの早期の復旧を願っています。


2004年10月23日(土) 忘れてた。

更新について記。ついうっかり記憶の中から消去してしまっていました。
番外編は甘い雰囲気にこだわってるんですが……すみません。不爆で。
書けてない感じに悩まされつつアップしてしまいました。エンドマークつけると手元に残しておきたくなくなる病のようです。

内容についてはとくにコメントもなく。
満員電車で無理やり近づかなきゃいけない男女。
というシチュエーションが好きなんです。アホですみません。


本編も書けないながらぼちぼちと書いております。


2004年10月21日(木) こらこらこら!

誰だ!?『黒革の手帳』を中止にしたやつは!!
……今期で一番おもしろいと思ったドラマです。釈ちゃんと仲村トオルさんがとても好きなんです。延期ですよね?来週から一話飛ばして放送とかだったらヤだなぁ…ドラゴンズ恨むなぁ(なぜ)

あと見てるのは、『金八』と『めだか』ぐらいか。
『めだか』は、ミムラ挟んで原田泰造と瑛太くんの三角関係がとてもなんというかこう好みで…
タイゾーさんの演技はやはり特別に好きです。


20万打の記念小説がやっと書きあがりましたー(とろい)
今回は、二話分あるです。
明日…は無理かもですが、あさってまでにはアップしたいです。
ついでにお知らせもやります。

昨日は台風にびくびくしてしまってちっとも眠れなかったので、体温の流れを最後まで授業プリントの裏で確認してみました。
あと長くても15話、ぐらいでしょかね……(ながいな)
これからちょっと、パワーの必要なしんどいとこばっか続くのですが、息切らさずに書きたいです!赤井氏にもりもりと働いてもらいます。


2004年10月20日(水) いのちだいじに。

今日は最初から、暴風警報は自力で発令する予定だったのですが、きちんと朝から出ていました。授業は正式に休講に。台風、すごいですね……。
今テレビのニュースで中継していたアナウンサーが画面の中から消えました。波に攫われたもよう。
ハラハラと見守っていたら、無事に生還されました。
別に台風の状況を伝えるために命をかける必要はないと思います。
いのちだいじに!
ドラクエ8がすごく楽しみです。
ちなみに私は「魔法使うな」ばかり使います。たまにぶち切れて「ガンガンいこうぜ」にしたりもします。

台風のおかげで、レタスなんかの値段が高騰してますね。レタスレラの価値も高騰……


☆本日の感想
Bank Bandの『沿志奏愛』買いました。音は、そうしそうあい。意味は、「志に沿い、出会いを奏でる」。
このCDの売上は、ミスチルの櫻井さんと小林さんなどが集まって作った、ap bankの活動資金になるようです。
聞いた感想は、……ちょっとかっこつけすぎか、なんて思わなくもなく(苦笑)
まあ、環境とか平和とかを思って歌うなら、偽善でもかっこつけでも、本当に価値のある行為をするために問題もなにもないでしょうが。
中島みゆきさんの「糸」はやはりとても好きだ。
原曲もいいけれど、こういう全体の流れがあって聞くとまたいいですね。

→ 詳しい情報は、ap bankのサイトで。

追加。
このCD、隠しトラックが二種類あるらしくて。
浜田省吾さんの「僕と彼女の週末に」と、吉田拓郎さんの「イメージの詩」。
私は「僕と彼女の〜」のほうだったので、どなたか「イメージ〜」のほうだった方はご感想聞かせてくださると嬉しいです。


2004年10月18日(月) けんさま。

私は松平健さま好きです。健さまグッズ持ってるし。
というわけで忠臣蔵は毎週チェックが決定しているのですが、やっぱり健さん見ると、上様、といいたくなりますね。存在感がありすぎて。
忠臣蔵の連続ドラマは、中村吉衛門さん(だったと思うんだけど…)が大石役のときのものを全部見ていた記憶があります。ものすごくはまっていた記憶が。
今回も楽しみです。しかし7時からってのは痛い(思い切りバイト中)

健さまの30周年公演は地方公演の予定はないのでしょうか。
生マツケン久しぶりに見てみたいです。


2004年10月17日(日) ほどほどにもがく。

前髪切りました。いまだすきバサミが上手に使えず。なんだかビミョーになりましたが、すっきりもしました。よし。
これでもう少し外出が楽しくなりそうです。
……ひきこもりの私にとっては、外に出るのがきびしくなってくる時期なので、少しでも嫌な要因を減らそうともがき中です。


昨日頑張る宣言をして、その成果報告ですが。
……やっぱりスランプかもしれない。です。ぐあ弱音じゃ。
諦めるのは早いのでもう少しもがきます。……ほどほどに。
一位記念短編は、40%の出来。
体温本編は、ラストまで書きあげてしまう予定なのでもうしばしかかります。
コンペイトウは、一番スランプのあおりを受けて、ちっとも。浮気して弟くんのお話を構想中。
黒猫さんと雨のシリーズが、2本同時進行中。両方ともスミレさんのお話。
リクエスト小説はばりばり書いてます。一番完成度が高いのが60%ぐらい(一番更新に近いのもこれかも)
クリスマスが近いのでサンタさんが書きたい。ストックを掘り出し中。
あ、課題で書いたヤモリの話はアップできなくもないですが。
まったく色恋もなく面白くないので。悩み中。

……スランプというより、集中力の問題なのかもしれません。



いろいろ書きましてアップしましたが、やっぱりやめました(苦笑)
読まれた方がいらっしゃいましたら、ごめんなさい。

中日価値ある一勝ゲット。
水色井上選手のファインプレー感激しました。
松井選手もものすごい。さすが世界の四番ですね。


2004年10月16日(土) マネキンマジック。

今日は天気がいいのでお買いものに。父君からはなぜか軍資金までいただいてしまったし(家から追い出したかっただけらしい)
四季を通してときめきをくれるお店があるので、今日ものぞいて見ました。
学生さんにとっては、一枚単価が高くてですね、なかなか手を出せないのですけど。
今日は思い切って、高島屋の最上階ぐらいから飛び降りてみました。

おかしい。マネキンが着てたときはものすごくかわいかったんだけどな。マジック!(マネキンの身体は乙女の永遠の憧れですね)
……いや私が着ても微妙にかわいいので満足ですが。いろいろ着まわしができそうで利便性ありそうだし。
きびしい冬のお出かけが少しは、楽しくなりそうです。


日本シリーズ開幕戦。
……審判ってむつかしいでしょうね。
中日応援セールにお世話になったので、次はぜひ中日日本一セールにお世話になりたいです(ダメだったら残念セールがあるんだけどさ・笑)


……ちっとも目新しい更新をしていないこと、気づいています。
……ちょっと今夜あたりがんばってみますね。最近書いてないので。スランプ脱したかもなので(スランプだったのか!)。


☆本日の感想
槙よう子さんの「愛してるぜベイベ☆」
どうしてこんなに次から次へと事件が……。ねーちゃんの男前っぷりにときめきました。


2004年10月13日(水) 願わくばスルー。

通訳の鈴木さんが退場させられてしまった……!(すみません、笑い転げました)
サッカーって、きちんと通訳の人も仲間として考えられているんだなと感慨深く思いました。すばらしい。


課題、ゼミのほかのメンバーのやつも当然手元にあるんですけど。
みんな面白いです。読みながら顔が浮かぶって面白さを倍増させてくれるのかもしれません。
これから、赤ペン持って感想とか書き込みしまくる予定です。
でも、私のはどちらかというと読まなくていい。左から右へスルーしてほしいです。


こっそり更新しました。
漫画暦と小説暦、リンクのURLの修正、こばなしの移動なんかをしました。
特別目新しいものはなく。


☆本日の感想
あさのあつこさん『NO.6』の3巻。
こんなところで切られたら夜も眠れません。次は春か……
いろんな人のアキレス腱と化してきたシオンくんがやっぱり一番すきかな。


2004年10月12日(火) ぶじに提出。

提出してきました。がんばれました。ありがとうございました。
ごほうびに、ひざこぞにキスをしてあげました。
……変な寝方をしたせいで首が痛いです。

明日は自主的休講というか休校にして、買い物にいく予定です。
授業出たって買い物には行けるじゃないか!そのとおり!

眠気が頂点に達しそうなので、寝ます。
で、さっぱりした頭でお返事しますね。


2004年10月11日(月) ほかほか。

布団干しました。ほかほかです気持ちいいです。
はやく幸せな夢がみれるように課題の仕上げがんばります。
もはや自分の言葉なのかどうかもあやしくなってきたけれど。14000字超え。


2004年10月10日(日) 計画性なっしんぐ。

いつのまにか12000字を超えてしまいました。
計画性なっしんぐ。
8000字以上なので平気ですが、先生やゼミ仲間にとっては拷問道具に違いない。


掲示板・メールなど、いつもご利用ありがとうございます。心のオアシスです。
お返事は課題が終わり次第すぐに。
つまり、火曜日が終わったらになります。ごめんなさい。


国民栄誉賞を苦笑いで辞退できるぐらいになりたいものです。


2004年10月07日(木) ヤモリはかわいいよ!

なんとか4000字突破です。原稿用紙たったの10枚かぁ…いっぱい書いてるのになぁ。
改行とか台詞とかあんまり使わないようにしているので、しょうがないのですが。
ヤモリをかわいく描写すべくがんばっております。


で、課題が終わったら、今後のサイト運営方針についてお知らせするつもりです。
それでまたニュー晴音として動き出せたらいいなと。
あ、閉鎖とか休止ではないですよ。
体温も最後まで書きますし。
他の連載たちは実はどこでラストの線を引くか、とか決めていなかったりしますが書きたいものがあるかぎりは書く予定です。


しかしテレビ電話ってどうして寝てるときにかかってくるのでしょうか。
私が寝てる時間が長すぎるというのもあるだろうけれどさ。


☆ここ数日の感想
あさのあつこさん『The MANZAI』
笑いは世界を救う、そのとおり。おなか抱えて笑いました。面白かった。

ジョージ朝倉さん『恋文日和』3巻
あとがきに笑ってしまった。すごい人だな。

和泉明日香さん『トカゲの王子』
トカゲかわいかったです。
最近、トカゲとかヤモリとか、身近なハ虫類がかわいく見えてしょうがない…


2004年10月05日(火) たぶん、少年とおばあちゃんとヤモリ。

お風呂をいれにいって靴下を濡らして帰ってきました。こんばんは。
寒くて死んでしまいそうです。


課題はやっと原稿用紙5枚程度に達したところです(最低20枚以上)
ぷろっと、とか挑戦してみたほうがいいかなと思いつつ、とりあえず好きなように書いては、捨てたり拾ったりしてます。はい。締め切りまで一週間切りましたけど。
無駄にした原稿のほうがはるかに多いですね(でもそこからヒントが色々見えてくるわけなので間接的には無駄ではないのでは!と励ましてみる)

大雑把に全貌が見えてきました。
おそらく「少年とおばあちゃんとヤモリ」のお話になると思います。
控えめにツボはおさえるべし。かわいい少年にするぞ。
上手に書けたらここでもアップしますね(って使いまわしかよ!)


秋の新ドラマが始まってますね。
「めだか」おもしろかった。ミムラかわいい。



さて、反省することをつらつら。
自分の話を聞いてもらいたいばっかりにならないこと。聞き上手になること。
慣れた関係に甘えてしまわないこと。一回リセットする気持ちで。
規則正しい生活をすることは、私の創作にはプラスに働くようです。
明日からもがんばります。おー。


2004年10月03日(日) 緊急対処マニュアル*小話*

欲望には忠実に。
なんも考えずに書いてるので、だらだら長いです。後でなんとかします。
少女漫画によくある一場面に挑戦してみました。



 緊急対処マニュアル


「ちょっと、顔貸してくれない?」

 口をつけたばかりの、缶コーヒーブラック無糖がじんわりと舌に染みていく。
 いち、に、ニ名様か。いつもよりも少なめだ。
 頭の中で数えてから、緊急対処マニュアルを開く。
 確か、この場合の対処法は、2ページ目ぐらいにあったような。

 ・ 物陰から、または面と向かって悪口なんか言われちゃった場合。違う。
 ・ いつのまにか持ち物がブラックホールに消えちゃった場合。違う。
 ・ 休み時間または放課後に、人気のないところへ連れ込まれちゃった場合。…これだ!

 ぱちん、と指を鳴らした私を不信そうに、合計2×2個の目が見ていた。

「…聞いてる?」
「うん、聞いてる。ごめん、もうちょい待ってね」

 該当部分を暗唱する。お客さまには聞こえない音量で。
 対処法そのいち。
 極力怖い人にはついていかないこと。相手が複数の場合特に。

 ごくごくと液体を一気にノドを通過させる。
 仕事前にはいつもコーヒーを飲むようにしている。できれば思い切り濃い苦いやつがいい。
 ちーちゃん、と心配そうな視線を一個前の席に座ったナナちゃんが向けてきた。
 大丈夫、の代わりに空になった缶を手渡して、にこりと笑う。

「ちょっと行ってくるね」




「貞本くんとどういう関係なの?」

 つれていかれたのは、定番の体育倉庫裏。
 2人とも、きれいなブラウンの髪で、メイクも暖色系でまとめててかわいかった。
 仲良しなんだろうなと思う。
 マニュアルによると、仲良しがタッグを組んで挑んできた場合は手ごわいので、おとなしくやんわりと肯定も否定もせず。くれぐれも強気な態度で相手しないこと、とある。
 困ったことに、一番苦手な対処方法だった。

「幼なじみかな。小学校から一緒だから」

 当り障りのない回答を。
 でも相手はもちろんそんなマニュアルとおりの答えでは納得してくれない。
 わざわざ直接やってきたのだから、確かな証拠を手に入れたいのは当然で。

「じゃあ、貞本くんと付き合ってるの?」
「あー、どうだろう。……付き合ってはないかな。たぶん」
「たぶん?」

 私から見て、右側にいる女の子の眉間にシワがよる。かわいい顔が台無しになったけれど、どうやら彼女が進行役を買って出てくれたらしい。
 腕を前で組んで、少し威圧感のある態度をとる。
 これは静かなる拒絶のあかしだ。
 あなたが何を言おうと私は受け入れる気がないのよ、という。

 つまりこの態度を解かせないかぎり、私に勝ち目はないわけで。
 というかマニュアルそのいちを無視した時点で、勝利は放棄したも同然だった。
 残る最善の道は引き分けぐらいか。

 ちらり、と、私から見て左側にいる女の子に目をやる。
 視線に刺された瞬間びくり、と反応した彼女は、ショートカットがよく似合う、なんとも女の子らしい女の子で。
 見覚えが、あった。彼女の泣きそうな顔に。
 確か、ヤモリさん…じゃなくてイモリさん、だったかな。  
 そんな私の視線を察したのか、右側の女の子が口を開く。

「この子はずっとずーっと、貞本くんのことが好きだったんだよ。で、この間勇気出して告白したんだ。そしたら貞本くんは、好きな子がいるからダメだって」

 イモリさんの大きな黒目が涙に濡れる。 
 思い出させてしまったのかもしれない、ダメだ、と言われた瞬間を。
 想像、してみる。
 あいつはたぶん少し困ったような微笑みの仮面をかぶりながら、そんな冷たい声を吐いたのだろう。

「橘さん、聞いてるの?」
「うん、ちゃんと聞いてるよ」
「貞本くんの好きな子って、橘さんのことでしょ?」
「あー……たぶん」
「たぶん?」

 また眉間にシワが寄る。ぐっと前で組んだ腕が強張る。
 不快指数がじりじりとマックスに近づいている。
 よくない展開だ。
 どうして私はいつもこうなんだろう。
 怒らせたり、泣かせたり、そんなふうに人の感情を乱して。
 イモリさんにも、その友達にも、できれば優しくしたいって思ってるのに。

「あの、橘さん」

 初めて、イモリさんが口を開いた。

「橘さんも……その、貞本くんが好き、なの?」

 今私はたぶん、断崖絶壁に立っていて、あと一歩後ろに下がると落っこちる。
 つまり、絶体絶命のピンチで。
 でも、こういうときのために、とあいつがくれた緊急対処マニュアルには、こういう場合はどうすればいいのか。そんな記述は一文字もなくて。
 ちっとも役に立たなかった。
 
「……あの、イモリさん?」

 ぱちぱち、とイモリさんの長いまつげが動く。自分の名前を呼ばれたのに驚いたみたいだった。

「ごめんね」

 少し困った微笑みの仮面、は私はかぶることができなかった。
 ちょっとつられて、怒ったり泣いたりするのの入り混じったみたいな顔になった。
 うまい対処の仕方ではなかったと思う。でも、
 イモリさんは、ぽんぽんと友達の肩を叩いて、それを合図にして、友達の組まれていた腕もほどかれた。
 一人残された体育倉庫裏で、ほ、と私は胸をなでおろした。


「しかし、どうして橘さんはマニュアルをことごとく無視するのかね」

 唐突に聞こえた冷たい言葉に、心臓が凍りつきそうになる。
 いつからそこにいたんだろう、予告も挨拶もなしに貞本くんは私の隣に並んだ。
 不思議そうな顔をした私に、貞本くんはケータイをふらふらと振る。どうやらナナちゃんあたりが心配をしてくれたらしい。

「…無視してないよ。怖い人にはついていくな、でしょ」

 イモリさんたち別に怖くなかったし。
 貞本くんは盛大にため息をついて、やれやれと苦笑した。

「イモリさんじゃなくて、ヤモリさんだけどね」
「え」
「しかし彼女はなかなかいい質問をしてたな」

 イモリさんじゃなくてヤモリさんに心の中で小さく詫びてから、私は今そこにある危機を悟った。
 放課後。体育館倉庫裏。
 隣には、お得意の微笑みの仮面を、女の子を何人も泣かせる仮面をかぶった貞本くん。

「で、橘さんは貞本くんのことが好きなの?」

 私は慌てて緊急対処マニュアルを開く。
 ええと、こういうときは確か、異性と2人きりになっちゃった場合だろうか。

「ちぃ、違う。この場合は7ページ目だ。一番最後だよ」

 ちぃ、と昔からの呼び方で、貞本くんが訂正を入れる。ちぃとは、私こと橘千夏の省略形で。

(7ページ目?)

 なぜか貞本くんは昔から女の子にもてた。
 そして、なぜか私は昔から貞本くんの好きな人だった。
 そういうわけで、何の取り得も特徴もない私はよく、貞本くん関係でトラブルに巻き込まれていた。
 そこで登場したのが、この緊急対処マニュアルだ。中学校最初の誕生日プレゼント。
 そのマニュアルの毎年書き込みが増えていく項目の、一番最後に。

「ええと、貞本くんと2人きりになっちゃった場合?」
「ぴんぽーん。それだ」

 ぱちん、と面白そうに貞本くんが指を鳴らす。
 いつのまにか、体育倉庫の壁と貞本くんに挟まれていた。

 緊急事態に固まってしまい、いつまでも対処法を思い出せない私に痺れを切らしたのか、貞本くんは微笑みの仮面を外して耳元に囁く。
 冷たい声で。

「おとなしく従うこと」

 ほんとにちっとも役に立たないマニュアルだと思った。





 おしまい。





いろいろあるけれど、イモリさんとお友達の邪悪度が足りないのが一番の反省点。


2004年10月02日(土) 終わるわけがねえ。

中日ドラゴンズ優勝おめでとうございます。
そしてイチロー選手大記録達成おめでとうございます。
ダブルでめでたい今日、名古屋が熱いです。


私はただいま終わるわけがねえ課題に苦しんでおります。
こういうときにかぎって、色々関係ないのが書きたくなって困りますね。
小話サイズの話が次から次へと書きたいです。ネタだけはあるんだな。
でもかなしいかな、実行力というか実現力はないんだな。


……もう少しこう、なんかねえ。無限ループに入り込んでる日記から離脱したいところなんですけども。
なんにも身動きできなくなるので、余計なことを考えるのはやめにします。


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