砂漠の図書室
INDEX|before|next
2001年04月03日(火) |
『いほりの霊性<プスティニア>』 1 |
『いほりの霊性 <プスティニア> : 現代人のためのキリスト教の霊性』 キャサリン・ド・ヒュイック・ドハーティ 著 ; “心のいほり” メリノールプレイヤーセンター 訳 東京 : 中央出版社 , 1988
「プスティニア」について書かれた本の邦訳です。
著者のキャサリン・ド・ヒュイック・ドハーティは、ロシアからカナダへ亡命した女性です。
ロシアで男爵夫人だった彼女は、亡命によって無一文となり、慣れない土地で家政婦、ウェイトレス、女店員といろいろな職を経たのち、 ある講演事務局に職を得ます。
それによってようやく豊かな生活に恵まれたのですが、「はたして神は自分に豊かな生活をさせるために、ロシアでの死の恐怖からお救いになったのか?」と疑念をいだきます。思い悩んだすえに彼女は、子供の養育に必要なものを残した以外はすべて財産を売り払って、トロントの貧民街に移り住み、地域の人々に仕える生活を始めます。
ある日、かつてロシアにあった「プスティニア」を新大陸に作るという導きを得ます。そうして、それまでの活動で知り合った人々と共に、「北アメリカに何軒かの丸太小屋を建て、静かな森の中で、こうしたプスティニアと呼ばれる観想を実践する場とすることにしました」。
そのプスティニアの写真が何枚か、本書に掲載されています。 森の中の簡素な丸太小屋で、聖堂となる建物のほかに、個々人が住む小屋が何軒かあるようです。
日本にも以前はあったようです。ただし、森の中ではなく東京の中に・・・ 本書を訳したメリノール宣教会「心のいほり」プレイヤーセンターで、プスティニアの祈りの体験ができたようで、まえがきと奥付けにそこの連絡先が載っています。案内文を読むと、数日間の黙想プログラムとしてプスティニアが体験できたのでしょう。 ただし、指導司祭であったヘイシュベック神父様が亡くなられてから、ここは閉鎖されたようです。 (掲載されている電話番号に以前かけてみたところ、まったく関係のない会社の番号となっていました)
『いほりの霊性<プスティニア>』2につづく
|