園田高弘ベートーヴェン ツィクルス - 2003年04月18日(金) 今日は、トッパンホールにて、園田高弘ベートーヴェンツィクルス、チェロは藤森亮一。 園田さんといえばピアノの巨匠。とても有名ですが私は演奏はテレビでちょっとしか聴いた事がありません。生で聴くのは初めて。 その園田さんが得意にしているのがベートーヴェンなんだそうです。そしてベートーヴェンツィクルスということで、3つのコンサートを組まれたのですが、そのひとつがチェロソナタで、藤森さんにお声がかかったということだそうです。園田さんがN響のコンサートに出られた時に、藤森さんのソロを聴いて、ぜひ一緒にやろうとおっしゃったとか。それが今回実現したわけです。 曲目は、 ・ユダ・マカベウスの主題による12の変奏曲ト長調 WoO45 ・チェロ・ソナタ第3番イ長調 作品69 ・チェロ・ソナタ第4番ハ長調 作品102-1 ・チェロ・ソナタ第5番ニ長調 作品102-2 私は仲間たちと飯田橋駅そばのイタリアンレストランで待ち合わせてまず食事、それから徒歩でトッパンホールへ向かった。結構歩くんですよ。もっと駅から近ければねぇ。いいホールなんですが。 途中、時間がなく焦っていたので、立ち入り禁止(完全にふさがれてはいなかった)になっている歩道を無理矢理歩いたりしてちょっと面白かった(笑) 時間ギリギリにホールに到着。 落ち着く暇もなく開演。やっぱりギリギリに着いちゃいけませんね(^ ^; 心の準備が… 園田さんと藤森さんが登場。 まず「ユダ・マカベウスの主題による12の変奏曲ト長調」。 今回、プログラムの解説文をなんと藤森さん自ら書かれてます。珍しいですよね、プロの演奏家の方が自分でというのは。これも園田さんのご意向? この曲の主題というのが、日本でよく表彰式に使われるメロディなのです。 クラシックから来てたんですね、あの曲は… お2人にとっては指ならしといった曲だったのでしょうか。 でも藤森さんはかなり力入ってるように思いました。気合十分! 園田さんの音は、味があると言いますか。いぶし銀で渋い印象でした。 ちょっと私の好みではないかなぁ〜、素晴らしい方なんだと思いますが、私はあんまりプロのピアニストの演奏には触れたことがないので良さが分かってないんでしょう… 園田さんのファンの方ごめんなさい。 次にチェロソナタ第3番。この曲は人気があるそうですね。 私は…いつものごとく、初めてで〜す(^ ^; この曲は明るく力強いベートーヴェンですね、いきいきとした生命力を感じるような曲。 藤森さんはまだ少し力みがあったようですが、全体としてはいい演奏だったと思います。園田さんとの息も合っていました。 休憩を挟んで第4番。これはソナタとしては形式が変わっていて、解説文では『大きく分けると2つの楽章からなるが、構成としては5つの部分からなる1つの大きな曲とも解することが出来る』ということです。 3番はとても古典的に聞こえましたが、こちらの方は変則的な形式のせいもあるのか少し複雑で繊細な雰囲気の曲。面白かったです。特に終盤。 藤森さんも上り調子に良くなってきて、いい音が出ていました。 そして最後の第5番。 第2楽章がアダージョなのですが、ここでやっと、暗〜いベートーヴェンが出てきました(笑)憂鬱な、重いメロディ。はじめと終わりはそんな感じで、間に美しく清らかなメロディが挟まれています。 藤森さんの解説文では『特筆すべき点は、独立した緩徐楽章が存在するのはこの第5番だけだということ。しかもセンチメンタルな旋律のあとの3部形式の中間部にあたる天上の音楽は、5曲のソナタの中もっとも美しく、これをチェリストとして演奏できる喜びは大きい。』とあります。 藤森さんはこういうゆったりとしたメロディを弾くと本当に素晴らしいです。 音の良さが最大限に発揮されます。今回のコンサートではここが一番感動したなぁ。 フィナーレ、堂々たる演奏でした。締めにふさわしいスケールの大きい楽章でした。 盛大なる拍手が送られ、アンコール。 …すいません、曲名忘れました(^ ^; アンコールにしては長い曲で、お腹いっぱいという感じでした。 ということで無事終了! とても聴き応えあるいい演奏会だったと思います。 これからもソリストとしての藤森さんにおおいに期待しましょう! -
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