N響特別演奏会「カルミナ・ブラーナ」 - 2001年10月06日(土) N響は今年で75周年だそうで、何回か特別演奏会が企画されてます。 昨日と今日はあの有名な「カルミナ・ブラーナ」。指揮はデュトワです。 私はこの「カルミナ・ブラーナ」を4年前に初めて聴いてからこの曲が大好きで、これを大好きなN響がやってくれるというんでひっじょーに楽しみでした。 今日は土曜日でマチネです。2時頃会場に着き、まずN響が年4回出している「フィルハーモニー」という本と、年1回出る「フィルハーモニー特別号」を購入。時間までそれをじっくり読みました。 「特別号」は楽員さんの素顔が紹介されていて楽しい内容です。N響は文章の達者な方がいて、コンマス「マロ」こと篠崎さん、オーボエ茂木さん(本も出されてるし当然ですが)、チェロ桑田さん(雑誌で連載もされてます)などが書かれた文は読みながら思わずニヤニヤ。 それからプログラムに今回のカルミナの歌詞の対訳が載っていて一応ざっと目を通した。でもまあそれほど詳しく読まなくてもなんとなくは頭に入っている。それで充分。しかし、なんとも通俗的な歌詞ですね。そこが好きなんだけど。 さて、カルミナの前にロウェル・リーバーマンの「モーツァルトの主題による変奏曲作品75」というのが演奏された。N響委嘱作品で世界初演。 現代的で難しいのかな、と思ったら聴きやすかったです。面白い曲でした。 ただ、今回席が前から5列目で、どんな風に聞こえるかと思ったら、うーんイマイチ・・・なぜか後ろの金管や打楽器がすごく聞こえて、弦が薄く感じた。 前に10列目くらいで聴いたら割と良かったんですが。 あんまり前もダメかぁ。カルミナはどうだろう、なんて思ってました。 さて本題のカルミナ。合唱は二期会です。ソリストはソプラノがナンシー・アレン・ランディ、テノールがスタンフォード・オールセン、バリトンがホーカン・ハーゲゴール。 しょっぱなの「運命の女神」、やっぱりイイなぁ〜!!生で聴くのは。 なんとまぁカッコよくて不気味な曲でしょう。終末的な。 そして第1部。春が来てみんな浮かれて歌い踊る、って雰囲気です。 バリトンの方、体が大きくて見た目はフリントストーンのジョン・グッドマンみたいですが、声の方は思ったよりソフトで、2曲目のソロではゆったり間を取って情感豊かに歌い上げていました。私は今まで2種類のカルミナしか聴いてないけど、どちらもこういう歌い方じゃなかった。もっとあっさりしてた。 第1部は明るく楽しい曲もあって、ついついノリたくなってしまいますが、頭を振ったりすると後ろの人は迷惑らしいのでガマンしました。 第2部は酒場が舞台。合唱もソロも男性しか出て来ません。 実は私はこの第2部が一番好き。別に私は酒飲みってほど飲まないんですけど。 とてもユーモラスなんです。酔った男の愚痴やら、食べられるために丸焼けになった鳥の嘆きやら(テノールの方、秀逸でした)、あげくの果てはお酒バンザイとばかりに盛り上がる・・・イヤ実際の歌詞はちょっと違うかも知れないけど、そういう雰囲気。バリトンの方のソロ、迫力ありました。 第3部のテーマは恋。歌詞も結構あからさまだったりします。 やっとソプラノの方の出番。ちょっとハスキーに感じましたがいい声でした。 内容のせいもあるでしょうが、自由奔放に明るくのびのびと歌っていましたね。 アメリカの方ということも関係あるのかな。 児童合唱の方の声もとてもキレイで。心が洗われました。 だんだんと盛り上がり、「悦びの季節」で最高潮、そしてソプラノのソロ! このソロには感動しました。うーんなんてドラマティックな曲なんだ。 「いと愛しき人よ 私のすべてはあなたのもの!」と歌った後、ソプラノのナンシーさんは肩に羽織っていたショール(でいいのかな)をバサっと肩から落としたんです。あれは演出だろうなやっぱり。なかなかナイス。 その後の「ブランシュフロールとヘレネ」、ここも感動的な合唱ですが、ここは個人的にはもっとタメて欲しかったです。結構淡々と進んでました。 そしてフィナーレ。盛り上がって終了、ブラボーがたくさん飛んでいました。 拍手はなりやまず、楽員が去るまでたくさんの方が拍手を送り続けていました。 今日の演奏、良かったと思います、特に歌が。 やっぱりカルミナって歌が主役ですね。オケはサポートって感じでした。 もちろんオケも良かったけど。打楽器ががんばってましたね。私の席からは見えませんでしたが・・・いろんな音が鳴ってましたから。 それにしても、楽しい曲です。親しみやすい。私のようなクラシック初心者には。 この曲は毎年聴きたいくらいです。第9じゃなくて、カルミナを毎年年末にやってくれないかな。他のオケでもいいので。 先日井上道義さんがやってたみたいですね。私が初めて観たのも井上さん指揮のカルミナでした。また井上さんのが聴きたくなった。 あ、今日はチェロ首席の藤森さん乗り番でした。ラッキー♪ 相変わらずガンガンと弾いてらっしゃいました。席が前の方だと音が直接聞こえてくる感じ。コンマス堀さんの音も聞こえましたよ。 さて、演奏会が終わりその足でHMVへ。というのも、N響伝説のライブというCDが何枚か出てるはずなのに、NHKホールにはあまり揃ってなかった! 買うつもりだったのに。でHMVへ行くと、ありました。お目当てのスヴェトラーノフ様☆ マタチッチさんやスウィトナーさんなどスゴイと言われている指揮者の方にも興味はあるんですが、やっぱり自分が実際聴いた指揮者にはかなわないということで・・・ だけど買ったCDは自分が生で聴いたチャイコ3大バレエではなく、ラフ2でした。ラフ2に行けなかったのはとても悔やんでます。サントリーホールで聴きたかった。 私は去年のスヴェトラーノフ+N響の「弦セレ」や「悲愴」を聴いてえらく感動したんですが、それはどうやら録音してなかったらしい。もう2度と聴けないと思うと、それはそれでより心に残りますが。。。悲しい。 というわけで久し振りのN響DAYは終わりました。 NHKホールのロビーに、N響の海外遠征の時の写真と、海外の雑誌(新聞?)に載った批評の訳が出ていました。海外の方、なかなか辛口。 でもこういった声も聞きつつ、N響にはさらに成長して頂きたいですね。 なんだかんだ言ってもやっぱり日本で一番上手く、そしていろいろな経験を積んでいるオケ、だと思います。 がんばれ、N響。 次回私が行くN響関係のコンサートは。。。N響若手(とは言えない方も混じっているようですが)メンバーによる室内楽、マティアス・ムジクム@サントリーホールの小ホール。これも楽しみだぁ! -
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