Why Can't I Be You?...なあぼ

 

 

フォーレ「パヴァーヌ」 - 2001年05月21日(月)

N響の、2001−2002年のプログラムを見ていたら、オーチャード定期の12月19日のプログラムに、フォーレの「パヴァーヌ」があるじゃないか!
これは絶対行かなければ。N響のパヴァーヌなんて、なかなか聴けなさそう。

この曲、最近の「癒し系」のコンピレーション・アルバムによく登場してますね。
ポピュラーな親しみやすい曲、とも言えるかも知れないけど、私はこの曲と出会った時かなり衝撃を受けたんです。だから私にとって特別な曲なのです。

私は昔はクラシックにさほど興味がなくて、ポップス系の音楽を主に聴いていました。それでも、友人がイイと言った惑星の中の「木星」や、「威風堂々」、コンサートで聴いて感動した「亡き王女のためのパヴァーヌ」など好きな曲もチラホラあった。でもクラシック自体に興味を持つほどのインパクトじゃなかった。

それが、フォーレの「パヴァーヌ」を聴いて本当に鳥肌が立ったんです。
それは、1996年6月2日のことでした。
音楽教室のスタッフとして働いていた私は、ヤマハのエレクトーン・フェスティバルという毎年行われているコンクールの店別大会というものを観に、狛江エコルマホールへ出かけた。
別に観なければならない決まりはなかったけど、自分もエレクトーンを弾くし、うまい演奏を聴くのは楽しいんで、半分趣味として行きました。

コンクールで弾かれる曲は、クラシックもポップスもあり、オリジナル曲もあります。「アイアイ」という曲を思いっきりカッコよくアレンジした曲を弾いた人もいました。

ソロとアンサンブルがあるのですが、ソロで特別うまい人たちの部門で、このフォーレの「パヴァーヌ」を弾いた人がいたのです。
編曲は奏者本人となっていますが、かなり原曲に近いものだったと思います。
最初のフレーズでハッとして、その時なんか聴いたことがあるような気がして、思わずプログラムを急いで確認してしまいました。
作曲者も曲名も全く知らなかったけど、とにかく感動してしまいました。

この時に、クラシックも、ポップスと同じように好きになれるんだ、ということを発見して、とてもうれしかった。
やっと本当に好きな曲に出会えた喜びというか。
探していた理想の人にやっと巡り会えたような、感激+衝撃だったのです。

このコンサートの帰りに、まっすぐCD店へ行き、この曲も探しましたがなかなかなくて(というかクラシックのCDの見方もわからなかった)、とりあえずクラシック入門として、私の好きな矢野顕子さんが監修したクラシックの曲集のCDを3枚も買い込みました。

その後は、いわゆる癒し系CDにパヴァーヌが入ってるのを見付けて買ったりしていましたが、結局そこでまた行き詰まってしまいました。
好きな曲は出来ても、そこから広がっていかない。
フォーレの歌曲集やノクターン集、レクイエムなども聴いてみましたが、パヴァーヌほどのインパクトはなく・・・
作曲家で聴いていくというのはちょっと私には無理でした。

そして1999年に斎藤ネコカルテットに出会い、N響や藤森亮一さんのファンになってから、"演奏家で聴く"という新しい道が見付かって、これは私にはピッタリな、クラシックに親しむ方法となりました。
誰かのファンになることが、ミーハーな私には合ってるらしい。
まあこれは余談ですけど。。。

とにかく、フォーレの「パヴァーヌ」は、私のクラシックに対する抵抗を一気に取っ払ってくれた私にとって大切な曲です。
クラシックも同じ音楽だよ、と教えてくれた曲なんです。

なんでそこまで感動したのか。曲の最初に出てくるメロディでしょうか。
なんというかいきなりサビって感じで、無駄がない。
こういう哀しい、切ない曲って大好きで、私の「ツボ」にハマったんですね。

同じようにツボな曲で最近見付けたのが、チャイコフスキーの四季の中の6月の舟歌。今あるヘンなCM(ク××ク)で使われていてちょっと悲しい。
あとはカッチーニのアヴェ・マリア。ラフマニノフのヴォカリーズ。
グラナドスのスペイン舞曲集の中のオリエンタル。などなど・・・
多分ほとんどが癒し系CDに使われてるんじゃないでしょうか。。。
私のツボはわかりやすいってことですね。

というわけでフォーレのパヴァーヌとの出会いを語ってみた。
オーチャード定期では指揮がデュトワさんなので、多分さらっと軽いパヴァーヌになりそうな気がします。ほんとは暗い方が好きだけど。
とにかく絶対行かなきゃ。何が何でも。

あ、N響でもうひとつ、何が何でも行きたいコンサートがある。
75周年記念の「カルミナ・ブラーナ」。これも流行ってますなあ。
カルミナは前にも、アマチュアのものを観たことがあります。
それはパルテノン多摩10周年記念。記念ばっかり。
これがすんばらしく面白かったんだけど・・・またにしましょう。
カルミナも聴いて鳥肌立った曲でした。あの冒頭ね。


おっとあまり関係ないけどCM曲で、ティアーズ・フォー・フィアーズの「シャウト」のカバーが使われていてビックリ。やっぱりいい曲はいいよね。
80年代もどんどんカバーされるようになったか。
うれしいけど自分が年取ったことを思い知らされるな。






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