チェリスト藤森亮一 - 2001年04月30日(月) 今日は雨。うっとうしい天気だ、連休だっていうのに。 前にも書いたけど私はチェリストの藤森亮一のファン。 どんな人かというと、NHK交響楽団のチェロ首席。と言ってもクラシックファンじゃなきゃ意味わかんないよね。私もそうでしたよ・・・ NHK交響楽団、通称N響は、日本ではトップと言ってよいレベルのプロオケです。テレビでも、日曜日の9時から教育テレビで「N響アワー」って番組をやってます。NHKが持ってるオケだからそうなるんでしょうけど。そのため日本中の人が見るので、人気は高いと思われます。実力もある、と思います。伝統があって、テレビで流れて、、、そうね、野球で言えば巨人ですね。 そこの首席・・・首席とは、それぞれのパートのリーダーですね。 野球で言えば、常にスタメンで出場している選手、てなもんでしょうか。 そう簡単にはなれないでしょう。そんぐらいすごい・・・はずです、N響首席は。 その首席に藤森さんは30代半ばでなってしまったんだからなおスゴイ。 昭和38年生まれなので今年で38才。クラシックではまだまだ中堅ですね。 あまり派手なことはやらないのでクラシックファン以外にはあまり名前を知られていないと思いますが、クラシックに少し興味がある、とかチェロの音が好き、という人に、ぜひ彼の生演奏を聴いてみてもらいたい。きっと感動しますよ。 私はそれほど他の人のチェロの演奏を聴いてないので、比較できないところが悔しいけど、なんと言えばよいか・・・ 彼のチェロの音色は、私が思うに、とても艶がある音です。艶とは光沢のこと。 いや、でも艶のもう一つの意味の「色っぽさ」も確かにあるかもね。。。 チェロの渋さがあまり感じられない。深みがあるんですが、とてもよく磨かれた繊細な響きがある。ちなみに彼のチェロは1614年生まれのアマティ。 楽器がいいから、ってことにはしたくない・・・やっぱり腕でしょう。 独特な音のような気がするんだけどどうなのだろう。 それと弾き方。CDを聴いていると、やはり音をよりよく響かせることに最大に気をつかっていて、歌い方はあまり行きすぎずオーソドックスという印象がします。 あくまで私的な印象ですが。特にソロの時。これまでの選曲のせいもあるかも知れません。藤森さんは、アンサンブルやオーケストラでの方が、感情表現豊かなように感じられる。ソロだと大人しい印象で、それが少し残念なのです。 個人的な好みは、喜怒哀楽の激しいものの方が好きなもので・・・ 音色からそれを感じられる演奏が聴きたい。 藤森さん自身が目指すものは、それとは違うところなのかも知れませんが。。。 ソロCDは、1枚目がコダーイ・ヒンデミット・リゲティのソナタが入ってるとんでもなく難しそうな曲ばかりのアルバム、でもとても面白いです。 2枚目は「メディテーション」という小曲集。3枚目がバッハの無伴奏チェロ組曲、4枚目・5枚目は同時発売で「ラルゴ」という小曲集と、「パストラール」というバッハの曲を集めたもの。 そしてつい最近、これはアンサンブルですが、また面白いCDが出ました。 N響のチェロのメンバー4人でにわかに結成した「ラ・クァルティーナ」というチェロのカルテットで、「シャコンヌ」というアルバムを作ったのです。 気心の知れたメンバーだということもあるのでしょうが、息はピッタリ。 私は藤森さんの音色だけはわかりますが、やはりアンサンブルだと生き生きしてる!自由に弾いている感じがする。 しかも、いつもは普通のカルテットで、メロディばかり弾くことはないですからね。なかなか藤森さんにとってオイシイ企画ですなぁ。 このCDのラスト、あの有名なカザルスの「鳥のうた」が入っています。 これまでの藤森さんのソロのCDに入っているどの演奏よりも素晴らしいです。 この曲に思い入れがあることは、藤森さんはいろんな場所で語っていました。 カザルスの伝記を読んで感動してチェロに興味を持ったとか・・・ そしてそのカザルスの弾いた曲の中でも「鳥のうた」が一番お好きだとか。 その思い入れが充分伝わってくる演奏です。 嘆き悲しんでいる、重たい音です。 CDを出すごとに、表現が豊かになっていっているような気がする。 これからさらに熟成していって、実力で、世界に認められるチェリストになってほしい。それが私の夢なのです。 あ、今後の藤森氏の予定ですが、6月20日にモルゴーア・クァルテット@紀尾井ホール、6月23日に渋谷HMVにてラ・クァルティーナの無料ライブなどがあります。特に23日は無料で、サインももらえますので、興味ある人、行ってみて下さい、ぜひぜひ。5時からです。もちろん私は行きますぞ。 あー長かった。でも語っても語りつくせなーい。 今一番好きなアーティストなので。 そうそう、言い忘れたけど藤森さんは顔もカワイイですよん。 弾いてる姿がとっても素敵。女性ファンが全国にたっくさんいるのです。 がんばれ、藤森亮一!!! -
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