JERRY BEANS!!

2004年08月21日(土) 取捨択一

何かを得るたびに何かを失わなければならないとしたら、
私はこの身体に何を詰めて、夜を越えて行けば良いんだろう。

 喜び。

 …哀しみ。

私が持てる物の中で、何をどれだけ手放したら、あの人の心に
この手が届くんだろう。夜は明けない。

けど、あの人には薄紫の、蒼白い朝焼けが似合うと思う。

その輪郭を境にして、山が逆光に因って陰に支配される瞬間。
…闇を内包しながら、縁を滲ませるように融ける朝焼けの、あの白さが、
あの人には似合うと思う。


 喜び。

 …哀しみ。

そのどちらを、どれだけ、…取るのか捨てるのか、それすらも
選び取れない程に、胸は絡まって、床に転がり落ちている。

その紐を解くふりをして、余計に絡ませてしまっている。解こうと思えば
、強くそう思う程、その絡まった対極の美しさに毒されて、どちらかを
選ぶことすら出来ずに、朝焼けを想い浮かべるだけで、この手はどちらも
選ばない。


 < 過去  INDEX  未来 >


nana [HOMEPAGE]

My追加