お酒を飲んで、春の夜に一人であるく一本道は、 どうしていつもこんなにもの悲しいのかしら、と、
春夜の帰り道で、ふと思った。
昼間の暖かさも少し冷えて、昼間の楽しさや明るさもすこし 萎えて、ほんの少し地面に残る温かみと、風の冷たさを感じながら てくてく歩く。自然と歩調も緩やかになり、眠気にも似た 瞼の重みに逆らう事もしないで、一人で歩くこの道は、どうして いつもと同じなのに、こんなにほんの少しだけ悲しいのかしら。
月は細く糸のようで、かすんだ夕焼けと朝の合間にぽっかりと。
何もない一日が、徐々に綻んで崩れていくこの感覚が、 ほんの少し好きで、ほんの少し嫌い。
夜の帰り道は、まるでお散歩のようで、少し、悲しい。
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