JERRY BEANS!!

2003年04月28日(月) 坂道の途中で

高校生の頃、家路の途中に坂があって、行きは上りで帰りが下りだった。

坂を上る時は、毎日遅刻すれすれの電車で通学だったので、いつも必死で
時間と戦って駆け上がっていた。いつも、駅に着いてから体中からどっと
汗が吹き出るのがとてもイヤだった。

坂道の、一番悲しいのは冬の帰り道。

坂から下には海が広がっている。その向うには何も見えない。
遠くて近い、自分の家の屋根と、その向うには、黒くうごめく波と、
白くくすんで、よどんだ空ばかりで。


坂を降りながら現実に帰るとき、いつもいつも、思っていた。
このままここで行き倒れたら、どんなに楽だろう。
次に目を覚ました時には、自分のベッドの中じゃないだろうか。
ここからトンと足を弾ませたら、自分の家の前まで跳べたらいいのに。
…このまま全てが終わってしまえば楽になるのに。


疲れていたり、だるい気持ちになっていると、それがあの時の気持ちと
重なって、とても冷たくかじかんで、硬くなる。…固くてもろい心になる。
それじゃダメなんだと毎回思うけれど、どこかでそういう自分を甘受して
しまう自分がいて、そうして甘やかしているうちに、同じ事を繰り返して
しまうのかも知れないと思う。

私はまたいつもの坂道に立っていて、とぼとぼ、下っていく。


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nana [HOMEPAGE]

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