昔むかし、中学の理科を受け持っていた自称発明家の先生が、 「宇宙は常に安定方向に向かっている」と、なんだかとっても 尤もそうな大言を言った。
安定方向に向かう、と言うのは、つまりは「濃い濃度の水溶液と薄い濃度の 水溶液を混ぜると、必ず両者は一定の濃度まで互いに近寄り、ある一定の 温度で完全に混じりあい、その状態で安定する」と言うような化学の原理から 来ているようで、他にも温度の違うものでもそうだし、化学反応もそうだし、 要するに中和するというのは非常に安定しているということなんだそうだ。 うむ。(油と水は混じらない、というのもあるけれど、その辺のことは私は 科学者でもなんでもないので分からない。そういうものは混じらない事が 安定した状態なんだろうと思うが。?。)
さて、そう考えると、宇宙が常に安定(中和)の方向に向かっているとすると この世界の時間の流れもその原理に当てはまるんだろうか?
時間は常に私たちの生きる世界では一定方向にしか流れない。と、いう事は、 時間の流れも中和の方向に向かっているとしたら、この世のどこかではこの時間の 流れと全く反対の方向で、私たちの向かう方向に流れてくる時間を過ごす 世界があるという事なんだろうか?
そうしたら、この時間とその時間の中和点で二つは完全に混じりあって、 時間は安定して止まるのだろうか。 安定した世界とは、どんな世界なのか、私には想像すら出来ないのだが もしもそんなことがあるのなら、そこがこの世の最終地点なのかもしれない。 出来ればもういちどあの時に戻りたい、なんて、よく考えたものだけれど、 最終地点までいってしまえば、もうそんなことも考えなくて良いのかな。 最後の最後で。
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