私には苦手なものがある。 それは実の母親。
母は、私に媚びを売る。媚びを売らなくても私は遠くに行きはしないのに。 媚びを売るのは、本当には一端が繋がっていないからだと思う。
好かれたい気持ちと媚びる気持ちは全く違う。その違和感が、この人には 何故か消えない。彼女には何かの疎外感があって、それを補う為に私たちに 媚びを売るんだと思う。だけど、それのせいでかえって人を離しているのに 気付かない。
誰かを好きになって、その人に好かれるのはとても自然に成せる事だろうけれど、 それ自体が自然に出来ない人にはその全てが難しい事のように思えるのかも しれない。
もしもそんな不自然で悲しい思いをこれから先も繋いでいかなければならない としたら、とても恐ろしい。けれど血と環境はそれを繋ぐだろうから 余計に恐ろしい。目は背けられないが、気持ちはコントロールできるから いつでも必死なのだ。私は。
本当なら助けてあげたいけれど、血が繋がった私や家族では助けることは できない。父のいない今では、その人は自分で探すしかないのである。
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