私の一番欲しいものは実感。
今生きている実感。 今そこに居る実感。
触るもの、見るもの、感じるもの、思うもの、全てが本物であるよう、 全部本物であるよう、それだけの為に。
くだらないを事考えたり文字を綴ったり、本を読んだりしながら、 私の感じるものが全て本物なのかどうか、確かめる術を探す。
けれど本心では、そんな術は見つからないといいと思う。
知りたいのはやまやまだけれど、全てが「本物」でなかった時に 私はどうしていいのか解らなくなると思うから。
本当は、生きてると思いながらそうではなかったりする。
時々躰から精神が、眉間の溝から出て行ってしまうような気がして怖くて、 拳をぎゅっと握り締めて、感覚をただ頼りに「生きてる」事を納得させる 日々。…私が恋愛というものにいつも夢中なのは、恋や愛がその恐怖心を 一番麻痺させる事を知ったから。…愛や恋が、本当に人に必要なのかは 解らないけど、少なくとも私には、一番知りたくないこと、その事自体を 考えなくてすむから、一番一番、しなくてはいけないことのような気がする。
私は、生きていることを尊いと思うけれど、本当は、怖くてたまらない。 今ある全てが消え去るときが来ることを考えるととても一人でいられなくて。
一生懸命目をつぶって、光を無視して、暗闇も無視して、ただただ自分の中の、 「何か」にひたすら閉じこもる。もう一度中から外に出たいと思うまで、 意識を内側に内側に。…そんな時が私は一番辛い。ヒシヒシと指先が震え 手の甲から何かが切れてきそうで。
あなたの暖かい体温と、小さな色んな音色は、そういう恐怖を和らげてくれる。 私が感じなくていいことを、無視できるように没頭させてくれる。
人が音楽を愛するのには、無音が怖いから?
私は、彼の、まばたきの音で、またここから実感に帰る。
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