テレビの電源を切った時、四角い灰色のブラウン管には 冷めた顔で空を見つめる自分が映っていて、そんな自分の居る ワンルームの部屋の中が、急に鍵のかからない独房に思える 瞬間がくる。
それを人は、孤独だとか虚無だとか、そう言う名をつけて呼んでいる らしいのだけど、それは、違う。それの本当の名前は、「現実」。
現実ほど退屈で繰り返しばかりの日常は無くて、それは浮き沈みのない エンターテイメントで、そんなつまんない物のために、私達は毎日を 過ごして、時間を超えて、少しずつ肉体を蝕んでいる。
止められないのは、砂時計の砂や、彼氏とのラブラブな時間でもなく、 そんな事を考える脳みその電波交換だ。
ワンルームは、それを可能にする静かな独房。
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