夢の先は、実感も無くおぼろげで、霞んだその先は、 一体、何色をしているのかも知らない。解らない。
爪の先を見つめると、マニキュアの剥がれた地の爪が、 少し擦れて、ぼんやりしている。
この爪は何色に塗られたいんだろう?
無難なベージュ、ラメ入りのピンク、薄紅の桜貝。 ビビットなオレンジ、艶のある黒、フレンチネイル。
何でも良いけど、いつでもキレイに構ってあげたい。 キレイなものや、柔らかい桃に触るとき、自分の爪は 綺麗な方が気分が良い。
優しい桃と甘い匂いと、あなたの作る周りの空気と、 透明の夢が、その先にはあるように。
冬の冷たく透き通った空と、凍らないように冷ややかに 瞬く星は、この先も、毎年ずっと変わらない。
同じように、自分の中にある物は、ずっと変わらずありますように。 そして、綺麗に磨かれた爪が、光を掴みますように。
たまに綺麗になった心で、冷えた空を見ながら、そう思います。
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