役に立ちたい、というのは。付き合ってると、普通に思う。
だって、こんなに平凡で、普通の人生を退屈に送ってる 自分が、彼に出来る特別の事なんて、ひとつも無いからだ。
例えば、虫歯が痛んで、頭が痛くて、立てないくらいに 酷くても、痛みは私のものじゃあ無いから、彼には何も してあげられない。痛みを無くしてあげられるのは、 私じゃなくて、歯医者さんだ。
お腹が痛くても、私じゃ治してあげられない。
痛みを分ける事も、肩代わりしてあげることも出来ない。
それなら、私に出来る事はなんだろうって、思う。
答えはひとつ。結局、何も無い。
ただ、一緒にいて、満たされるだけが、お互いに出来る事で、 それ以上も、それ以下も、そこには無いんだよね。
そう思うと、悲しいような、ひとりぽっちになるような、そんな気持ち になる。けど、淋しい時に、あの人の顔を思い浮かべて、 頑張ろうと思うとき、私はひとりっきりでいるよりも、ずっと 幸せなのかも知れないなあって、思う。
ひとりで居ても、ふたりで居ても、淋しさは消えないけど、 だったらせめてふたりで居たいと、私は思う。
あの人はどうだろう。
同じ事を思ってくれるといいな、と思う。
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