一橋的雑記所
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書きかけ。 つか思いつくままのだらだら書きなので。 気が付いたら消えているかもしれません(えー)。
見つけてしまった方は。 いずれ決着付くまでは。 完全スルーな方向で一つ(何)。
ずっと、どきどきしてる。
いつものラジオ収録がやっと終わり、相方の子やスタッフさんたちに挨拶するのもそこそこに、局を後にした。 今週はスケジュールの関係で録りの日程が重ならなくて、しかも色々あって、彼女が今何処にいて何をしているのかも全く分からない状態だった。明日がオフなことは知っていたから、焦る気持ちを抑えながら携帯を開く。当然、メールも着信も無い。少なからずがっかりした気分になりつつ、訳も無く辺りを見渡した。
「……どうしようかな」
仕事中ならアウトな時間帯だったけれども、ダメ元で直接掛けてみる。 単調な呼び出し音は、留守番電話転送ぎりぎりのタイミングで消え、物凄く気だるい声が私の鼓膜と心を振るわせた。
― Your heart sound. ―
途中、友だちに教えて貰った美味しいケーキ屋さんに立ち寄って、手土産を買い込んだ。 彼女は実際、お付き合を始める以前に想像していた以上に気難しくて我侭で好き嫌いが多い人で、何が好きで何が苦手で何が嫌いなのか正直、私には今以て、ほとんど把握出来ていない気がしている。 たとえば、付き合い始めた頃うっかりと彼女的には辛さ全然控え目じゃないカレーを食べさせてしまった時は、危うく一週間口を利いて貰えなくなる事態にまで発展して本当に大変だった。以来、彼女に何か振舞う時は、地雷避けに種類を出来るだけ沢山揃えるように心掛けている。それはそれで「奈々ちゃん無駄遣いし過ぎ。絶対将来困る」とばっさりなんだけど、私が原因で彼女を涙目にしてしまうよりはよほどマシだと思うことにしている。 だからケーキ屋さんでも散々迷って、でもそんなに時間はかけられないから最後はお店の人にまでアドバイスを求めたりして絞り込んだ結果、フルーツたっぷりのタルトと、桃のジュレをあしらったレアチーズケーキ、それから果糖を使ってあっさり仕上げたそのお店定番のショートケーキ、この三つが今私が手にしている小箱の中にちんまりと収まる事になった。 喜んでくれるかな。 くれると良いな。 その先に待っている諸々には敢えて意識を飛ばさないようにして、膝の上数センチに浮かすように捧げ持った小箱をそっと、爪の先で撫でてみる。 これくらいで彼女が嬉しい素振りなんて見せてくれるとは勿論、考えていないけれども。 何も無いよりは多分きっと、ましなんじゃないかなあって思うから。 溜息をつきながら、待っててくれたタクシーのシートに再び深々と身を沈ませて、私は何故だか複雑に幸せな気分だった。
週に1、2回はお邪魔しているから、エントランスのロックコードにもエレベータで押す唯一のボタンにも、この指は慣れたものだった。 普段使いの大振りな鞄にうっかり当たってしまって崩れたりしないようにケーキの箱を慎重に抱え直した時、彼女の部屋のフロアでドアは開いた。 週に1、2回はお邪魔しているのに、一人でここへ来る時はどうしてだかとても特別に緊張する。 ご近所さんに出会ったらどうしよう、なんて微妙にずれた心配だけは、時間帯が時間帯だから今は抱かないですんでいるけれども。 合鍵は少し前、渋々な様子を隠しもしないで彼女が手渡してくれていた。それでも、居ると分かっているのにそのまま使って入る訳にはさすがに行かなくて、インターフォンにそっと指を伸ばし、軽く一押し……したと同時に唐突に、目の前にドアが迫ってきて思わず仰け反った。
「っわっ!」 「おっすー、遅かったねー。って、あれ?」
いつもどおり、そう嬉しくもなさそうな普通の顔をドアの向こうから覗かせた彼女が不思議そうな眼差しを私の手元に注いだ時。 私は多分、半分くらい、泣きそうになっていた、と、思う。
ごめんねー、なんて。 誠意の欠片もない平坦な彼女の声を背中に浴びながら、ケーキの箱をキッチンテーブルに置く。 ここまで折角慎重に慎重を期して持ち込んだデリケートなお菓子たちは、先ほど彼女から喰らった重くて分厚い鉄板の一撃によって、無残に偏ってしまっていた。
「あんまり遅いから、どしたのかなーって思ったの。んで、玄関で待ってたら足音したからさー、折角だから、脅かしてみようかなって」
そりゃあもう驚きました、確かに。 でも、それ以上に、私は切ないです。 そっと開いた小箱の中、タルトの上にあしらわれていた季節のフルーツたちは一方の壁に密集状態、チーズケーキは哀れ上下に泣き別れ、ショートケーキに至っては、原型を最早留めては居ない有様ですから。
「……箱のまま食べた方がマシかも……」 「えー? なになにー?」 「や、何でも、無い、です」
私の落ち込みなんて何処吹く風、彼女は至って機嫌良く、いつものようにソファーの上で膝を立て、軽く上体を揺らせながらテレビを見始める。時折漏れ聞こえる音が彼女が観ているものの内容を嫌でも知らせてくれていたけれども、取敢えず黙殺出来る程には私はケーキの処遇に頭を悩ませていた。 とはいえ、いつまでも悩んでいたって仕方ない訳で。 多少見栄えが悪くとも、味は保証付き。出来るだけ丁寧に、吹っ飛んだフルーツやクリームなどをかき集め、原型を想像できる程度に形を整えながら、大き目のお皿一つの上に並べ直す。 丁度お湯が沸いたのでいつものハーブティーを用意して、相変らず画面に見入っている彼女にはお伺いを立てないままそれら全部をトレーに並べ持ち、リビングへ移動する。
「ゆかりさん」 「んー?」 「ケーキ、食べませんか?」
おう、と小さく答えてローテーブルに落ちた彼女の目が、ん?と細くなる。
「奈々ちゃん、これって」 「ケーキです」 「大惨事だね」 「ええ、不測の事態に巻き込まれまして」 「そっかー」
でも美味しそうー、なんて棒読みで唱えながら何事も無かったかのようにフォークを手に取った彼女には勿論何も言えないまま、私はポットの中身をそれぞれのカップにゆっくりと注ぎ入れた。 その間も当然、背後のテレビからは聴き慣れた音声とリズムが流れてくる。 むずがゆいような、嬉しいような、たとえが悪いかもしれないけれど、悪戯を見つかりそうな子どもみたいな気持ちが胸いっぱいに広がり始めて大変だった。
「……ん、美味しいね」 「それは良かった。ここのはホント、どれも美味しいんですよー」
彼女が最初に選んだのは、ちょっと不恰好にフルーツたちが並べ直されたタルト。小さく賽の目に切り刻まれた季節の果物を楽しげにフォークに突き刺しながら、一心に口を動かしている。 その幸せそうな姿にほっと息をつきながら私も彼女の隣に腰を下ろすし、フォークを手に取った。真正面にある液晶モニターには極量注意を払わないように、ついでにさり気なく手に取ったリモコンで、ボリュームを少し絞ってみたけれども、幸い彼女は気にした風も無くほっとする。 大皿の手前に位置する上下に分離してしまったのを無理矢理繋ぎ直したレアチーズケーキはもはや、原型を留めていなかった。その上、散りばめられていた桃のジュレはめり込んだり箱の壁へ取り残されていたりしてすっかりと減量してしまっている。けれども、ひと掬いしたふわふわなチーズクリームは風味たっぷりで滑らかで十分に美味しくて思わず頬が緩んだ。
「奈々ちゃん食べてるの何?」 「桃のレアチーズケーキです」 「美味しい?」 「ええ、美味しいですよ」
どうぞ、ってフォークの先に取り分けた一切れを彼女に向けて差し出すと、あーん、なんて声を上げてぱくりと一口。その邪気の無い動作に、更に頬が緩むのを自覚する。
「どうです?」 「ん。美味しい」 「良かった」 「奈々ちゃん、さっきからそればっか」
むう、と気難しげに眉を寄せた彼女に、そんなことないですよ、と心から笑い掛け、私は紅茶のカップを手に取った。
「あ、そだ奈々ちゃん」 「はい?」
随分と満たされた気分で、薫り高い深いそれにそっと唇を近付けた時。
「ライヴに麻美子ちゃん、来てたんだ?」
狙い済ましたような一言に、噴出しそうになった息をすんでの所で引きとめて、ソーサーが激しい音を立てるのにも構わずカップを戻した。
「え? あの、え?」 「すっごい嬉しそうだったねーコメンタリ」
にっこり笑う彼女の笑顔からは、いつもどおり底が少しも見えない。
「なんていうんだっけ、実はめっさ軽いって言ってた竪琴、あれ弾いてたおねーさんも、奈々ちゃんが可愛い可愛い連発する気持ちがすっごく分かったくらい可愛かったし、あの歌、歌ってる時の奈々ちゃんはおもっきり気持ち良さそうだったし」
流れるように言い募りながら少しずつ間合いを詰めてくる笑顔の向こう、ベビーピンクのTシャツに包まれた肩越しに見えるのは、先日発売日を迎えたばかりの私のライヴDVDの映像で、今まさに、彼女が話題にしている楽曲のイントロが小さく始まろうとしている所だった。コメンタリー版では無かったけれども、DVD自体は発売日前に私自身の手で彼女にプレゼント済みだったから、今日までに何度か既に再生済みだったのだろう。 本当に、油断していた。
「ほいでさ、なんでだろ、あの曲の時の奈々ちゃん、いつもみたくカッコいいってよりは、すっごく綺麗に見えたんだよねー」 「あ……あの、ゆ、ゆかり、さん?」
ん?、なんて小首を傾げるように迫る彼女の。 顔は兎も角、その目は少しも、笑ってはいなくて。
「あんな顔、ゆかり、見たことないかもって、ちょっと思ったりして」
吐息を零すことすら躊躇われる、至近距離。 僅かに尖った彼女の唇がほんのりと色づいている様が否応無しに見て取れて。
「あ、でも、だからって別にライヴに呼んで欲しいっていう訳じゃなくて」
するり、と、綺麗に爪を切り揃えられた彼女の指が、自身のこめかみに触れた後、ゆっくりと目の前を過ぎり、私の肩を、とん、と突いた。
「こうして、お部屋で何度でも観る事が出来るし、それに、」
ちらり、と彼女の細められた眼差しが、背後の画面へと流れていく。
「麻美子ちゃんが居たっていうお席からだと、折角のお顔も全然、見えなかったと思うし」 「あー……でも、モニター、とか、」
基本的に、関係者招待席は会場の上階に設定されるものだったから、そこからは確かに、ステージの様子を肉眼だけで捉えるのは困難だったと思う。その分、ステージ上のモニタにはかなりのサイズのものを用意していたから、私の姿は勿論表情なんかも常に、あの広い会場中に十分に伝わっていた筈。 そんな事を思い出し反射的に口にした言葉はけれども、何の助けにもなりはしなかった。
「ん、だからね、」
速度を速めも緩めもせずゆったりと近づいてくる、悪戯っぽく微笑む彼女の眼差しはいよいよ真剣で。 その分、私は少しずつ、仰け反っていくしかなくて。 思わず後ろ手を突いた時には、彼女の右の手は私の肩の上、左の手はソファの背もたれを掴んでいて。 彼女はラフなTシャツに包まれた上半身ごと、触れるか触れないかの距離で私に圧し掛かる位置に存在していた。
「ステージの上の奈々ちゃんはすっごくかっこ良くて、いつもと違って大きく見えて、」
可愛いらしい笑みを湛えた顔。 けどでも少しも笑っていない瞳。 甘くて深い真剣な声。 少しずつ視界と聴覚を支配していくそれらに、自然と私の胸は激しい動悸に苛まれ始める。 多分何処かで予想していた、でもある意味完全に予想外な彼女の言動に、私は呼吸は愚か、瞬きさえ奪われて為す術も無い。
「そんな奈々ちゃんを、あれだけ沢山の人たちがあの場で共有したんだなあって、」
すうっと、細められた眼差しがほんの一瞬、強く揺らめいた。
「それって、やっぱりなんか、悔しいかなあって」 「ゆ、ゆかりさん……」
それって何だか矛盾してますよね、なんて零しかけた言葉を私は危うく飲み込んだ。
「でもねー、会場には行きたくないんだなー。だから余計悔しいんだよねー」
鼻筋にほんの少し皺を寄せるようにしてしかめられた顔が、ピントの限界まで近づいて、ふわりと柔らかい匂いが薄っすらとした熱と一緒に頬に触れて。 優しい振りをした獰猛な獣に睨まれた獲物の気分を味わいながら、でも、頭の片隅酷く冷静な部分がその時、怯えている場合じゃないぞ、と言わんばかりに小さなアラーム音を響かせた。
「――ゆかり、さん」 「なに?」
だから。 鍛え上げた腹筋に目一杯力を込めて。 彼女の可愛らしい小さな悲鳴が耳元を掠めるのにも構わないで。 覆い被さるその身体にしがみつくように抱きついて、一気に半身を跳ね上げる。 考えるよりも先に動いている時の私は、多分、色んな限界を超える事が出来るのだろう。 次の瞬間、私と彼女の体の位置は完全に、入れ替わっていた。
置き去りのモニターからは、聴き慣れた透明な弦の音と自分の歌声が絡み合うようにして流れている。思い出す度に大きく声を張り上げ歌い出したい衝動に駆られる程の、特別な時間が再生されている。 けどでも、今の私の五感はそれらを遠く追いやって、今眼下で呆然とこちらを見上げている彼女の存在に全てを傾けている。 掌の中捉えた彼女の手首は少し力を込めて握れば壊れてしまいそうにか細く。 その唇から零れる乱れた息はこの頬に触れる度に次第に熱を帯び。 組み敷いた拍子にもつれ合った膝や腿は逆に冷やりとした感触を甘い痺れと同時に私のそれに伝えてくる。 潮騒みたいに騒がしい自分自身の血潮が耳の中に響かせる雑音の中、懸命に拾い上げる彼女の微かな呼吸の音。 その見開かれた瞳には、逆光に表情を沈ませた私の姿が綺麗に映りこんでいるのが見て取れる。
「……奈々ちゃん……?」
浅い呼吸音を割って、彼女の驚いたような、けどでも静かな声が零れる。急激に頭に登った血流はそれでも一向下がらず、今の状態から引き下がる気持ちには少しもなれなかった。 何日も前から。 いや、きっと。 あのライヴが終った瞬間からずっと、どきどきしていた。 用意していた彼女の為の席は結局、埋まることは無かった。 仕事やその他に理由があってもなくても多分、そうなるだろうことはもちろん、予想していた。 彼女自身のライヴに私が招待されることがありえないのと同じ位、それは彼女にとっては譲れない、当然の行動で。 だからこそ、かもしれなかった。 ライヴが終りステージを離れて日常へと舞い戻るたび、彼女のことを一気に思い出してしまう。 あの目も眩むような幸せな空間と時間を離れて、その場所に在った自分を振り返るだけの余裕を取り戻した途端、その場には決して現れない彼女へと逸る気持ちがどうしても抑えきれなくなる。 そんな自分を、彼女に、どうにかして、伝えたくて。 分かって欲しくて。 だから、今もこうして。 彼女に対峙しているのかもしれない、と気付いた。
「悔しい、ですか?」
混乱し掻き乱された胸の痛み、その最奥から、何かを引き剥がすようにして酷く冷静な自分が立ち上がる気がして、そのまま口元を苦笑の形に歪めながら零した言葉に、彼女の眉が強くしかめられる。
「……奈々ちゃん?」 「私は、もっと、悔しいです、ゆかりさん」
彼女の呼びかけすら遮るように続けて、ゆっくりと顔を近付けていく。
「私にとって、ステージは、歌は、私の想いを、言葉を、全てを解き放つ最高の場所で手段なんです。なのに、いつも、あなただけがその場には居ない」
彼女の目が、戸惑うようにゆっくりと瞬いた。
「だから、あなたには私自身を全部、ぶっつけるしかないって、思い知らされるんです、いつも」
ライヴでの私を、観客席に居る沢山の人たちと共有することを拒んで。 いつも、たった一人観てくれるあなたには。 多分、結局は、それしかないんだって、思い知らされる。 いつも、いつも。
「私がそんな風に想ってる相手は、ゆかりさんだけで、でも、ゆかりさんは、」 「あー、もうっ!」
溢れる勢いに任せて続けようとした言葉はけれども不意に、鋭い彼女の叫びに遮られた。
「ゆかりね、あんまし頭良くないし難しいこと言われても困るんだけどっ!」
叩きつけるように投げつけられた声に、その意味内容が落ち着くよりも先に文字通り頬を打たれたようになって、私は軽く仰け反った。
「奈々ちゃんが小難しいこと考えてることは分かった。でも、あたしはやっぱライヴには行かないし、だからって、ステージでの奈々ちゃんが凄いこともカッコいいことも認めてるし、ファンの子たちとか、友だちとか皆から物凄く好かれていることも、沢山の人と仲良しなのも、悪いことだなんて思ってないし……ああ、もうっ!」
腕も足も私に押さえつけられているから、唯一自由になる頭をぶるん、って大きく振った後、彼女は俯いた。 そのまま動かないその姿を見つめている内に、冷水を浴びせられたように頭から血が下がってゆくのを覚えて、私は蒼褪めた。
「……あ、あの、ゆ、ゆかりさん……?」 「だからいいじゃんっ、嫉妬くらいしたってっ!」
あー、もう、いっちゃったよー、なんて拗ねたように呟くと、彼女はふい、と顔を思いっきり逸らした。
「やだよーもう、ゆかり、すっごくかっこわるい……」
泣きそうな声、薄っすらと赤く染まる頬、震える肩。 そんな彼女を見下ろしながら、私は、呆然としていた。 なんだ。 嫉妬、って。 え、誰が、何に。 て、言うか。 『誰』に? え、え?
「ちょ、え、あの?」 「離して」 「え?」 「離せーっ」
じたばたと彼女が身を捩る。瞑った両目からは今にも雫が零れ落ちそうで。
「……っ! 離せって言ってるのに」 「嫌です」
離せる訳がない。 人の気も知らないで、DVDなんかで高見の見物決め込んでおいて。 今更嫉妬とか、そんな、可愛いこと言ってる人のこと。
「だーっ! くっつくなーっ!」 「最初にくっつこうとしてきたのは、そっちじゃないですか」
涙目で抵抗する彼女を極力優しく、でも、断固として抱き締める。
「それでも、ライヴには来てくれないんですよね?」 「行かないっつーの」 「ゆかりさんのにも呼んでくれないんですよね?」 「当たり前だっつーの」 「それって、私に嫉妬して欲しいからで、」
どすん、と鳩尾の辺りに重い衝撃を感じてからようやく。 私は、ちょっと調子に乗りすぎたかも、と気付いた。 気付いた時には手遅れで。 彼女の細い膝をまともに喰らった私は悶絶しながらそのまま、ソファの上から見事に転げ落ちてしまっていた。
残りのケーキは全て、彼女が平らげて。 さっきよりも余程大音量でライヴDVDは延々とエンドレスに次々と再生を繰り返され。 完全に臍を曲げてしまった彼女の為に私は、お風呂と夕食の仕度を全力で済ませたけれども。 まともに口を利いてもらえたのは、全てのお片づけが済んで、後は寝るだけ、という時間になってからのことだった。
なんだこれ?(ヲイコラ)
多分、後日大幅に書き直す可能性大。 うっかり読んでしまった方、ホンマすんません(平伏土下座)。
てか、取敢えず。 本日は、此処までー(えーえー)。 0806240023.
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