Onry Me
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2001年05月13日(日) |
父がガンで死んだ時(1)一周忌を経て思う事 |
始めに:
以下の文章は去年亡くなった父に対する私の気持ちや 考えを書いたものです。 その為、極めて私的な内容になってます。 個人の日記スペースとはいえこのような公の場に書く ような事ではないと思ったのですが、一周忌を過ぎ 現在の私の父に対する思いや考え、そして何よりも父の 存在した証しを残したく思い、この場を借りて書かせて 頂く事にしました。
お願い:
つきましては偶然この日記をご覧いなる方もいる事と 思いますが、正直面白くも何ともないと思いますので 興味のない方は読み飛ばす事をお勧めします。
2000年5月13日。 去年の今日、父方の祖父が亡くなりました。 93歳でした。 今日がちょうど祖父の命日です。
去年は私にとって、二人の身内が亡くなるという 不幸が続きました。 二月に父が亡くなり、その後を追うように三ヵ月後に 祖父が亡くなりました。
正直、祖父の死に関しては93歳という事もあり大往生 をまっとうしたという思いが強く、それほど悲しみは なかったのですが父が死んだ時はとてもショックでした。
2000年2月10日。 父はガンにより57歳の年齢でこの世を去りました。
私は父に関して、いまだにやり切れない気持ちが心の中に 強く残っております。
亡き父を想う時、思い出されるのは後悔の気持ちばかりです。
「あの時、ああしとけばよかった・・・こうしとけばよかった・・・」 「あの時、ケンカなんかしなければよかった・・・」 「あの時、父に何って酷い事を言ってしまったんだ・・・」 「もっと親孝行してあげれば良かった・・・」etc
永遠と続く後悔の気持ちを中で私はいつも父に迷惑ばかりかけ、 何の親孝行も出来なかった不甲斐ない自分自身に腹が立つのです。
父が死んであっというまの1年が過ぎ、それから数ヶ月・・・
私は父の人生について最近良く考えるようになりました。 父は一体何の為に生きて来たんだろう? 何を思って死んでいったんだろう? 果たして父は幸せな人生を送れたんだろうか?・・・ 父の死後、そんな事をちょくちょく考えるようになりました。
私は最近、人生とはその人が死ぬまでの間に、この世に どれだけ自分の存在した証しを残せるかって事なんじゃ ないかと思う事があるんです。 うまく言えないのですが・・・
自分の生きた証しを残す事=人生
なのではないかと最近考えるようになりました。
以前、テレビのドキュメンタリー番組で末期ガンに 侵された30代の男性の闘病の様子を放映していたの ですが彼が言っていた言葉で私の心の中で非常に印象 に残っている言葉があります。
彼曰く「死ぬ事に関しては早いか遅いかの違いはあれ、 いずれは誰にでも訪れる事だし、いつ死んでも 大丈夫な覚悟は出来ているから怖くはないのです」 「ただ・・・・、唯一怖い事があるとすればそれは、 私の存在をみんなに忘れられるのが怖いのです。」
彼は今まで三十数年積み上げてきた人生が死によって無に なってしまう事、自分が存在した証しがなくなってしまう 事を恐れていたのです。
その男性はガンと戦いながらインターネットを使い自分の 闘病の様子を日記にして自分の存在している証しを、生き ている証しを他の人に知ってもらおうと必死に書き続けて いたのです。
その当時、テレビを見た私は何故そこまで彼が自分の存在 を他の人に覚えて欲しかったのかピンとこない部分もあっ たのですが、父を亡くした今なら彼の気持ちが痛いほど 解る気がします。
父は私と姉という人(生物)として子孫という最高の証し を残しはしましたが、はっきり言って私は父がそれ以外に もっとも残したかった証しを知っています。
父が個人として残したかった証しを知っています・・・。
私は父が非常に無念な気持ちで死んでいった事も知ってる つもりですし、やりたい事がまだまだたくさんあった事も 知っています。
そんな無念な気持ちで死んでいった父を想う時、 私は何か父の生きた証しを残してあげたいと思うのです。
だからこの場を借りて父の生きた証を書くことにしたのです。
これは誰に見て欲しいとかそういう事で書くのではなく、 父の為、そして私が父を亡くしてからの1年間、父に対する 気持ちの整理をする為に書こうと思っています。
☆父が入院してから亡くなるまでの約二ヶ月☆
1999年12月13日・・・地元、杉並区の総合病院に父入院
1999年12月27日・・・正月の帰宅許可が出て一時帰宅
2000年1月11日・・・・再入院
2000年1月18日・・・父、ガン告知を受ける
2000年1月26日・・・板橋区の病院に転院
2000年2月8日・・・昏睡状態に陥る
2000年2月10日・・・AM9:05分。父、息を引き取り永眠する
父が入院してから死ぬまで、わずか二ヶ月弱の出来事でした。 それは、あっというまの二ヶ月間でした。
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