2001年05月21日(月) |
わんこ物語<完結編> |
夕方、動物病院から電話がかかってきた。 わんこは、フィラリアだったということ。 もう、心臓まで来てるので、助からないだろうということ。 そして、病院の娘さんが、わんこの飼い主を知ってるかもしれないので、連絡してみるということ。
やはり、溝に落ちて衰弱していただけじゃなかったんだ。 命ある間に、飼い主のもとに帰れるだろうか? そんなことを考えながら、翌日曜日。 また動物病院から電話。 飼い主が見つかったと・・・ 代理人と言う人が迎えに来たので、事情を話し、お宅の連絡先を教えておいたのですが、連絡はありましたか?と・・・ 飼い主さんからの連絡はなかった。 動物病院の奥さんは「冷たいどぶの中で死んでいくのは可哀相ですもんね。家に帰れて良かったですね。ありがとうございました。」と言ってくれた。 「そうですよね。暖かい家で、飼い主さんに看取られたんなら良かったんですよね。こちらこそありがとうございました。」 短いやりとりだったが、とても暖かみを感じた。 警察も、土曜日だったので、休みの保健所に連絡してくれて、警察なりの精一杯の対応をしてくれたんだろう。保健所の方も、月曜日の出勤途中に寄ってくれるとまで言ってくれたし、近所の奥様方もいろいろと情報をくれたし、動物病院の先生も奥さんも娘さんまで、診療はもちろん、飼い主探しまでしていただいた。 世の中捨てたモンじゃない。。。
しかし、飼い主さんからは、その後も一切連絡は入らなかった。 別に、お礼をして欲しいというのではない。お礼を言って欲しかったワケでもない。ただ、わんこはどうなったのか、幸せだったのか、私は余計なことをしてしまったのではないか・・・連絡がないことで、そんな心配をしてしまった。
あの子は、飼い主に見守られながら、暖かいお家で息をひきとったんだろう。 寒空の中、冷たいどぶの中で、一人寂しく震えながら死んでいくよりは、ずっと幸せだったに違いない。 そう願う。。。
あの子のおかげで、私自身も沢山の人間の温かみに触れることが出来た。 きっと、もう生きてはいないだろうけれど、あなたの事は忘れないでしょう。 ありがとう。
おわり。
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