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me note diary

2004年01月26日(月) H・

普段勝ち気な女が急に神妙にして、「どうした?」と男に声かけられるのを待っている。
シニカルな仕草して、しゃがみ込んで、上目遣い。
何だっていうんだ?
救ってくれるなんて思ってんだろう?
甘いね。
確かにそんな女に、俺だって弱いかもしれない。
だけど条件付きだ。
「魅力あれば」の話。
鏡を見てからするんだな。
何でも思い通りになると思ったら大間違いさ。


「夢をみたのよ」
仕方なしに、女は話だす。
新しい煙草に火を点ける。
「あの人と久々に再会したの。あの人は結婚してたわ。ねぇ、あたし、思うんだけど、これはすごく象徴的だと思うのね。」
稚拙な言葉。
下品な口紅の色。
けれどそれが、誰かの好みだから。


「象徴的、ねぇ…」
夢判断は慎重に。
被分析者である夢見手は、決して自分の夢を解釈出来ないし、分析者に解釈のヒントを直接与えることは出来ない。


「ねぇ、あの人はもうあたしのものではないんだわ。他の人のものになってしまった。そして同時にあたしも、あの人に縛られる道理はなくなったんだわ。つまり、あたしには、あなたがいるのよ。」


つまらない解釈だと、笑えない。
女にとってそれは本当に真実なんだろうと思うから。


そんなわけで俺は、ひとりの女を完全に自分のものにした、つもりでいます。
それを見て、女は嗤ってる。
男は何時まで経っても、まだまだ、足りないらしい。


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管理人:サキ
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