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diary
2004年01月02日(金) 執着劇
「砂粒をひとつひとつ、数えていたのはあなたかしら。」
知らない女の人にそう声をかけられて、ぼくは戸惑いながら振り向きました。
ぼくはそんなことをしたことは無かったので、
「いいえ。違います。」
と言いました。
その女の人はひどく悲しそうな眼をして、
「嘘をついてはいけません。」
と言いました。
ぼくは嘘などついていなかったけれど、その女の人がそのあとも悲しい顔をして、ぼくを責めるので、ぼくは仕方なくうなだれていました。
その女の人は、ぼくのせいにしたがるのでした。
砂粒を数えるという作業は、とても手間がかかりそうですが、それがどうしてしてはいけないことなのか、僕にはわかりません。
「どうしていけないのですか。」
とぼくが尋ねても、女の人は、それに答えてはくれませんでした。
その女の人は、しばらくして去っていきました。
ぼくが砂粒をひとつひとつ、数え始めたのはそのときからです。
やってみると、それがいけない理由がなんとなくわかりました。
固執するということは、何よりも悪しきことなのです。
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サキ
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