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たったひとつの冴えないやりかた
飲まないアルコール中毒者のドライドランクな日常
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2013年03月18日(月) ソブラエティのための道具 43 ソブラエティのための道具90 が更新されていない、というメールをいただきました。
確かに、最後に42番を更新したのはもう4年近く前です。せっかく半分近くまで来ているのですから、続きを書こうという気になりました。これからポツポツ書いていこうと思います。(んで、下書きをまず雑記に載せる)。
43) 新しい生活が「自分の手に負える」ことを喜びなさい。
Rejoice in the manageability of your new life.
アルコールは私たちの不安や心の痛みを(一時的にですが)和らげてくれました。しらふの生活は心地よいことばかりではなく、不快なこともたくさん待っていましたが、その不快なことを酒でごまかす作戦はもう使えませんでした。
ステップ1はこう言っています。
「私たちはアルコールに対し無力であり、思い通りに生きていけなくなっていたことを認めた」
思い通りに生きていけなくなっていた(our lives had become unmanageable)。
この病気は「その人のやりたくないことをさせる病気」だと言います。私たちは、決して人に迷惑をかけたかったわけでもなく、人生や生活を壊したかったわけでもありませんでした。でも病気のせいで、いろいろなことを台無しにしてきました。
だから私たちは酒をきっぱりやめようとしました。でも、再飲酒が待っていました。飲むのは良くないと分かっていながらまた飲んでしまうのであれば、やはり思い通りに生きているとは言えません。
ビッグブックの87ページには
「私たちはアルコホーリクであり、自分の人生が手に負えなくなった」
(we were alcoholic and could not manage our own lives)
という文章があります。私たちの飲酒は自分の手に負えない状態でした。酒をコントロールして飲もうと悪戦苦闘しましたが、できませんでした。だから、酒をやめざるを得なくなりました。やめると決めたからには、二度と酒に手を出さないと自分に誓いましたが、また飲んでしまいました。私たちの酒の問題は解決不能に思えました。
ところが、酒の問題を「自分では解決できない」と受け入れたとき、解決への方向付け(導き)が与えられました。
人生の他の問題も同じでした。私たちが様々な問題を、自分の思ったとおりのやり方で解決しようと思うと、私たちの不安や心の痛みは増していきました。自分のやり方を諦め、ただ解決することを望んだとき、何かしらの解決がもたらされました(それは時には「変えられないものを受け入れる」という解決かもしれませんが)。
「AAのプログラムには逆説が多い」と言う人がいます。自分では解決できないと認めることが、アルコールの問題の解決につながります。同じように、酒を飲まなくても人生には様々な問題が起きてきますが、それを自分の望み通りに解決しようとしないことで、私たちの新しい生活は「手に負える」ようになります。
私たちは人生をうまく扱えるようになりました。それは自分の望み通りのやり方ではなかったかもしれませんが、ともあれ新しい生活が「自分の手に負えるもの」であることは、喜ばしいことではないでしょうか。なにせ飲んでいたあの頃は、私たちの人生はまったく自分の手に負えず、自分の望みとは反対のことばかり起きていたのですから。
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