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たったひとつの冴えないやりかた
飲まないアルコール中毒者のドライドランクな日常
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2009年12月05日(土) mil 原点回帰運動について(その8) 読んでいる方も飽きているかもしれませんが、書いているほうも飽きてきました。けれど、もう少しビッグブックのやり方全般の話を続けてみます。
「棚卸しのやり方がわからない」という質問をたまに受けますが、ビッグブックのp94〜95には見開きで棚卸表があり、その通りに書けばいいわけです。しかし、なかなか書けないのは、それが「誰を恨んでいるか」「何を恐れているか」「誰を傷つけたか」という表だからです。自分は誰も恨んでいないし、何も恐れていない、誰も傷つけてない、という否認が強いうちは棚卸表はなかなか書けません。
ビッグブックはその表に至るまで百数十ページありますから、それを分かち合ううちにスポンシーに自分を点検したい意欲を起こさせることが、スポンサーに必要な技量なのだと思います。
表の第一欄は「恨んでいる相手(恐れている相手・傷つけた相手)」、第二欄は「その理由」、第三欄は「自分の何が傷つけられたから恨んで(恐れて)いるのか」です。見開きの表は第三欄までですが、第四欄が付け加えられた表を使う人たちもいます(僕も)。第四欄は「自分自身の誤り」で、p.98とp.101の記載が根拠になっています。
僕は恨みの表・恐れの表・性の表(傷つけた表)の三つを使いますが、四つ表を作る人もいれば、一つで済ませる人もいます。
僕はスポンシーには「親に対しての恨みをたくさん書いて欲しい」と頼みます。人は幼い頃の親子関係から人間関係を学んでいきます。そして成人後、まるで親のコピーのように振る舞うか、あるいは親を否定して正反対の像になります(実際には両者がモザイクのように共存している)。いずれにせよ、現在のその人の対人関係のスキルや、性格上の欠点は、親から受け継いだものです。スポンシーの悩みは現在の家族(妻や子)に集中していることが多いのですが、親との関係を洗わない限り欠点が見えてこないと考えています。
親子関係にフォーカスをあてることは僕がスポンサーをやる中で身につけた技量であり、ビッグブックには書いてありません。いくつの表をどう使うかも書いてありません。つまり、ビッグブックの原理の部分と、スポンサー個人の技量の部分が存在しているのだと思います。
「棚卸しのやり方がわからない」という質問に対して、表だけ提示しても意味がないのは、それがスポンサーと一緒に動機を形成し、スポンサーと一緒に分析していくことが前提だからです。このサイトでも(ビッグブック関係の)棚卸し表はダウンロード可能にしていませんし、他でも積極的にやっていないはずです。
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