ホーム > 日々雑記 「たったひとつの冴えないやりかた」
たったひとつの冴えないやりかた
飲まないアルコール中毒者のドライドランクな日常
もくじ|過去へ|未来へ
2009年11月11日(水) 「神」って? 先日AAの病院メッセージでのことです。
この雑記はAAメンバーでない人も読んでいるので、ざっくり説明すると、AAメンバーが病院を訪問して患者さんと話をすることです。普段のAAミーティングの形式でやる場合が多いと思います。Grapevineを読んでいたら、take meetings to hospital/rehab という一節があったので、海の向こうでも同じことをやっているのでしょう。
ハンドブックの序文・3章・5章を読んで、参加したAAメンバー全員が話をし、余った時間で患者さんに話をしてもらいました。その中の一人が、「このパンフレットに神という言葉が出てきますが、神って何ですか?」という質問をされました。
質疑応答になってしまうと分かち合いにならなくなってしまうので、質問は後回しにしてもらって、終わった後で個人的に話をすることにしています。「AAは宗教とは無関係だ」と言っても、そういう人の疑いは晴れません。そこで、手短にこんな話をすることにしています。
どうして人は教会や神社で結婚式を挙げるのでしょう。どうして人が死ぬとお坊さんを呼んで葬式をするのでしょう。七五三や受験のお願い、あるいは初詣に神社仏閣に行きます。それはなぜか?
世の中には人間の力ではどうにもならないことがたくさんあります。日本人は古来から、生きている人が幸せになるためには(死んだ人が安らぐためにも)、人間の努力だけでは足りないことを知り、神や仏を頼ってきました。あなたもそれを強く意識しなかったかもしれませんが、初詣には行ったことがあるでしょう。それが信仰心というものです。
ただ、日本人の多くは信仰の「ブランド」にこだわりをもたないので、七五三は神社、結婚式はチャペル、葬式はお寺なんてことになります。AAも同じで、あなたがどのブランドの信仰を持っているか、あるいはなにも持っていないか、まったく意に介しません。どこか特定のブランドに押し込められるのじゃないか、と心配する必要はまるでありません。
ただ、酒をやめていくのに自分の力だけでは足りない、と考えはAAの基本です。あなたが反発を感じているとしたら、そちらのほうではないのですか?
もくじ|過去へ|未来へ