ホーム > 日々雑記 「たったひとつの冴えないやりかた」
たったひとつの冴えないやりかた
飲まないアルコール中毒者のドライドランクな日常
もくじ|過去へ|未来へ
2009年08月03日(月) 禁煙について 体重は計測なし。
晴れ。
僕の禁煙については「家路」本体にも書いてあるので、興味のある人だけそちらを読んでもらうとして、今回は禁煙補助薬のことを。
僕がやめた当時、医者が使えた補助薬はニコチンパッチのみでした。当時は禁煙に健康保険適用がなかったので全額自己負担で、一週間分が約1万円でした。これが約4週間分。後半はパッチのサイズが小さくなる分だけ多少安くなり、診察料ともあわせて総額4万円ほどでした。
その後しばらくして、ニコチンガムが使えるようになり、禁煙治療にも健康保険が使えるようになりました。
最近登場した「チャンピックス」という服用薬は、なかなか良い薬のようで、禁煙成功の話もたくさん聞きます。このチャンピックスとはどんな薬なのか、ちょっと調べてみました。
依存症の治療に使う薬は、アゴニスト(作動薬)かアンタゴニスト(拮抗薬)のどちらかです。
人の脳には、依存物質ごとにそれを受け止める受容体があります。この受容体が(例えばアルコールで)刺激されれば、渇望感が消える仕組みです。そこで受容体を別の薬(アゴニスト)で刺激してやれば、渇望が消えて楽にやめられる、という理屈です。
アゴニスト(作動薬)としては、オピオイド(ヘロインやモルヒネ)の依存症に使うメサドンが有名です。オピオイド受容体を別の薬(メサドン)で刺激してやれば、楽にヘロインがやめられるわけです。これをメサドン置換療法といい、ヘロイン依存をメサドン依存にしているだけなのですが、ヘロインよりメサドンのほうが害が少ないわけです。このメサドンがやめにくい薬なのだそうですが、それは別の話。
「依存」と「寛解」という言葉を知っている人は、「アゴニストによる治療中」という分類もあることを知っているでしょう。アゴニスト投与が終わってからが寛解時期のカウント開始です。
アンタゴニスト(拮抗薬)については詳しく書く必要はないでしょう。アルコールで言えば抗酒剤のことです。受容体を邪魔して気持ちよくさせない(気持ち悪くさせる)ことで、依存対象を忌避させようというアイデアです。
前述のチャンピックスは、ニコチンパッチやガムのようにニコチンを含んだ薬ではなく、アゴニスト&アンタゴニストの薬だそうです。まずアゴニストとしての機能があってタバコへの渇望感を減らしてくれます。同時にアンタゴニストとしての機能もあり、タバコを吸ってしまったときの満足感を減らす効果もあります。
チャンピックスは依存性の少ない薬のようで、「タバコはやめられたが、今度はチャンピックスがやめられなくなった」という話はないようです。再発率も高いようですが、これは依存症全般に言えることで、仕方のないことなのでしょう。
チャンピックスの3ヶ月分で、自己負担が2万円弱だそうです。いまは良い薬があってうらやましい。ああそうだ、副作用にうつ症状が出る場合があり、うつ病持ちの人は要注意(禁忌なのかどうか)だそうです。
もくじ|過去へ|未来へ