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たったひとつの冴えないやりかた
飲まないアルコール中毒者のドライドランクな日常
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2008年07月18日(金) 木曜金曜 木曜日の話ですが、会社の新人歓迎会でした。
新人さんは、事務のパートさんで、お年は26才。ただし、事前に確認があって、実は彼女は○○さんの奥さんなんだけれど、それで仕事が何となくやりにくいようなら、雇用の話はなかったことにするから・・という打診がありました。そこで「嫌だ」と言える人は滅多にいないと思うのですが、どうでしょうか。
○○さんは40才だから奥さんは14才年下。はっきり言って上司に頼んでの縁故採用なんですが、それにしても会社に行っても妻がいるって、僕だったら望まないところです。会社の文書管理システムを探してみたら、慶弔報告の中に、先月結婚したという告知が入っていました。新婚さんだったんですね。
ところがです。歓迎会で奥さんのほうの隣に座ったので、ちょっと突っ込んだところを聞いてみたところ、実はこのお二方、籍を入れたのは先月だけど、二年半前から同棲していたのだそうです。当時ダンナのほうが38才、奥さんは23才か。僕も見習わなくてはいけませんね。
ところで○○さん。こんな若い奥さんがいるんですから、しょっちゅうデロデロに酔っぱらって帰るのはよした方が良いですよ。でも、歓迎会では奥さんが飲んでいて、ダンナはハンドルキーパーでした。
僕が離婚したことは職場では上司(と総務)以外にはまだ伏せてあったのですが、いつまでも隠しておいても余計な気を付かせてしまうので、宴席でカミングアウトしておきました。やっぱり皆の関心は「慰謝料とか、養育費とか、どうなんですか?」という話であります。新婚の夫婦を横に「今の日本では3組に1組が離婚するのです」という話をしてしまいました。
金曜日は精神科医の診察日。先月会社の健康診断があり、たまたまその結果のコピーを持っていたので、先生に見せました。もう先生が肝臓の数値をカルテに書き写すこともありません。
健康診断の結果は「体重の減少」以外は異常なしです。そして、体重の件はかかりつけの医者に相談しろと指示が書いてあります。なので、それから体重の話になりました。
「いまよりずいぶん太っていた時期がありましたよね」
「あれは確か薬のせいでしたよ」
「ミラドールですね」
生命の系統発生図ってのがありますが、医薬品も系統発生のように開発されていくのだそうです。少しずつ化学構成を変えて新しい薬を作っていくのですから、生物進化の過程に似るのも当然かもしれません。そして、ミラドールのご先祖は消化器系の薬だったのだそうです。
現にミラドールはうつや統合失調の治療にも使われる向精神薬ですが、胃潰瘍の薬でもあり、胃粘膜の血流を良くして治りを早める効果があります。そして胃腸の働きを活発にする=食欲不振を解消する効果もあるので、食べ過ぎて太ってしまうわけです。
あの頃、体重抑制のためにいろいろ努力をしましたが、一番効果が大きかったのは、ミラドールを処方から外したことだったのかもしれません。太っていた頃に知り合った人々は、痩せた僕を見て病気かと心配してくださいますが、単に「元に戻っただけ」なのです。
「食べられないならミラドールを処方しましょうか?」
「薬を使ってまで体重増やそうとは思いません」
そんな感じで、少し長めの診察でした。ちなみに、ミラドールはドグマチールという商品名のもあります。こう書くと「私は痩せたいので、ドグマチールをやめてもらうように医者に言う」という人が出てきてしまうかもしれません。必要な薬だから処方されているってことは忘れないでください。
うつを改善する薬に食欲を増す効果があるならば、逆に食欲を抑えるダイエット薬に「うつになる」副作用があっても不思議ではありません。スリモナ(リモナバン・アコンプリア)という食欲抑制剤がありますが、これは10人に一人にうつ、100人に一人に自殺企図の副作用があって、うつ病の人には禁忌となっています。
うつの治療経験を正直に申告すれば、食欲抑制剤を処方する医者はいないだろうと思います。精神全般にブレーキがかかった「うつ状態」の治療するために、アクセルを踏むための治療薬を飲めば、同時に食欲が刺激されて太ってしまうこともあります。そこで高価なダイエット薬・ダイエット用品を購入したり、運動に金を使うよりも、うつを早く治す努力をしたほうが安上がりなんです。
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