心の家路 たったひとつの冴えないやりかた

ホーム > 日々雑記 「たったひとつの冴えないやりかた」

たったひとつの冴えないやりかた
飲まないアルコール中毒者のドライドランクな日常
もくじ過去へ未来へ


2008年04月16日(水) Jさんの物語(その6)

さて親密だったはずのJさんと「彼」。
しかし彼は突然限界を越えてしまったかのように、Jさんに暴言を吐き、拒絶の態度を取るようになりました。彼女を置いて一人で帰ろうとする彼を、彼女は「帰らないで」と言って抱きつき、30分から1時間泣きわめいて止めたのです。

実はこうした事態は数ヶ月前にもあった、とJさんは告白します。だからその二の舞は避けたいと、彼の側は冷静を努めていました。ところがJさんほうは、「自分がとたんに幼児のようになり、『見捨てられる事がその瞬間死ぬ程の恐怖』に変わってしまったのだ」と言います。

その時彼女の頭の中には、ずっと以前に彼女が離婚を経験したときの混乱が再現されていたそうです。それでも彼は、Jさんを無理矢理引き離して帰って行くのでした。

AAメンバーでもある彼は、数年間飲まないでいる生活を維持していたのですが、Jさんとの交際を初めて数ヶ月後に再飲酒し、加速度的に悪くなって精神科に入院を勧められるほどになってしまいました。だから、彼の飲酒による心の荒廃が、この修羅場をもたらしたと考えることもできます。

ところが、飲んでいる彼との交際続行を希望するJさんのスタンスは、「そんな彼を助けてあげたい」という共依存的なものではなく、拒絶されても捨てられたくないというしがみつきです。

おそらくJさんにアルコール乱用の時期があったとしても、それは依存症ではなく、ボーダーの「自己破壊的行為」の一つにすぎなかったのではないか、という考え方もできます。

まあ、メールという狭い窓から覗いた風景で、全体を判断するのは誤りのもとかもしれません。しかしながら、二人とも男女のつきあいをするには回復が足りなかった・・ということは確かに言えると思います。

明日は、僕がこのときに返信したメールの内容です。


もくじ過去へ未来へ

by アル中のひいらぎ |MAILHomePage


My追加