心の家路 たったひとつの冴えないやりかた

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たったひとつの冴えないやりかた
飲まないアルコール中毒者のドライドランクな日常
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2008年03月28日(金) 孤独か衝突か

人間関係の悩みを解決する一つの方法は、孤独を選ぶことです。
そもそも人間関係がなければ、それで傷つくこともありません。
だから人は、アパートの一室に、あるいは二階の自分の部屋に、引きこもってみたりするわけです。

僕も飲んでいた頃は非常に孤独でした。自分で選んだ孤独なのですが、一方で淋しい気持ちも強く、誰かと親しくなりたいと思っていました。けれど、誰もこんな自分とは本当の意味で親しくなりたくないのではないか、と恐れていました。
孤独な人間にとって、自分から親しさを求めて拒否されることほど恐ろしいことはありません。だから、単調な孤独が続くほうを選んでしまいます。
実際には、自分が他者と親しくなるのを拒否しているだけなのですが、それを自分の落ち度として認めたくはありませんから、相手に「私とは親しくなりたくない」という責任転嫁しているのです。

どんなに親しい人であっても、いつも思い通りに動いてくれるとは限りません。どんなに信頼した人であっても、裏切られることはあります。人間関係を持てば、傷つくこと(傷つけられること)があるのは避けられません。
それでも多くの人たちは、孤独よりは、人間関係の悩みを選びます。

つまるところ、絶え間のない孤独か、それとも人間関係の悩みか、そのどちらかしか選びようがないのでしょう。時には出入りの少ない人間関係の中で、波風の少ない安定した状態が続くことがあり、孤独ではないが悩みもない平穏が続くこともあります。しかし、人はわがままなものですから、いつかはその平安も破綻します。

実は孤独であっても人間関係の悩みが無くなるわけでもなく、自分を拒否している(親しくしてくれない、思うようにしてくれない)誰かを恨むことは避けられません。だとすれば、わがままな自分とわがままな相手が付き合って、傷つけあっても孤独よりはましだと思うのです。


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by アル中のひいらぎ |MAILHomePage


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