ホーム > 日々雑記 「たったひとつの冴えないやりかた」
たったひとつの冴えないやりかた
飲まないアルコール中毒者のドライドランクな日常
もくじ|過去へ|未来へ
2008年03月09日(日) 14年前 ちょうど14年前の今頃で、僕はまだ酒を飲んでいる頃のことです。
僕はその半年ほど前から地元で就職活動を始めたのですが、長野の田舎では車が運転できないと通勤にも支障がある・・ということで最初の何回かの面接は空振りばかりでした。そこで、まず車の免許を取ることにして、3ヶ月ほど教習所に通いました。
もちろん、僕の乗る教習車内部の空気は、前の晩に飲んだ僕の酒ですっかり酒臭くなるのが通例でした。今のご時世なら、教習所からたたき出されていたことでしょう。
教官に嫌われ、普通の人より時間はかかったものの、なんとか免許を取り、親に金を出してもらって中古車を買い、それでなんとか面接に合格して仕事にありつくことができました。
正社員として働くのは10年ぶりぐらいでした。
勤めだして数日後に、近所のパチンコ店で殺人事件が起きました。景品交換所の人が殺され、現金が強奪されるという事件でした。さっそく刑事が聞き込みに会社にもやってきました。僕は刑事の聞き込みを受けるのは初めてでした。刑事の姿は噂に聞いていたとおりでした。一応きちんとスーツを着ているのですが、疲労が服にも表情にも及んで「よれよれ」の印象を与えます。けれど、眼光は鋭いのでありました。
刑事はたびたびやってきました。数人しかいない社員をまとめて、あるいは個別に話を聞いていきましたが、むろん僕らがめぼしい情報を持っているわけがありません。僕などパチンコをしたことすらないので、景品交換所なんて本の知識でしかありませんでした。
結局犯人が判明しないままに、時間が過ぎ、事件は人々の記憶から消えていきました。昨日地元の新聞に「公訴時効まで1年」という記事がでて、それで14年前を思い出した次第です。
もくじ|過去へ|未来へ![]()
![]()