心の家路 たったひとつの冴えないやりかた

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たったひとつの冴えないやりかた
飲まないアルコール中毒者のドライドランクな日常
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2008年03月02日(日) やれやれ

家電店に寄ったついでにプリンターのインクを買おうと思ったのですが、古い機種用のものはもう売っていませんでした。メーカーとしてはまだ売っているのでしょうが、売り場には流動性の悪い商品はもう置いてくれないのでしょう。

先日田舎の田んぼの真ん中に建っているデパートに行き、そこにテナントとして入っている家電店の売り場を冷やかしていたのですが、MD DATAのメディアとか、データDAT(DDS2)のテープとかを売っていたのでびっくりしました。東芝がHD DVDからの撤退を発表しましたが、メディアはいつまで売り続けられるのでしょう。

前の会社に勤めていたときに、お客さんから「フロッピーディスクドライブが壊れたので交換部品が欲しい」と電話がかかってきて、耳を疑ったことがあります。工場のような信頼性の要求されるところで、フロッピーみたいなドライブもメディアも壊れやすい媒体を使うでしょうか?
しかし詳しく話を聞いて、5インチのフロッピーで、納入されたのが1980年代とわかり、なるほど当時なら他に選択肢がなかったと納得しました。僕と同年代かそれ以上の技術者の方ならば、8インチフロッピーという団扇みたいにデカい媒体をご存じでしょう。

機械は売られなくなっても、それを動かす消耗品はいつまでも求められるものです。

話は変わります。
アメリカの公民権運動(人種差別撤廃運動)について詳しくは知りませんが、キング牧師の名前は覚えています。特にキング牧師の演説 "I have a dream" (私には夢がある)は僕の好きな文章です。

だがある時彼の伝記を読み、彼が女性問題を抱えていたことを知り驚きました。彼は牧師ですから、妻があり子もあったのですが、全米を行き来して公民権運動を指揮している頃、投宿先に女性を同宿させていました。彼自身そのことに悩んでいたものの、意を決して女性と別れると、また別の女性ということになって解決しなかったようです。
彼が最後に暗殺されることでわかるように、彼の運動は常に社会との軋轢の中にあり、その大きなストレスの解放が女性であった、と伝記は彼に同情的でした。が、やはり人間としては罪であろうと思います。

僕はその時いろいろ考えたのですが、結局彼に対する尊敬の念は揺らがないという結論に達しました。彼は自分が弱い人間であることを認めていました。僕はそれまで、強い人間でなければ世の中は変えられないと思ってきました。けれど、何かを変えるのに強くなる必要は無いことを学んだのです。

どんな人間でも雪のように純白の潔癖にはなれません。僕は強くて正しいことにあこがれていました。そういう人(そう見える人)を尊敬し、愛しており、自分もそうなれれば尊敬と愛を集めるだろうと夢想していました。けれど決して自分がそうなれないことも感づいていましたから、同時に憎んでもいました。しかし、自分の弱さを自分が許せるようになるという変化が与えられたとき、人の弱さを許し、弱さを抱えた人を愛せるようにもなりました。

僕はかの牧師のように世の中を変えることはないでしょうが、弱くて汚い人間として生きていければそれでよいと思っています。

週末二日続けて、AAの仲間の棚卸しを聞きましたが、どちらも終わりませんでした。

けんちん汁vs豚汁問題と、一品香について教えて頂いて、ありがとうございます。
僕の中では「豚肉なし=けんちん汁」「豚肉あり=豚汁」という分類にしたいと思います。


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by アル中のひいらぎ |MAILHomePage


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