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たったひとつの冴えないやりかた
飲まないアルコール中毒者のドライドランクな日常
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2007年11月21日(水) 研修会メモ書き(primary disorder) 長野県北部には断続的に雪が降るという予報でした。
実際にミーティングからの帰りには、雪が舞っていました。ただ、気温がまだ零度付近なので、積もるようになるのは先の話でしょう。
さて、研修会の話。
非常に基本的な話として、依存症全般は「原発的な疾患」であるという話。
依存症ではない人が、例えば大失恋という辛い体験が乗り越えられなくて、酒に溺れることで失意を紛らわそうとしたとします。この人が毎日酔っぱらっていたとしても、大元の原因である失恋が取り除かれれば・・・、つまり時間の経過によって脳がバランスを取り戻すとか、別の恋愛をするとか・・もはや酒を飲んでごまかす理由もなくなるので、酒に溺れることもなくなります。
心の悩みという原因があって、飲んだくれという結果が生まれます。
精神科医やカウンセラーのところに持ち込まれるトラブルには、表面的な症状とは別に、トラブルの原因となっている他の問題が潜んでいることが多いのだそうです。
一方依存症の場合には、最初は他の問題のために飲酒が始まったのかも知れませんが、この病気になってしまったら、もう原因を取り除いても、飲酒が止まるわけではありません。飲んだくれていることが、さらなるトラブルを呼んでいるわけで、トラブルを周囲の人が解決したからといって、依存症は治まりません。
依存症そのものが primary 第一の、主要な、おおもとの病気です。家族(奥さんやお母さん)から、こんなに本人が飲んだくれているのは、なにか心の悩みが原因ではないか、という相談を受けることがありますが、原因探しをしても始まりません。
だから、女優のお母さんが記者会見して謝罪しても、何も解決しません。親の育て方が悪かったという話でもありません。だって息子ももう成人男性なんですし、問題は薬物依存という病気なんですから。NAでもDARCでも、金があるなら海の向こうのどこかの施設でも、放り込んであげるのが適切な行動ということです。
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