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たったひとつの冴えないやりかた
飲まないアルコール中毒者のドライドランクな日常
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2007年08月23日(木) AAの源流 オックスフォード・グループ運動(Oxford Group Movemnt)というのがありました。(19世紀のオックスフォード運動とは別のものです)
アメリカ人の牧師でブックマンという人が、イギリスを旅したときに宗教的回心を経験し、その手法を伝えていくことを目的とした集まりでした。その手法というのが、罪の自己点検、告白、償い、信仰の証という手順でした。これがAAのステップの源流です。
ブックマンはこれを宗教運動と位置づけていたようで、この運動に「第一世紀キリスト者共同体」という名前を付けていました。オックスフォード・グループという名前は、彼が最初にイギリスのオックスフォード大学の学生相手に広めたことから、メディア側がつけた名前でした。
ビル・Wのスポンサーであるエビーや、ドクター・ボブもこのグループのメンバーでした。ただ、少なくともドクター・ボブの回復には、オックスフォード・グループだけでは不十分であり、ビルとの出会いが必要でした。
ビルはアル中相手に宗教を説くことに疲れていましたし、その後二人の周りに集まったアル中は大部分が無神論者だったこともあって、数年後にこの人たちはオックスフォード・グループを去り、AAという名前のグループをはじめます。その過程で宗教色は可能な限り薄められていきました。
その後オックスフォード・グループのほうは、道徳再武装(Moral Re-Armament)運動と名前を変えて全世界に広がっていきました。その性格は平和運動へと変化して、人種や宗教の壁を越えた道徳的集合を掲げるようになります。その後下火になり、現在ではまた名前を変えて活動しているようです。
このグループは「四つの絶対性」というものを信条にしていました。絶対正直、絶対純潔、絶対無私、絶対愛の四つです。この四つの絶対性は、直接にはAAに受け継がれませんでした。かわりにAAでは、絶対性に相対する「四つの性格的欠点」という考え方を選びました。わがまま・不正直・恨み・恐れの四つです(P121)。
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