ホーム > 日々雑記 「たったひとつの冴えないやりかた」
たったひとつの冴えないやりかた
飲まないアルコール中毒者のドライドランクな日常
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2007年07月31日(火) 宗教の勧誘 一人暮らしのアパートで飲んでいた頃、良くやってきたのが宗教の勧誘でした。当時の多摩地方では、えほばやものみやまひかりなどが熱心に活動していました。まあ、たいてい僕は「間に合ってますから」と、新聞の勧誘を断るのと同じ言い訳でドアを閉めていました。
ある時、下北沢の居酒屋で3人で飲んでいたときのこと。メンツは僕と、僕のプログラミングの導師、それから北陸出身のパンクロッカーだったと思います。そこはよく行った店で、板さんにも、店長にも顔を覚えられ、つまみ類もお任せで頼んで飲んでいました。
その時も、終電の時間が過ぎて、たいていの客が帰った後も、僕らは飲み続けていました。すると、隣のテーブルで残って飲んでいた二人組が、「一緒に飲んでも良いですか」とこちらのテーブルに移ってきました。
しばらく世間話などしていたのですが、そのうち二人組が宗教の勧誘をはじめました。どうやら仏壇を売るところらしい。どだい3時間も酒を飲み続けてきた人間を相手に、さらに飲みながら布教しようと言うのだから無理な話です。
こちらはおたく3人組だから、相手の話を聞かずに自分たちの好きな話をするだけでした。おたくってそういうもんでしょう。その時も、布教の話はお構いなしで、共産圏のSF作家の話から、カルピスこども名作劇場の話へ、そしてヨーロッパのプログレッシブロックの話、ふくらはぎと太ももの太さの比率論などへと変遷していきました。
ますますこれは救済しなければならない魂だと思ったのか、大学生二人の勧誘は熾烈を極めましたが、残念ながら閉店の時間が来てしまいました。
勘定を済ませて店を出ようとした僕らに、おたくにあしらわれたのが気に入らなかったのか、なおも食い下がろうとする二人。「常連さんに迷惑かける客は出入り禁止」と言い出した板さんと、「うるせー俺たちゃ客だ」と言い出す二人組との間で口論が始まったようでしたが、僕らは店を出されたので、その後どうなったのか知りません。
その後は、小田急OXで酒を買って、導師のアパートで朝まで飲み直したんだと思います。
そう言えば兄が家を新築した頃、おばさん二人組が宗教の勧誘で訪れたという話もありました。兄は玄関先で焼酎を飲みながらおばさんたちの話を二時間聞いたそうで、4号瓶の焼酎が二本空いたそうです。もちろん、おばさんたちは迷える魂を救済することはできませんでした。
ともかく、酔っぱらいに布教するのは無駄だと言うことです。
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