ホーム > 日々雑記 「たったひとつの冴えないやりかた」
たったひとつの冴えないやりかた
飲まないアルコール中毒者のドライドランクな日常
もくじ|過去へ|未来へ
2007年07月26日(木) 分からないことの良さ AAというのは「なんだかよく分からないところ」であります。
その、分からなさが良い点なのでしょう。
分からないままでも参加していれば、だんだんおぼろげに分かってくるものでしょう。最初は難しいことは要求されません。簡単な提案がされるだけです。例えば、休まずにミーティングに通うことなどです。
ある程度分かったようなつもりになってくると、必ず次の課題が見つかってきます。そうやってゆっくりと進んでいきます。
依存症からの回復はゆっくりとしか進まず、時にはぶり返しも伴うものですから、ゆっくり進めるのは良いことだと思います。
「分からないからいいんだ。分かったら飲んじゃう」
というのがスポンサーのスポンサーから伝わってきた言葉です。
AAの中で人より秀でる必要はありません。なにも世の中全般の競争原理を、ここまで持ち込んで生きなくても良いのです。でも優等生タイプにはそのことが分からないようです。彼らは、他のメンバーに追いつき、追い越すことを自分に課しています。
いろいろなことが分からないでいるうちは、一見謙虚に人の言葉に耳を傾けていますが、やがて2〜3年もすると「もうAAに学ぶべきものは何もない」とでも言いたげに来なくなってしまいます。彼らは「分かってしまった」のです。
しかし、彼らがその後また飲んでしまうことをみると、どうやら彼らも実は何も分かっていなかった、というのが真実でしょう。
ゆっくりと、分からないままに進んでいけば良いのだと思います。
もくじ|過去へ|未来へ