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たったひとつの冴えないやりかた
飲まないアルコール中毒者のドライドランクな日常
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2007年07月24日(火) まだ表紙がモノクロだった頃のBOX-916(AAの機関誌... まだ表紙がモノクロだった頃のBOX-916(AAの機関誌)に、「いくらハイヤー・パワーだなんだと言ってみても、最初の一杯に手を付けないのは、意志の力ではないのか」という投稿が載ったことがあります。
BOX-916がAAの月刊誌ではあっても、AAの統一見解が載っているわけではなく、ひとつのトピックに対して様々な意見が載るのが通例です。その時は、「やっぱり目の前の一杯を我慢するのは意志の力だよ」という意見が多かったような気がします。
いま僕の職場の機材用テーブルの上には、缶ビールが10本ぐらい載っています。お中元で届いたものを、職場メンバー全員に配ることになったのですが、僕のように家族を含めて誰も酒を飲まない人もいれば、外では飲んでも家では飲まない人も多く、大部分がそのまま放置されています。
職場では冷房嫌いな人も多く、この暑さでも一日エアコンを入れずに終わることもしょっちゅうです。ネクタイや作業着の着用が義務づけられている職場ではないので、涼しい格好で乗り切っています。きっとサングラスにアロハに短パンにビーチサンダルで出社しても、誰もなにも言わないでしょう。
いくら涼しい格好をしても、暑いものは暑いままです。
そしてふとテーブルに目をやると、そこにはスーパードライの缶の銀色の輝きが・・・。発泡酒や最近の新しいビールは味を想像しようとしてもできませんが、スーパードライにはさんざんお世話になりました。飲みたくなって当然であります。
それを飲まないのは意志の力だと思います。でも、意志の力が働くのは(酒に関しては)正気だからです。
ところが、一般人に紛れて暮らしていると、いつか「どうせ余っているビールなんだから、僕がもらって帰って飲もう」とか、「あのビールには手を出せなかったから、かわりに自動販売機で冷えたヤツを買って飲もう」とか思ってしまう可能性が大です。つまり狂気に支配されてしまうわけです。狂気に支配されているときには、意志の力は働きません。
目の前の一杯を飲まないのは意志の力かもしれません。でも、意志の力がきちんと働く状態を保つには、AAプログラムが必要です。
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