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たったひとつの冴えないやりかた
飲まないアルコール中毒者のドライドランクな日常
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2007年03月04日(日) アル中的性格 アルコール依存症者特有の性格ってのが、たぶんあるのでしょう。「性格」と呼ぶよりは、「欠点」とか「社会的不適合」のリストとか呼んだ方が良さそうですけど。
まず最初は、アル中さんに多いと言われる自己愛性人格障害の診断基準をひいておきます。
自己愛性パーソナリティ障害
1) 自分の重要性に関する誇大な感覚
(例:業績や才能を誇張する。十分な実績がないにもかかわらず優れていると認められることを期待する)。
2) 限りない成功、権力、才気、美しさ、あるいは理想的な愛の空想にとらわれている。
3) 自分が“特別”であり、独特であり、他の特別なまたは地位の高い人たちに(あるいは施設で)しか理解されない、あるいは関係があるべきだ、と信じている。
4) 過剰な賞賛を求める。
5) 特権意識、つまり、特別有利な取り計らい、あるいは自分の期待に自動的に従うことを理由なく期待する。
6) 対人関係で相手を不当に利用する、つまり、自分自身の目的を達成するために他人を利用する。
7) 共感の欠如:他人の気持ちおよび欲求を認識しようとしない、またはそれに気づこうとしない。
8) しばしば他人に嫉妬する、または他人が自分に嫉妬していると思いこむ。
9) 尊大で傲慢な行動、または態度。
(診断基準は5点以上)
次は、僕が入院した時にもらった依存症のテキストから「アル中的性格」を引用します。
1) 感情的に未熟である。
(例:何でもないことで腹を立てたり、得意になったり。自分の感情を抑える力が乏しい)
2) 依存心が強い。
(強い性格の有能な奥さんが多いのは、アル中夫がしっかりものの妻を選ぶから)
3) 自己中心的な性格。
(他の人が悪い、世の中が悪い)
4) 猜疑心が強い。
(好意を素直に受け取れず、ひねくれて解釈する)
5) 陰気で強情である。
(暗く無気力に見えるが、内面には敵意を隠していて、時にそれが爆発する)
6) 劣等感が強い。
(自信に溢れているように見えても、内面では自信を欠く。失敗すると自分を責め、無能だと思う)
7) 緊張に耐える力が弱い。
(ものごとを適切に処理するのが下手で、笑って受け流せばいいことにも、敏感に反応し、屈辱と受け止めて恨む)
断酒を続ければ、こうした性格は修正されていくとも書いてあります。本来的にその人が持っている性格ではなく、成長過程や飲酒の中で、そういう性格が身に付いたということでしょう。
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