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たったひとつの冴えないやりかた
飲まないアルコール中毒者のドライドランクな日常
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2006年12月10日(日) 練習 (自分も含めて)アル中の人は「人と親しくなるのが苦手」だと思います。
自分からは何もしなくて、誰かが勝手に親しくしてくれるのを待っているだけ。そんな人が多いように思います。
あるメンバーが話していたのですが、人と人が親しくなるには、
・まず知り合って、挨拶をする関係になり、
・次いで、世間話をする段階があり、
・そして、プライベートな話をする段階へと至る。
という手順を踏むわけであります。
その過程では、「人間に対する恐れ」とか「無用な自分のプライド」とか、いろいろと乗り越えなくてはならないハードルがあります。そして、アルコールは、そうした邪魔者を一気に取り除いてくれる「魔法の薬」であったわけです。
その魔法の薬に頼り切ってきた(あるいはひたすら孤独を選んできた)人間は、しらふで人間関係を築く経験を積んでいません。だから、良い言葉で言えば内気でシャイな人間に、悪い言葉で言えば孤独をひがむ人間になってしまうのは、不思議じゃないでしょう。
自分の子供と何を話したらいいのか分からないとか、すぐに「昔の俺はこんなに偉かった」という話になったりとか。その下手っぴさは、なにもアル中に限りませんが。
自助グループでは、そうした人ばかりが集まってくるので、お見合いみたいに「まずお互いが親しくなることから」などと言っていては、その間にぼろぼろ人が死んでしまいかねません。だから、初対面だろうが構わずに、ミーティングでは身の上話や心の悩みを話しなさいとなっていると、僕は考えています。
信頼できる人を選んで、その人に話をするのではなく、たまたま自分の前に配置された人を信じるのだと。
AAの中にいれば、つまらない人間関係のトラブルに悩まされることも多々あります。でも、それはすべてを許せということになっています。何せ僕らは、AAという幼稚園の庭で遊んでいる子供です。子供同士の喧嘩をいつまでも引きずるわけにもいきません。お互い傷つけ合いながら、失敗しながら学んでいく。それが親しくなる方法ではないでしょうか。
社会の中では、人間関係の失敗は時に致命傷です。AAは練習の場だと思います。
ミーティングで話をきくばかりでなく、人と交わることもAAのプログラムでしょう。
(この項続く、かも)
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