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たったひとつの冴えないやりかた
飲まないアルコール中毒者のドライドランクな日常
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2006年11月12日(日) ニュースなるもの 飲酒運転事故の犠牲者は、毎年一定の数、出続けているものだと思います。
しかし、一時期は飲酒運転による事故の報道が増えていました。
また、自殺者の数は、交通事故の死者の何倍もあり、未成年の死も決して少ないものではありません。が、昨今はそれがニュースとしてたびたび報じられています。
報道メディアが関心を持てば、そのジャンルの記事が集中的に報じられるわけです。というか、メディアが関心を持とうが持つまいが、事象は変わらずに発生し続けているのが本当です。
ではなぜ、とっかえ引き換え、いろんなニュースが「流行」となって報じられるのでしょうか。
それはやっぱり同じようなニュースばっかり見ていると、飽きてくるからでしょう。人間、同じ刺激を受け続けていると、感じる閾値が高くなっていきます。要するに鈍感になるわけです。同じ料理を毎食食べていると飽きてくるのと同じです。
飽きてきた頃を見計らって、別の料理を出すと、美味しいといって食べてもらえるわけです。というわけで、ニュースもメニューを入れ替えていかねばなりません。
ニュースも商品であって、ニュースを配る団体も会社という営利組織であります。営利組織であるからには、利益を上げて会社を維持し、社員に給料を払っていかねばなりません。そのことを忘れてはいけないと思うのです。なまじ商業主義の面をしていないだけに、ついうっかり「社会の公器」という神話を信じてしまいかねません。
NHKは営利組織ではないものの、事情は似たようなものでしょう。つまらない人気のない番組ばかり流していれば、そんな放送は止めてしまえという声が必ず上がってきます。NHKは放送文化維持のために止めるわけにはいかないと言います。それもウソではないのでしょうが、止めたくない別の事情もあるでしょう。
放送を止めてしまえば、それに携わっていた人間は不要になり、ほかに使いまわしがきかなければ解雇するしかありません。でも人員整理は営利組織でないぶん難しかったりして。
日本国民の90%が自衛隊の存在に賛成になったら、朝日新聞は明日にでも自衛隊賛成の記事を載せるだろう、と言った批評家がいました。同じように90%が反対になったら、産経新聞は自衛隊反対に回るでしょう。
ニュースメディアの第一の目的は自己保全であり、流行はニュースの消費者が作っているのであります。
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