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たったひとつの冴えないやりかた
飲まないアルコール中毒者のドライドランクな日常
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2006年04月05日(水) まさかこんなものを偽造するとは 精神障害者手帳偽造容疑で男逮捕
いつの間にか「心の家路」も5年目に入りました。ホームページ下部のカウンターも10万を超えています(キリ番とかやらなかったなぁ)。
障害者手帳をもらったのは、すでにこの雑記を書き始めてからだと記憶しています。申請には診断書が必要だったのですが、手帳をもらえば通院医療費公費負担(いまは名前は変わりましたが)の申請に診断書が要らなくなるので、診断書代は損にはなりません。
手帳の発行は都道府県の事務なので、県によって多少差が出てしまうようです。アルコール依存症で手帳をもらったという話も聞きましたし、依存症ではもらえなくてうつ病でもらったという話も聞きました。
手帳の発行実績としては2級がダントツで多いそうです。これは生活保護費の障害者加算を得るためには2級が必要(3級だと取得する意味が無い)ということと関係がありそうです。
身体障害者手帳や療育手帳と違って、精神障害者保健福祉手帳には、人に「ちょっとうらやましいかも」と思わせるほどのメリットはないと思います。交通機関の割引きを受けられるわけでもなく、NHK料金を値引いてもらえるわけでもありません。(ただ、地方によっては独自の施策があり、例えば東京都では都営地下鉄・都バスが無料になります)。
給与所得者だと所得税・住民税の控除ぐらいでしょうか(これは勤務先に知られてしまうので、休職した去年初めて使いました)。あと、携帯電話の割引きと(これが一番大きいかな)、NTTの104が無料になるぐらいでしょう。
僕の住んでいる市だと、市民プールや市の美術館が無料になるのは少しうれしいかもです。
そんな感じで、持っているデメリットも無いけど、大してメリットも無く、誰もそんなものを偽造するとは思いもしませんでした。それはトバシ携帯の契約に使うとは・・・。確かに顔写真は貼り付けてないわけですが。
他の手帳にある顔写真が無いのは、この手帳の制定当時に精神疾患の患者会や家族会がプライバシー保護のために反対したのだそうです。その気持ちもわからなくもないですが、そのおかげでJRが「本人以外に悪用される可能性がある」という理由で割引きの適用を拒否しました。そして、高速道路も飛行機会社もNHKも、JRに倣ったというわけです(なんでNHKまで)。
お札や運転免許証、パスポートなどは紫外線をあてると光る塗料が塗られています。これは顔写真を貼り付けても偽造がなくなりはしない根拠のような気もします。ただ、空港のパスポートコントロールならいざしらず、一般店舗でブラックライトを使って真贋判定をのんびりやっているわけにもいないのでしょうから、不可視インクは意味がなさそうです。
さて、こうなるといずれ精神障害の手帳も顔写真入りになるのでしょう。そうなった暁にはJRも割引きをするようになるかもしれないし、ならないのかもしれません。
ともかく、生物学的には障害が重いほど数がまれになるのが自然で、等級が軽いほど手帳の保持者が増えるのが自然でありましょう。3級よりも2級の所持者が圧倒的に多いという事実が、この制度のひずみを示しているように思われます。
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