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たったひとつの冴えないやりかた
飲まないアルコール中毒者のドライドランクな日常
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2006年03月28日(火) 泥酔が罪? アメリカでのバーで深酒しただけで逮捕されるという記事でも取り上げることにしましょうか。
泥酔することは犯罪なのか、という疑問はあります。
日本で過失運転致死傷罪ができるまえは、飲酒運転による事故の加害者は業務上過失致死傷罪で処罰されていました。この刑が最大でも懲役5年であったために、人が死んだという結果に対して、他の罪に比べてあまりにも軽いではないかという議論があって、過失運転致死傷罪が新設されたわけです(最大懲役15年)。
業務上というのは仕事をしていてという意味ではなく、日常生活のうえでという意味だそうです。刑法が制定された明治のころには、故意にではなく過失によって人が死ぬということは滅多に無く、その罪を重く問うことは適切でないという背景があったようです。
しかし、文明開化が進んで、だれでも(たとえば車という)凶器にすぐ変わる装置を操作している世の中になると、重い罪が適切でないと悠長なことを言っていられなくなるわけです。
時代が変われば罪に問われる事柄も変わる。これについて連想するのがコンピューターのクラッキングです。今は不正アクセス禁止法(1999年)があります。しかし、それ以前、刑法に電子計算機なんたらという条項ができる1987年以前は、他人のコンピューターに侵入することを罪に問うことができませんでした。どうしても立件しなければならないときには、他人のコンピューターを操作=電気を消費した=電気を盗んだ=窃盗罪として起訴されていました。
時代の変化とともに問われる罪も変わると言うことでしょう。
アルコールによる害は日本よりアメリカのほうが深刻であるわけですが、日本も人口が増えなくなった(むしろ減っている)割にはアルコールの消費量は増えるばかりです。健康な人の飲酒習慣にけちをつけるつもりは毛頭ありませんが、アメリカで起きた事象が何十年か後には日本でも起きることは経験的に知られているわけであります。
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