心の家路 たったひとつの冴えないやりかた

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たったひとつの冴えないやりかた
飲まないアルコール中毒者のドライドランクな日常
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2005年11月21日(月) 寒い

ひいらぎはおたくなので、着ているものはいつもトレーナーです。
寒いと上に何かを着るのですが、普段は会社に行くにも、AAミーティングに行くにも車であり、リモコンエンジンスターターで暖気済みの車に乗り込むわけなので、とくに上着は必要ありません。

しかし僕は、先週末すっかり困ってしまっていました。
髪の毛が伸びすぎたので、駅前の床屋に行って散髪をしてもらおうという気持ちになりました。が・・・、駅前まで歩いていくとすると、どうしても上着が必要です。
まあ、駅前まで車で行って、駐車料金を払ってという手段もありますが、駅前の混雑に拍車をかけるのはあまり好ましくありません。
かといって、上着なしででかけるには寒すぎます。

なぜ上着がないかというと、妻が入院中で、おまけに退院する気がなく、家のことは気にしてくれないので、上着がどこに仕舞ってあるか行方不明なのであります。
もちろん考えられる場所はすべて探しました。が・・・妻が入院する前の時点で、2階への引っ越し作業が止まっていたことを考えると、何がどこに行っているのか、知っているのは妻ばかりであります。
が、「上着はどこだよぅ」という僕の入魂のメールにも返事をよこさないほど、彼女は機嫌を悪くしてしまったのであります。

しかたなく押し入れを探っていると、一度も袖を通したことのないスタジアム・ジャンパーが出てきました。これは昨年の白樺湖のラウンドアップの際に、女性のメンバーが作ってくれたものです。背中におっきなAAのロゴがあり、UNITY/SERVICE/RECOVERYの文字もまぶしいシロモノで、きっとアメリカでは着れたものではないでしょう。
僕もちょっと恥ずかしくて、いままで着ることはありませんでしたし、これからもないだろうと思っていました。

勇気を出して、そのスタジアム・ジャンパーを着て床屋に歩いていきました。もちろん誰も僕の背中を指さして笑ったりしませんでしたし、床屋さんがくすくす笑ったりもしませんでした。

なんだか仲間の愛に包まれているみたいで、とっても暖かかったですよ。
妻の退院まで、上着はこれ一枚で過ごすことになりそうです。


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by アル中のひいらぎ |MAILHomePage


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